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クローズドβ開始直前!「スカッとゴルフ パンヤ Season3:Revolution」プレイレポート
2006/11/08 19:21
ゲームポットでパンヤのディレクターを務める前田有希氏。ちなみに氏のお気に入りキャラクターはアリンとのことで,以前このような連載を執筆していた筆者は瞬時に意気投合
 ゴルフゲームを徹底的にライト寄りにアレンジした「スカッとゴルフ パンヤ」は,今や国内のオンラインゲームを代表するタイトルの一つに成長した。その人気の理由は,老若男女誰でも気軽に楽しめるゲームルールと,愛嬌たっぷりのキャラクター達,そして,適切な目標が設けられた絶妙なゲームバランスにある。また,元々は韓国産のPC用ゲームではあるが,2006年12月2日には,Wii版の「スイングゴルフ パンヤ」も発売されることになっている。

 Wii版の登場によって,パンヤというブランドはさらなる飛躍を遂げると思われるが,本家であるPC版も負けてはいない。大規模アップデート「Season3:Revolution」の導入が,すぐ目前に迫っているのである。今回のアップデートはまさしく“革命”と呼ぶにふさわしい内容/規模で,ゲーム内のありとあらゆる面が強化されると考えていい。

 Season3は,来る11月9日〜11日に8000人規模のクローズドβテストで先行公開され(募集はすでに終了),11月中には正式導入される予定となっている。
 そこで4Gamerは,同作の運営元であるゲームポットのオフィスへお邪魔し,開発中のSeason3を一足お先にプレイさせてもらった。本稿では,その取材で得られた新情報をお伝えしていく。テスター当選した人もそうでない人も,ぜひ目を通してほしい。

※本稿に掲載している画面写真は,Season3の開発途中バージョンで撮影したものです。あらかじめご了承ください。



■魔界のプリンス「カズ」と,超高難度コース
■「ディープインフェルノ」が登場!

パンヤは「Season」という単位で大規模アップデートを繰り返している。Season3は,11月中の実装が予定されている
 Season3最大の目玉といえるのが,新キャラクター「カズ」である。カズは,かつてパンヤ島に君臨していた大魔王の生まれ変わりという,どことなくダークな雰囲気を漂わせたキャラクターだ。しかし完全に悪に染まってはおらず,恋人の「カレン」が身を投げ打ったことで正気を取り戻した,というバックグラウンドストーリーがある。その際にカレンは命を落としてしまうが,今も守護霊(?)としてカズに付き従っているのだ。従来の,底抜けに明るかったキャラクター達の中に,カズがどのようにして溶け込んでいくのだろうか。興味津々である。
 今まで,パンヤではこういったストーリー性は目立たなかったが,Season3以降は少し方向性が変わっていくのかもしれない。ちなみにWii版の「スイングゴルフ パンヤ」では,「パンヤ・フェスタ」というストーリーモードが用意されており,これが影響している可能性も考えられる。ともあれ,キャラクターに感情移入したいプレイヤーにとって,ストーリー性の充実は非常に嬉しいところだろう。

 ゲーム内におけるカズの能力については,総合力が男性陣の中では最も優れており,とくにパワーが高いとのこと。Season3の導入直後は人気が集中しそうだが,入手方法はPP(ゲーム内通貨)およびCP(アイテム課金用の通貨)の両方が用意されているので安心してほしい。PPであれば32000,CPであれば,キャラクターとコスチュームがセットになったプランを検討しているとのことだ。

上段左:カズは,魔界の「ルー」一族の末裔という設定。パンヤらしからぬ重厚な雰囲気だが,それが新鮮でもある 上段中央:「カズ」は日本的な名前のように思えるが,実は韓国版も同じ名前らしい。余談となるが,韓国版でのダイスケの名前は「アゼル」とのこと 上段右:PPとCP,どちらの通貨でも新キャラクターが入手できる点は嬉しい。CP購入の場合はコスチュームの特典付きだ 下段左:剣と黒魔法が得意という設定のカズ。ホールアウト時には演舞を披露することも 下段中央:ボギーを叩いたときは,悔しさのあまり地面に拳を叩きつける。どうやらかなり勝気な性格のようだ 下段右:カレンはキャディではなく,ホールアウト時など特定の場面でさりげなく登場する。いずれカレンのコスチュームも登場するのだろうか?


