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Hi5 CEO 澤紫臣氏にインタビュー:大規模アップデートの実施による「ブライトキングダム」の進化と,今後のHi5について
2006/09/08 18:47
ハイファイブ・エンターテインメントCEO 澤紫臣氏。ブライトキングダムのアップデート直後,天道オンラインのチェックアップ開始直前という過酷な状況下にも関わらず,セカンドインパルスに込めた想いを熱く語ってくれた
 8月18日に行われた,MMORPG「ブライトキングダム オンライン」正式サービス開始後初の大規模アップデート,「セカンド インパルス」。レベル60での転職,新スキルの大量追加,100種を超えるモンスターの追加など,多岐にわたる内容が実装された。そのタイミングで,同タイトルを運営するハイファイブ・エンターテインメントへ取材にうかがったところ,同社CEO 澤紫臣氏は冒頭から,単純な新規マップの拡大,街や装備アイテムの追加はユーザーを飽きさせないために必要なものだが,このアップデートを,ただそれだけの物にはしたくなかった。“Impulse”という言葉に相応しいものをユーザーに提供したかったと熱く語りだした。では,それは一体何なのか? 詳しくは以下のインタビューで確認してほしい。



■目に見えない「バランス調整」の部分にも注目してほしい
4Gamer:
 「ブライトキングダム オンライン」の正式サービス後初となる大規模アップデート「セカンドインパルス」が,8月18日,ついに導入されましたね。アップデート内容を見る限り,確かに衝撃的ともいえるボリュームがありました。

澤紫臣氏:
 ありがとうございます。「セカンドインパルス」というアップデート名に関しては,単に「大規模アップデート」というのではなくて,僕がどうしても名前を付けたかっただけなんですけどね(笑)。とはいえ,「基本プレイ料金無料のMMORPG」のアップデートとしては,まさに衝撃的ともいえる内容だと自負しています。

4Gamer:
 アップデート内容の概要については,公式サイトで紹介されているので,ここでは,運営元として最も注力した部分,プレイヤーに楽しんでほしい部分などについて,話を聞かせてください。

澤紫臣氏:
 セカンドインパルスでは,マップ/モンスターの追加やレベル60でのクラスチェンジなど,いわゆる「コンテンツの拡充」に力を注いでいますが,僕としては,プレイヤーの動向を考慮した上での「バランス調整」に注目してほしいですね。

4Gamer:
 ゲーム画面を見ただけでは分かりづらい,実際にプレイしてはじめて理解できる部分ということですね。セカンドインパルスによって,ブライトキングダム オンラインのゲームバランスはどのように変化したのでしょうか。

澤紫臣氏:
 MMORPG初心者でも気軽に遊べるようなゲームバランスを維持しつつも,公式掲示板などに書き込まれている声を尊重し,本当の意味で遊びやすい,楽しめるバランシングを心がけました。

4Gamer:
 抽象的ですね(笑)。具体的な例としては,どのような調整を施したのでしょうか。

澤紫臣氏:
 以前のブラキンは,ソロプレイ中心でもそれなりのレベルに到達できる仕様だったのですが,まずそれを,パーティでプレイすればより効率のいい狩りが楽しめるようにしました。また,実際のプレイヤーがどのレベル帯で伸び悩んでいるのか,どんなところでつまずいているのかを調査し,問題点の解消にも努めました。

4Gamer:
 私の場合,最初の難関というか,「ちょっときついなぁ」と思ったタイミングはレベル18前後だったのですが,それは一般的ですか?

澤紫臣氏:
 そうですね。みなさん大体,レベル18くらいになると,最初の「壁」にぶち当たるようです。ブラキンでは,レベル20になればクラスチェンジが可能で,クラスチェンジのための転職クエストも,なかなか面白いんですよ。ただ,そこに行き着くまでが大変で,飽きて別のキャラクターを育成し始めたり,中にはブラキンから離れていってしまう人もいたようです。

4Gamer:
 なるほど,やはりそう感じる人が多かったんですか。といってもブラキンは,一般的なMMORPGと比べて,そう「マゾい」バランスでもないんですけどね。

澤紫臣氏:
 確かにそうですが,MMORPGに不慣れな人にとっては,まだまだ厳しいバランスなのかな,と僕も考えていました。なので今回のアップデートでは,新規モンスターを100種以上増やし,さらにモンスターのリポップ間隔を早めることで狩り場の混雑を緩和し,ストレスのないレベリングを実現したんです。

