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[GC 2006#37]「Gabriel Knight」を手がけたJane Jensenの新作「Gray Matter」記者発表会レポート
2006/08/25 14:51
 ドイツのパブリッシャ dtp entertainmentがGC 2006会場で,「Gray Matter」の記者発表会を行った。これは以前お伝えしたとおり,Jane Jensen氏が手がける新作アドベンチャーゲームだ。
 記者発表会は,同社広報のClaas Wolter氏が司会を務め,デベロッパであるTonuzabaのKlaus Starke開発プロデューサーとJane Jensen氏を招いて進行した。

 初めにdtp entertainmentの紹介があり,ドイツで2番めに大きいゲームパブリッシャであると説明された。とくに同社はアドベンチャーゲームに力を入れており,ドイツ語圏内で発売されるアドベンチャーゲームの約40%は同社のタイトルだという。
 そんなアドベンチャーゲーム色の強い同社が,'90年代に好評を博した「Gabriel Knight」を制作したJane Jensen氏を迎えて,2007年の発売に向けて開発しているのが「Gray Matter」だ。

 会場で行われた説明によると,本作の主人公は事故で奥さんを亡くし隠居的な生活を送っているDr.David Stylesと,ストリートパフォーマーのSamantha Everett。ひょんなことからSamanthaがStylesのアシスタントになったことから物語は始まる。
 Stylesは謎に満ちたDread Hill Houseという場所でなんらかの実験をしており,Samanthaはその謎を暴くというのがメインストーリーだ。そしてSamanthaに最初に与えられるミッションは,オックスフォード大学でStylesが行った実験の,6人の被験者を探し出すという内容になっている。
 プレイヤーは調べる側であるSamanthaと,調べられる側のStylesの両方を操作するというちょっと変わったスタイルで,基本的にはチャプターごとに操作するキャラクターが替わるという。
 Stylesの実験は,人間の潜在能力に関係があるようで,本作全体を通しても,人間の秘めた力にスポットが当たっているとのことだ。



 ゲームデザインは,3Dで表現された世界の中をクリックしてキャラクターを移動させ,調べたいものなどがあるときは,ポインタをそこへ移動させクリックするという,オーソドックスなものになるようだ。操作に関してはあまり説明がなかったが,「Gabriel Knight 3: Blood of the Sacred, Blood of the Damned」のように,キャラクターは移動せずカメラのみが移動するといったギミックが用意されている可能性もあるようだ。まだ開発の初期段階ということもあり,はっきりとは決まっていないといったところだろう。
 ゲームクリアに必要な時間は,急ぎ足で進めた場合は20時間ほど,ゆっくり進めた場合は40時間ほどとのこと。
 ちゃんとしたスクリーンショットもないという状況なので,ゲームの細かいシステムなどははっきりしていない。あまり多くのタイトルが発売されるジャンルではないので,アドベンチャーゲーム好きの人は,続報を楽しみにしていてもらいたい。

 ちなみに2003年に,Dreamcatcherから同名タイトルのアドベンチャーゲームが発売されるという話があり,その後開発がキャンセルされていた。これはまさに本作のことであり,本格的に開発会社が決まる前に,プロジェクトは終了しており,今回dtp entertainmentによって再び日の目を見たようだ。

左:記者会見が始まる前にJane Jensen氏のサインをもらうプレス関係者が多く,記者会見自体が遅れてスタートすることに
右:発表会終了後には,dtp entertainmentのブース前でJensen氏のサイン会が開催。Jensen氏は,相手の名前を丁寧に確認しながらサインを行っていた


 この発表会では,Gray Matterの発表に続き,dtp entertainmentが今後発売する予定のゲームの簡単な紹介が行われた。1本目は,「Legend: Hand of God」というRPGで,シネマティックコンバットといわれる戦闘方法が特徴だ。

 続いて紹介されたのが,以前紹介したことがあるスニークアクション「Sabotage」。プレイヤーはMI-6のエージェントViolette Summerとなり,数々のミッションを遂行する。

 三つ目は,ドイツで最も人気があるテーブルトークRPG「Dark Eye」をPCゲームにした「Drakensang: The Dark Eye」。ドイツだけで700万人がプレイしているというテーブルトークRPGがPCゲーム化されるということもあり,注目されているようだ。

Legend: Hand of God

Sabotage

Drakensang: The Dark Eye

 またアドベンチャーゲーム色の強い会社だけに,上記のほか,以下に挙げるアドベンチャー5タイトルの発売が控えているとのこと。 アドベンチャーゲームを得意としているパブリッシャが,アドベンチャーゲームで名声をつかんだ開発者と手を組んだことで,いったいどんなゲームを生み出してくれるのか,期待したい。(noguchi)

Overclocked

Belief & Betrayal

Runaway 2: The Dream of the Turtle

Undercover: Operation Wintersun

Tony Tough 2



Gray Matter
■開発元:Tonuzaba Entertainment
■発売元:dtp entertainment
■発売日:2008/Q1
■価格:N/A
Legend: Hand of God
■開発元:Master Creating
■発売元:ANACONDA
■発売日:2007/Q2
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
Sabotage
■開発元:Replay Studios
■発売元:dtp entertainment
■発売日:2007/01月中
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
Overclocked
■開発元:N/A
■発売元:dtp entertainment
■発売日:2007/夏
■価格:N/A
Belief & Betrayal
■開発元:Artematica Entertainment
■発売元:dtp entertainment AG
■発売日:2007/Q1
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
Runaway: The Dream of the Turtle
■開発元:Pendulo Studios
■発売元:Focus Home Interactive
■発売日:2007/03/12
■価格:29.99ポンド
→公式サイトは「こちら」
Tony Tough 2
■開発元:N/A
■発売元:dtp entertainment
■発売日:2005年内
■価格:N/A
Undercover: Operation Wintersun
■開発元:Sporing Interactive Media
■発売元:ANACONDA
■発売日:2006/09月中
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.08/20060825145115detail.html