「ディープインフェルノ」は魔界をモチーフとしたコース。リゾート気分は味わえないものの,このシリアスな雰囲気は新鮮だ
 Season3で実装される新コース「ディープインフェルノ」は,カズの設定に合わせて魔界がモチーフとなっている。従来のコースにおけるリゾート然としたデザインとは違い,おどろおどろしい雰囲気に満ち溢れているのが特徴的だ。古くからのパンヤファンにとっては,とても新鮮な景観である。
 ディープインフェルノの難度は,その景観に見合うものとなっており,すこぶる高い(★三つ)。実際にプレイしてみると,極端にトリッキーなコースという印象は受けないものの,各ホールの距離が全体的に長く,また火山地帯のため高低差もある。さらにフェアウェイと比べてラフの占める割合が多く,ラフの深さに驚かされる(85%)。なので,従来の感覚なら「届くかな」と思える距離でも,ランの時点でひょっこりとラフが待ち構えていたりして,慣れるまではなかなか思うようにプレイできない。
 とにかくパワーのないキャラクターでは,テクニック以前の問題で,どうしても手数が増えてしまう。また,仮にショートカットを狙おうと思ったら,パワーに加えトマホークショットが必須となる場面も多そうだ。ディープインフェルノは,最近パンヤを始めたばかりの初心者にとってはキツいものの,上級者にとっては相当な手応えが感じられ,楽しいのではないだろうか。また,詳しくは後述するが,Season3ではキャラクターの成長システムに微調整が加えられるので,おそらくはこれの使いこなしがカギとなってくるだろう。

写真左:全体的にパワーが要求されるコースが多い。写真のホールでも,ラフを回避するには270Y級のショットが必要となるだろう 写真中央:かなり上級者向きのコースという印象。このコースの攻略法を確立するには,かなりの時間がかかりそうである 写真右:ふと見上げると黒いドラゴンが空を飛んでいた。シルビアキャノンのヘリコプターとは違い,当たり判定はないようだ


■キャラクターを操ってコースを走り回れる
■新しいチャットルームが実装に

ついに,パンヤのキャラクターを自由に動かせる日が来た! ゴルフゲームでこのような遊びができるのは,本作だけかもしれない
 続いて紹介するのは,新たに実装されるコミュニケーションシステムについて。従来では,ゲームロビーからゲームルームを作成し,そしてゴルフを行うという流れであった。Season3では,その流れの中のゲームルームの部分において,まったく新たなモードが選択できるようになる。そこではなんと,マイキャラを操ってゴルフコース内を自由に動き回れるのだ。少々イメージしにくいかと思うが,たとえるならばアリンやクーで,クリックタイプのMMORPGをプレイするのに近い。
 実際に遊んでみると,ゴルフコースを自分のキャラで歩き回れるというだけでも,新鮮なことこの上ない。これまで,マイキャラが動く姿は,基本的にはゴルフ中に定められたモーションしか見られなかった。それが歩いたり走ったり,さらにはさまざまなエモートが表現できるようになり,しかもそれを,好きなカメラアングルで(!)鑑賞できるのだ。これは各コースの,地形面の研究にもきっと役立つはず。

上段左:キャラクターの移動は,左クリックまたはカーソルキーで行う。一般的なMMORPGそのままの感覚だ。チャットルームの許容人数は,10/20/30の3パターンから選べる 上段右:コースのモデリングに関しては,従来のものから手が加えられていないので,移動できない場所もある 下段左:「座る」「寝転がる」のほか,4〜5種類の感情表現コマンドが使用可能。それにしても一体,ゴルフ場で何をしているのだろうか 下段右:実際に遊んでみた感覚は,「ファンタシースターユニバース」のビジュアルロビーに近い。今後は,このモードを活用したミニゲームの登場にも期待できそうだ