4Gamer:
 キャラクターの成長要素はMMORPGの軸となる部分ですけど,レベルアップに必要な経験値量の多さや,プレイヤーキャラクターの集中に伴うモンスター不足といった問題は,プレイヤーに大きなストレスを与えますしね……。

澤紫臣氏:
 そうですね。でも,単純にモンスターを弱体化したり,むやみに経験値を増やしたわけではないんですよ。逆に,モンスター1体を倒す時間は伸びていて,そこだけ見ると「モンスターが強くなって,余計にキャラが育てにくいじゃないか」なんて言われそうですが,リポップ間隔を早めたことで,息継ぎする暇もなく,テンポよく戦うことも可能になりました。総合的に見れば,経験値の取得効率はかなり高くなっていますよ。

4Gamer:
 なるほど。そういう意味で,従来よりパーティプレイが楽しみやすくもなった,というわけですね。ポップ率が上がれば,パーティの殲滅力が高くても,モンスターが枯れて退屈になるという自体も発生しにくい,と。

澤紫臣氏:
 そのとおりです。それに加えて,プレイヤーにとって「しんどい」ポイントをレベル20前後に集中させるのではなく,例えばレベル30で,乗り物システム「コール」が利用可能になったり,レベル60でさらなるクラスチェンジが可能になったりと,レベルアップの目標/ごほうびとなる要素を,ちりばめました。
 実は先日,韓国から開発者が来日していたのですが,セカンドインパルスのバランスでもプレイヤーが物足りないというのなら,さらにモンスターのリポップ間隔を早めようという話し合いもしていたんですよ。

4Gamer:
 以前のゲームバランスに関してですが,レベル20前後で経験値が入りにくく,キャラクター育成が辛くなってしまう,というのは日本だけの話なんですか? それとも韓国のプレイヤーも同様に壁を感じていたからこそ,修正が入ったんでしょうか?

澤紫臣氏:
 それが興味深いことに,日本と韓国では,そろそろ飽きたな,辛いな,と感じる部分がかなり違うんですよ。先ほどのレベル20前後の壁を例にすると,韓国のプレイヤーは転職が目前という状況でも,その段階でのプレイが退屈だと感じれば,そこでゲームをやめてしまう傾向にあるんです。
 ところが日本のプレイヤーは,多少辛くてもとりあえず転職するまで「耐えて」プレイして,転職にこぎつける。その代わり燃え尽きるというか,転職すると同時にそこでプレイがストップしてしまう人も少なくないですね。

4Gamer:
 なるほど。興味深いうえに,とてもよく理解できるような気がします(笑)。そこで日本版では,ゲームの要所要所に目標/ごほうびを用意したというわけですか。

澤紫臣氏:
 はい。バランス調整に関して協議したときも,開発元は「レベル18〜19の転職直前をいかに退屈にしないか」という部分に注力しようとしていたのですが,我々としては,レベル20の転職を達成した後にもモチベーションが持続するような,さらなる目標にこだわりたかったんです。

写真左列は「マローン山賊団のアジト」,写真中央列は「隠れ峠」,写真右列は「試練の地」という新マップ。いずれも,パーティプレイに適した「パーティ型ダンジョン」となっているので,ぜひ仲間と一緒に冒険してほしい


■嬉しい意見も,厳しい意見も,プレイヤーの声はすべてチェックしています
4Gamer:
 そのほかにも,プレイヤーの声を反映させた変更点はありますか?

澤紫臣氏:
 はい。ブラキンの目玉でもある「キングダムクエスト」の予約システムを,よりプレイヤーに優しい仕様に変更しました。
 ご存じのようにキングダムクエストは,一言でいうなら「予約制のクエストシステム」なのですが,人気のあるクエストには一瞬で予約が集中してしまい,1時間に1回の募集に滑り込めなかった人は,次の募集タイミングまで1時間,待たなければならなかったんです。

4Gamer:
 予約制とはいえ,確かにちょっとさびしいですよね。

澤紫臣氏:
 その問題点を,例えば人気の「黄金を探せ」というキングダムクエストでは,30分ごとの予約を可能にすることで解消しました。単純に考えて,予約できる機会が倍になったわけだから,より多くのプレイヤーに,うま味のあるキングダムクエストを楽しんでもらえるはずです。

4Gamer:
 ……ということは,30分以内にキングダムクエストをクリアしてしまえば,連続して同じクエストに予約を入れることも可能なわけですよね?

