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[G★2006#70]教育用オンラインゲーム? 「Secret Adventure」
2006/11/13 00:32
 G★会場にはいろいろなブースがあるが,Gridのブースはかなり変わり種だといえるだろう。ブースの中が,お子様に占領されているのだ。
 ここに展示されているゲームは,「Secret Adventure」ただ1本。見たところ,基本はごく普通の横スクロールアクションゲーム。ジャンプしてモンスターを踏んづけたり,頭突きでブロックを壊したりと,特定の横スクロールアクションに見られるパターンを踏襲している。キャラは可愛いが,昨今では可愛い系のゲームなどそこら中にゴロゴロしている。では,なぜここだけ子供しかいないのだろう? 
 話を聞いてみると,このゲームは教育用オンラインゲームという位置付けで開発されているものだそうだ。現在クローズドβテスト段階で,冬休みに合わせてオープンβテストをしたかったらしいのだが,それは難しそうという話だった。

 さて,このSecret Adventureだが,最近コミックが発売されており,テレビアニメにもなるのだという。テレビアニメなら人気も分かるのだが,まだパイロット版の段階ということであり,コミックも出たばかり。低年齢層をターゲットにした「FreeTeen」というプロジェクトの一環で制作されており,子供達の集まる「Yahoo!プロギ」(いたずらの意:ミニゲームなどを豊富に揃えたサイト)や「Juniver」(Naverの子供版)を中心にマーケティングをしているとはいうものの,プロジェクト自体始まったばかりで,認知度が高いとは思われない。
 つまりどうやら,会場に入ってきた子供が,自分でこのゲームを選んでいるようなのである。これは驚くべきことといえるだろう。



 ゲーム自体は,はっきりいって,あまり簡単ではない。障害物としてゼリーのようなものがあちこちに置いてあり,これにつかまると,動きが凄く遅くなってしまうのだ。当然ながら,ハマりやすい場所に置いてあるので,しっかり覚えないと毎回捕まってしまう。なお,本作は教育用で,暴力的でないとはいうものの,モンスターを殴ったり,踏んづけたりはするわけで,ほかのゲームとさほど差はない気もする。

 では,どのあたりが教育用かというと,小学校3年生の夏休みの課題など,そういった実際の教材とリンクした内容のクエストが用意されていたり,英単語をミニゲームで覚えるようになっていたり,タイピングのミニゲーム(問題文の内容は小学校の教科書から取っているという)が用意されていたりといった具合だ。このゲームの開発には,小学校の先生なども参画しているのだという。



 さて,ゲームの内容だが,これはアクションアーケードオンラインゲームというジャンルだそうで,解説中に何度も「メイプルストーリー」という名称が出てきたので,似た感じのゲームだと思えばいいだろう。
 ステージは,通常の狩りを行うマップと競争用のマップに分かれており,駆けっこのような障害物競走を行うこともできる。また,一定時間内に隠された7種類のアイテムを探すとステージクリアとなる「レインボーシステム」も搭載されている。この「探す」ということを,ゲームの方向性として出すように開発は進められているようである。

 キャラクターは,ヒューマン,エルフ,オーク,ドワーフ,ピクシーの5種類があり,バディというアイテムを集めると,「変身」ができるようになる。変身するとどうなるかは絵を見ていただいたほうが分かりやすいだろう。変身すると2頭身だったものが3,4頭身になる。さらに職業選択でキャラを変えていくこともできる。
 面白いのは,ヒューマンでプレイしていても,エルフのバディを拾うとエルフの成長体型に変身できることである。種族にはあまりこだわってないようだ。
 キャラクターのレベル以外に,ゲーム内での「何年生」かが決まるようになっており,1年生から始めて10年生まで,通常のレベルとは別に成長していくという。



 キャラクターは子供に受け入れてもらえるものをということで,全社員の子供に調査が行われ,現在のデザインに落ち着いたという。子供の好むアクションなどもいろいろ研究されているようだ。
 子供向け(7〜14歳向け)という新市場を開拓しようとしている作品は韓国でも珍しく,今後の動向に注目したいところである。(aueki)


Secret Adventure
■開発元:N/A
■発売元:Grid
■発売日:未定
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.11/20061113003241detail.html