 ここでは,吹き出し形式によるチャットが楽しめるほか,「MYショップ」という新機能も使えるようになる。
 これは,プレイヤー間でPPアイテムの売買をするためのシステムで,売りたいアイテムに価格を設定すると,キャラクターの上部にアイコンが点灯する。そしてほかのキャラクターがアイコンをクリックすると,陳列アイテムが表示されるわけだ。一般的なMMORPGにおける「バザー(露天)」をイメージしてもらえば,大体問題ない。
 MYショップの利点は,不要なアイテムの有効利用ができること。例えば「ガチャポンタPP」で入手したものの,使う機会の少ない消耗品や,メインキャラ以外のコスチュームを換金できるのは助かる。
 なおMYショップでは,「CPアイテムは対象外」となっている。MYショップはPP限定の個人売買システムであり,CPをPPに換金するシステムも存在しない。

 ちなみに,コスチューム類のアイテムは,同種のものに関しては,一人につき一つしか持てないようになっている。実はこれは,日本サーバー独自の仕様で,MYショップにおける極端な価格吊り上げといった悪質行為は,ほぼ不可能と見てよい。

写真左:頭上に家のアイコンが点灯しているのが分かるだろうか。これが,MYショップを開いている状態のキャラクターだ 写真中央:MYショップに陳列する商品を設定しているところ。このあたりはMMORPGでいうところのバザーと同じなので,とまどわないだろう 写真右:MYショップによってPPの使い道が多様化するのは歓迎したい。チャットルーム自体も大きな可能性を感じさせるシステムだ


■「アプローチショットバトル」や「スパイクショット」など
■ゲーム性に関しても大きくパワーアップ

 Season3では,新たなゲームモードとして「アプローチショットバトル」が導入される。ルールは単純明快で,参加者全員で一打限りのアプローチショットを行い,そのなかで最もカップに近い地点にボールを止めた人が勝利となる。パンヤプレイヤーなら,Season2で登場した「スキンスモード」における,最終ホールのエキストラショット部分を抜き出したものと考えると,分かりやすいだろうか。
 ちなみに,アプローチショットバトルの参加費用は1回100PPで,トップの人は合計PPの半分以上を獲得できる。最大30名の大会形式で進行するため,状況によっては1500以上のPPが得られるかもしれないのだ。アプローチショットバトルは1ホールだけで終了するため,ちょっとした気分転換や,運試しのような感覚で,気軽に挑戦できそうである。

写真左:アプローチショットバトルは,スキンスモードの一種という位置づけ。あっという間に終わるため,気分転換に最適 写真中央:できるだけピンに寄せねばならないものの,入れてしまうとアウトとなる。このさじ加減が面白い 写真右:仮に同じ距離だった場合は,打つまでの時間の短いほうが勝利となる。30人規模の場合だと,それくらいの接戦となるのだろう


また新たなスペシャルショットが登場。とくにロングホールの多いディープインフェルノでは,必須となる局面も多いだろう
 ゴルフゲームの範疇にとらわれない豪快な特殊ショットも,パンヤの魅力の一つ。Season3では,新たに1種類のスペシャルショット「スパイクショット」が追加されたほか,コンボゲージを2マス消費するパワーショットも使用可能になる。2マス消費のパワーショットは,従来のそれよりも飛距離が10ヤード伸びる。例えばディープインフェルノにおける超ロングホールのティーショットなどで重宝しそうだ。

 スパイクショットの発動時のコマンドは「パンヤショット+バー下降中半分未満で【→↓】」で,コブラやトマホークと同程度の難度と見てよい。肝心のボールの軌道についてだが,最初は放物線を描くように上昇していき,最高高度に達すると突如,そこから斜めに急降下して地面に突き刺さる。筆者は最初に見たとき,まるで獲物を狙う鷹のような印象を受けた。
 スパイクショットは,トマホークと同様にランが生じず,また急降下している間は風の影響を受けにくそうに見えた。したがって,例えば向かい風の中,断崖絶壁をぎりぎり越えるといったシチュエーションでは,スパイクショットが大活躍するのではないだろうか。