澤紫臣氏:
 おっしゃるとおりです。その点が課題といえば課題なのですが,あれこれ制限をかけて,プレイヤーの自由を奪ってしまうのは避けたいんですよね。しばらくは,ゲーム内や公式掲示板で反応を探りつつ,「30分間隔の予約制」の成果を見守りたいと思います。

4Gamer:
 あと,ちょっと細かい話になってしまいますが,スキルのディレイ/リキャストタイムにも修正が入りましたよね。

澤紫臣氏:
 はい。そこも修正しました。とくに,魔法を駆使して戦うメイジは,攻撃のリズムがかなり変化したはずです。同時に武器の威力についても修正が入っているので,各クラス,戦闘バランスがかなり変化したでしょうね。

4Gamer:
 私も実際にプレイしてみましたが,リキャスト関連の仕様変更には,若干戸惑ってしまいました。既存のゲームバランスをここまで大きく変えてしまうと,従来のプレイヤーから不満が出たりしませんか?

澤紫臣氏:
 確かに,従来のプレイスタイルの見直しを迫るような変更ですから,アップデート直後はユーザーも混乱するでしょうし,チェックアップ(クローズドβテスト)から遊んでくれているプレイヤーからは,実際不満の声も出ています。
 でも,僕にとってアップデートというのは,プレイヤー全体の動向を把握しつつ,レベルデザイン的な流れを変えていくことのほうが大切なんです。むしろこのバランス調整を,「新しいプレイスタイルを考え直す楽しさ」だと考えてもらえたら,嬉しいです。まさにアップデート名の通り,「インパルス」を受けるという意味でね。
 もちろん,「新エリアが増えました,クエストが追加されました」というような,目に見える部分を,疎かにするつもりもありません。

戦闘バランスの調整は,従来のプレイスタイルを否定するのではなく,「新しいプレイスタイルを考え直す楽しさ」を提案するために行われた。既存のプレイヤーからすると,戦闘のテンポが変化し,戸惑う部分もあるだろうが,一方で,新たに戦術を練る楽しさが味わえるはずだ


4Gamer:
 強いこだわりが感じられますね。しかし,MMORPGに不慣れなプレイヤーが,セカンドインパルスの「目に見えない部分」の変化についていけず,ブラキンから離脱してしまうかもしれない,という危惧はなかったのでしょうか?

澤紫臣氏:
 もちろん考えました。先ほども言ったスキルのリキャスト問題だけでも,プレイヤーにとっては大きな衝撃だったでしょう。しかし,僕自身もテストサーバー上でプレイましたが,育成に飽きて停滞していたキャラクターでも,新鮮な気持ちでプレイできる,先に進みやすくなっているという実感のほうが強かったんです。
 現実問題として,アップデート後の同時接続者数,公式サイトへのアクセス数は確実に増えてきています。いったんブラキンから離脱していた古参プレイヤーに関しても,かなりの割合で復帰しています。
 ともあれ,メールや公式掲示板には可能な限り目を通しているので,現状のバランスに不満がある人も,あまり悲観的にならずに楽しんでくれればと思います。

4Gamer:
 MMORPGのゲームバランスは,常に変化していくのが普通だし,ある意味それが魅力とも言えますからね。現状のバランスに不満があるという人も,次の変化に期待しつつ,新たなゲームバランスを楽しんでほしい,ということですね。
 ところで,目に見える部分のアップデート内容で,とくに注目してほしい要素は,どのへんでしょうか。

澤紫臣氏:
 新しく実装された街「ウルガ」は,ぜひ一度足を運んでほしいですね。このウルガという街は,キャラクターレベルがそれなりに高くないと,なかなかたどり着けないところにあるんですよ。だけど,レベル20前後の適正狩り場で敵を倒していれば,ウルガに飛べるスクロールをドロップアイテムとして入手できます。

4Gamer:
 なるほど,自力でウルガにたどり着けない人でも,比較的気軽に観光できるわけですね。

澤紫臣氏:
 そのとおりです。新しい街が実装されたら,キャラクターレベルが低くても,一度くらい観光してみたいじゃないですか,プレイヤーとしては。でもキャラクターレベルが低い人は,ウルガの街の外でモンスターに絡まれると一瞬で殺されてしまうので,その点は自己責任でお願いします(笑)。

4Gamer:
 MMORPGでの新マップ観光は,結構命がけだったりしますからね(笑)。ところで,ウルガとその周辺は,どんなマップなのでしょうか。まだ観光していない人のために,見どころなどを教えてください。

澤紫臣氏:
 ウルガとその隣のマップ「古代エルフの森」は,だいぶ高低差が目立つ地形になってます。ハイキングをするように丘を越えたり,視界が開けたり,メリハリのあるフィールドになっているのが特徴ですね。
 それと,従来の街はゲートが用意されていて,フィールドと街は完全に隔たれている構造ですが,ウルガの場合,周辺のフィールドとシームレスな造りになっている点も,ブラキンとしては新しい要素です。

4Gamer:
 そういえば,シームレスなマップ構成は,ブラキンにはなかった要素ですね。今後,従来の街にも適用されるんですか?