スペシャルショットなどのモーションも,新しいタイプが用意されている。どれもユニークで,動画でお見せできないのが残念


■その他細かい仕様変更
これまでのキャラクターの成績はロックされ,Season3用として新たに記録が開始される。育成システムの修正は成績にも影響があるため,適切な処置といえるだろう
 Season3の目玉要素は以上だが,それ以外の細かい部分にも,かなり手が加えられている。どれもパンヤプレイヤーにとっては重要と思われるので,ざっと紹介していこう。
 まずはキャラクターの育成システムについて,全体的に上方修正がなされる。従来では能力値の「パワー」を21まで上げると,それ以降はコントロールと正確度にペナルティが生じていた。Season3ではこのペナルティの生じるタイミングが,レベルによって違ってくるのである。具体的にはパワーの値が「ビギナー:22,ジュニア:23,シニア:24,アマチュア:25」以上になると,コントロールと正確度が1ずつマイナスされていく仕組みだ。例えば「アマチュア:パワー25」のキャラクターで考えると,Season2とSeason3とでコントロールと正確度のペナルティ量が大きく違うのが分かるだろう。
 つまりこの変更によって,キャラクターのレベルを上げる大きなメリットが生じるわけである。また,同じレベルでも,パワー派,コントロール派,などといったプレイヤーの個性が,キャラクターに反映されやすくなる。もちろん,従来のコースにおける攻略法も違ってくるだろう。



マスコットのPPアップ効果は,特殊アズテックなどとスタックするとのこと。CPアイテムの活用で,より快適なプレイが楽しめそうだ
 装備/アクセサリーについては,以前に期間限定品として好評を博したマスコットが,新たに4種類追加される。マスコットは見た目が可愛らしいだけでなく,コースを一緒に回ることで,取得経験値のアップやアイテムスロット数の増加などのメリットがある。今回導入されるマスコットは,以前の「アンダーソン」とは異なり,CPによる期間販売になるとのことだ。

 アイテムにちなんだシステムとして,新たに「カディエ先生のマジックボックス」も導入される。これは消費型アイテムを合成して,別のアイテムにしてくれるというもの。たとえばガチャポンタPPをしまくって,消費型アイテムをたくさん抱え込んでしまった人は,レシピを見て足りない分をMYショップで補って合成する,といったことが可能になるのだ。Season3では,PPの使い道がかなり増えそうである。

 そして最後に紹介するのが,個人的には最大のトピックである「髪型変更」機能。とりあえず掲載画面をよく見てもらいたいのだが,従来とはまったく別のキャラクターに思えてくるから不思議だ。システム的には「かつら」のアクセサリー用アイテムなので,例えば髪型の上に帽子類はつけられないものの,色の変更はできる。これらについてはSeason3の実装時にCP販売,そしてしばらく経った後に,レアアイテムとして2種類をキャラクターごとに用意していくとのこと。大いに期待して待っていよう。

■さまざまな展開を見せていく「パンヤ」シリーズに今後も期待

 全体的にかなり駆け足の紹介となってしまったが,それでもこのボリュームである。最初はSeason2と同程度だろうとタカをくくっていた筆者は,次から次へと紹介される新システムに,取材中驚くことしきりであった。
 また,Wii版の「スイングゴルフ パンヤ」が体感プレイとストーリー面を重視しているのに対し,PC版の「Season3:Revolution」は,コミュニケーション面の強化に注力されており,方向性の違いも興味深い。この両者が食い合うのではなく,お互いに刺激し合って成長していくのは,とても良好な関係といえるだろう。

 「スカッとゴルフ パンヤ Season3:Revolution」は,11月9日にクローズドβテストが開始され,順調に行けば11月中に正式実装される。これからもさまざまな展開を見せていく本作に,引き続き注目していきたい。(ライター:川崎政一郎)

上段左:マスコットはこのように,共にコースを回ってくれる。キャディと同様,見た目が賑やかになるだけでなく,実利的な効果もあるのだ 上段中央:「カディエ先生のマジックボックス」。この方法でしか入手できないレアなアイテムも用意されているとのことだ 上段右/下段:髪型が変わるだけで,キャラクターのイメージはがらりと変わる。後から実装されるレアアイテムの実装も今から楽しみだ

スカッとゴルフ パンヤ
■開発元:Ntreev soft
■発売元:ゲームポット
■発売日:2005/05/27
■価格:無料(アイテム課金),フロンティアグルーヴ販売のパッケージ版は2100円(税込)
→公式サイトは「こちら」

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