澤紫臣氏:
 今後実装されていく街に関しては,シームレスなマップ構成が適用されるとは思いますが,既存の街に関しては変更ありません。小さな街でも,フィールドと直接つなげていくことで,マップの有効活用が可能になりそうですね。

4Gamer:
 ほかの「目に見える変更点」で大きなものは,やはり100種以上追加されたという新規モンスターですけれど,これに関しても,プレイヤーの声が参考になっているんですか?

澤紫臣氏:
 そうですね。先ほどもちょっと話しましたが,パーティプレイをもっと楽しみたいという人のために,個性的なモンスターを大量投入しました。
 見た目に関しては,いわゆる「色違い」のものもいるのですが,亜種モンスターは従来,キングダムクエストにしか登場しなかったので,既存のプレイヤーにとってはなかなか新鮮だと思いますよ。
 また,手下を連れたファミリーモンスターや,一撃のダメージは小さいけれど素早い連続攻撃を繰り出すモンスターなど,行動属性に関しても興味深いモンスターが増えています。ソロはもちろん,パーティプレイでも気の抜けない戦闘が楽しめるはずです。

4Gamer:
 なるほど。モンスターの奪い合いが解消されるだけではなく,多少レベル差のあるプレイヤー同士でも,パーティプレイで遊びやすくなったわけですね。

ちょこっとモンスターの実装,新マップの導入,宝箱の登場などなど,セカンドインパルスの導入によって,ゲーム内コンテンツも大きく拡充された


■ブラキンの今後/ハイファイブの今後について
4Gamer:
 セカンドインパルスを実装したばかりのタイミングで聞くのもなんですが,今後,ブラキンを,どのようなMMORPGに育てていきたいですか?

澤紫臣氏:
 僕自身が今のブライトキングダムに足りないと思っているのは,コミュニケーション/コミュニティの部分なんです。プレイヤーのファンサイトやBlogなども増えてきて非常に嬉しいのですが,まだまだ,地に足のついたコミュニティが育っているとは言い難いです。
 コミュニケーションという点では,単純にチャットのインタフェースが非常に使いづらい。今回ウィンドウに「一般ギルド」や「パーティ」チャットなどのタブを付けて,ユーザビリティ向上を計りましたが,まだ不満は残っていますね。
 コミュニティに関しては,仲良くなったユーザーを友達登録するためには,ボタンを2回も3回も押さねばならず,無駄な手順が多い。もう,友達を作るのをゲームが妨害してるんじゃないか!? なんて言いたくなるほど面倒なんですよ(笑)。こういう部分の改善は地味ですが,とても大切なはずだし,日本市場に最適化するためにも開発側へ提案し続けていくつもりです。

4Gamer:
 実際にゲームをプレイしている人なら,そういったインタフェースの使い勝手に関しては,非常に敏感なものですからね。操作系統のちょっとした違和感が,大きな不満につながりやすいのも事実ですし。

澤紫臣氏:
 まったくその通りですね。我々は海外で開発されたタイトルを,単に日本語化して提供していればいいやという姿勢ではなく,その違和感を取り除くためにも,もっとプレイヤー視線に立って,努力していくつもりです。
 ブラキンは,韓国よりも先に日本での商用化が決まりましたが,開発は韓国で行っているので,アップデートのタイミングはどうしても韓国が最初になります。日本のプレイヤーからは,結局韓国のクライアントが先に修正され,日本サービスはそれを持ってきただけじゃないかと言われがちですが,韓国版のクライアントにしても,その修正案の元になっているのは,日本プレイヤーの声だったりします。開発元へのフィードバックは,今後も継続的に行っていくので,日本のプレイヤーにも,より活発な情報提供をお願いしたいです。そして,我々を信じてほしいと考えています。

4Gamer:
 ちなみに,韓国版クライアントとのアップデート時差は,大体どれくらいなのでしょうか。

澤紫臣氏:
 2週間程度で追いついています。言語のローカライズがメインですが,実はモンスターのポップ時間,取得経験値量なども日本向けに微調整しています。
 せっかくだから,今後のスケジュールについても,ちょっと触れておきましょう。セカンドインパルスでは乗り物システム「コール」と,手乗りならぬ肩乗りモンスター「ちょこっとモンスター」が導入されましたが,将来的にはこれとは別に,ペットシステムを導入する予定です。

4Gamer:
 “3番目のペット”ですか。ちなみに,どんなペットになりそうなんですか?

澤紫臣氏:
 新しい乗り物システムとは聞いているんですが,まだちょっと未定の要素が多いので,詳しくお話することはできないんですよ。ただ,子馬のコールがちょっとダサイ,馬というかロバみたいな動物なので,次は天馬みたいな,カッコイイ馬がくるんじゃないですかね。また,ちょこっとモンスターとは違い,乗り物システムが一緒に戦ってくれるペットになるかもしれません。ともあれ,ぜひ楽しみにしていてください。
 それと秋口には,ゲーム内音楽も10種類以上が入れ替えになりますし,タイトル画面で流れるテーマ曲も変わるんですよ。同時期にNPCの3Dモデリングも,ゲーム内で表示される絵に合わせたものになります。近日中に正式発表できると思うので,こちらに関しても,お楽しみに。
 最初から僕が言っている「日本化」は,バランスだけでなく,見た目や耳に入る部分でも着々と進行しているので,これも一つの大きなアップデートとしてアピールしたいですね。

4Gamer:
 将来の話が出たついでに,「天道オンライン」「アリアスストーリー」の話なんかも,こそっと教えてもらえると嬉しいのですが……。

澤紫臣氏:
 天道オンラインに関しては,すでにお知らせしているとおり,9月12日から9月19日の期間にチェックアップ(クローズドβテスト),9月下旬にブラッシュアップ(オープンβテスト)を予定しています。天道オンラインは,韓国ですでにサービスされており,クライアントも安定したバージョンなので,テスト期間は若干短めになるでしょうね。近々公式サイトも立ち上げて,正式サービスは10月中ぐらいを考えています。
 アリアストーリーについては,ハイファイブ側からのアイデアを5割程度は入れ込みたいんですよね。年内の正式サービス……,できればクリスマスプレゼントになる時期に出したいのですが。
 また,それとは別に,まだ詳しいことは話せないのですが,年内に次の新作を発表をする予定です。

4Gamer:
 4作目のタイトルですか……? 年末年始あたり,ハイファイブ・エンターテインメントにとっては大きなターニングポイントになりそうですね。新規タイトルはもちろんですが,ブラキンの今後のアップデートにも,大いに期待させてもらいます。本日はありがとうございました。

写真上段は,9月12日にチェックアップ(クローズドβテスト)が実施される「天道オンライン」のコンセプトアート。写真下段は,年内の正式サービスが予定されている「アリアスストーリー」のスクリーンショットだ


 新作タイトルが次々に現れては,いつの間にか消えていくMMORPG市場では,プレイヤーの声=要望をいかにスマートにゲーム内へ取り入れられるかが,プレイヤー離れを防ぐ鍵ではある。しかし,時に気まぐれで,時に少しワガママな声に振り回されてしまえば,やはりいつかは飽きられてしまう。
 「今回のアップデートの目玉は,ゲームバランスの調整と……馬ですよ」と笑いながら語ってくれた澤氏。だがその口調とは逆に,ブライトキングダムを息の長い,良質なMMOROGに育てたいと思うからこそ,ここまで大胆なバランス調整を,今回のアップデートで行ったのかもしれない。
 既存のシステムやゲームバランス一旦崩してでも,本当に面白い物を提供し続ければ,プレイヤーはついて来てくれるはず,という澤氏の読みは,果たしてどのような結果を生むのか。ブラキンの今後,そしてハイファイブ・エンターテインメントの今後からも,目が離せない日々が続きそうだ。(ライター:麻生ちはや)


ブライトキングダム オンライン
■開発元:ARAGON Networks
■発売元:ハイファイブ・エンターテインメント
■発売日:2006/07/19
■価格:基本プレイ料金無料,アイテム課金制
→公式サイトは「こちら」
天道オンライン
■開発元:LIZARD Interactive
■発売元:ハイファイブ・エンターテインメント
■発売日:2006/11/07
■価格:基本プレイ料金無料,アイテム課金
→公式サイトは「こちら」
アリアスストーリー
■開発元:北京光宇維思科技有限責任公司
■発売元:ハイファイブ・エンターテインメント
■発売日:2007/Q3
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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