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青いユニフォームとホイッスル。ガンホー,渋谷KAMO フットボールタワーで「エクストリームサッカー」プレスカンファレンス
2006/06/23 23:43
 ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下,ガンホー)は本日(6月23日),東京は渋谷にあるサッカー用品/グッズショップ「KAMO フットボールタワー」でプレスカンファレンスを開き,ストリートサッカーゲーム「エクストリームサッカー」の国内サービスについて発表した。すでに「こちら」の記事で情報をお届けしたとおり,本日公式サイトがオープンし,7月13日(木)には会員登録の受け付け開始,7月27日(木)にはオープンβテスト開始の予定となっている。



日本におけるe-Sportsの展開に期待をにじませる,ガンホー 代表取締役社長 森下一喜氏
 カンファレンスではプロモーションムービーの上映に続いて,ガンホー 代表取締役社長 森下一喜氏以下,全員が「Extreme Soccer」のロゴが入った青いユニフォームで登場,背番号を見せたり,ホイッスルに合わせて整列して見せたりといったパフォーマンスを披露した。
 森下氏は「発表会でコスプレするのは2回目ですが」と,同社「ヨーグルティング」の発表会における,学生服姿での登場を引き合いに出して会場の雰囲気を和ませつつ,「日本におけるe-Sportsタイトルの第一弾を目指していきたい」と,同作品に寄せるガンホーの期待のほどをアピールした。



コンシューマゲーム,アーケードゲームが好きな日本のゲーマーにも気に入ってもらえるはずと自信をのぞかせる,開発元SonicAntの代表取締役 CEO リチャード・チャン氏
 続いて,開発元であるSonicAntの代表取締役 CEO リチャード・チャン氏が,日本語でのスピーチを披露する。企画段階に18か月もの時間をかけ,2005年4月から本格的な開発に入ったこと,韓国,日本のみならず,中国やヨーロッパ35か国でのサービスを予定していること,コンシューマゲームやアーケードゲームが普及している日本のゲーマーにも,必ずや気に入ってもらえるであろうことなどを述べ,エクストリームサッカーというゲームの出来に,自信のほどを示した。実際,同作品はオンラインサッカーゲームが数々展開される韓国でも,かなりの注目を集めているようだ。



■ラフプレイあり,難しいルールなし

エクストリームサッカーの基本システムやルールを説明する,ガンホー コンテンツ制作部 第五制作課 辻野松二郎氏
 続いて,ガンホー コンテンツ制作部 第五制作課 辻野松二郎氏から,ゲームの特徴と,システム,ルールについての大まかな説明があった。基本的な部分は「こちら」の記事を見ていただくとして,その説明および質疑応答を通して明かされたポイントは,おおまかに以下のとおりだ。

 まず,プレイできる人数は1 vs. 1から4 vs. 4までで,2 vs. 3など不均衡な人数はサポートしていない。1試合の所要時間は4分ほど,時間内に多くのゴールを決めたチームの勝利で,5点くらい入る展開が標準的であるが,20点入るような派手な展開もあり得る。各選手のプレイ上の役割は,ゴールキーパーとそのほかの選手に分かれており,キーパーもフィールドプレイに参加できるが,手を使えるのはゴールエリアのみである。また,ゲーム上,ボールはコート外に出ず,反則とフリースローが存在しないのも,ゲームならではのスピーディな展開に向けた工夫だそうだ。
 キャラクターメイキングでは体格(ノーマル/スモール/トール/マッスル/ファット)と,「ポジション」(ミッドフィールダー/ディープフィールダー/フォワード/ゴールキーパー)を設定し,その組み合わせで,各場面での発揮能力が変わる。ただし,ポジションはRPGでいえば職業/クラスに当たる概念であって,実際のプレイで果たす役割とは直結していない。プレイヤーキャラクターはレベルアップすることで基本ステータスを伸ばしていくとともに,ポジションに応じて新しいスキルを身につけていく。また,特定のアイテムを着用することで能力値を伸ばしたり,特定のスキルを利用可能になったり,という要素もあるようだ。

 プレイモードとしては,個人単位でルームを立てる/入る「ノーマルモード」と,あらかじめチームを組んで参加する「チーム対戦」が用意されている。操作はカーソルキーとA/S/Dキーを使ったシンプルなもので,A/S/Dキーの割り当てはオフェンス時,ディフェンス時,ゴールキーパー時で変わる。また,スキルの使用には「アクション」,ダッシュやストライク(ラフプレイ)には「スタミナ」,キーパーのシュートセーブには「キーパー」と呼ばれるポイントを消費し,そのやり繰りもプレイのポイントになるそうだ。
このほか,持っているスキルの中から,その試合で使う五つを選んでおくデッキ制,ホットキーでボイスとテキストを同時に送る「ボイスマクロ」,フレンド登録やメッセンジャー機能,最近チームを組んだ相手を一覧表示する機能などを備えるという。
 今後のアップデート課題としては,トレーニングモード/チュートリアルの実装と,一人で行える「特訓」の導入,チームより大きなコミュニティである「クラブ」システムの導入,日本独自のアイテム追加が挙げられた。既存のアイテムとしては,スニーカーやサングラスなど,機能とファッション性を兼ねたものが用意されているようだが,日本独自アイテムについては「日本的なもの」という説明に留まった。いろいろなニュアンスを想像してしまうが,とりあえずは続報を待ちたい。




■ストリートカルチャーと,日本サービスへの配慮

ゲームの基本コンセプトや背景世界をあらためて説明する,ガンホー マーケティング本部 第二マーケティング部 第一企画課 渡辺竜太郎氏
 ゲームに関する説明の最後には,ガンホー マーケティング本部 第二マーケティング部 第一企画課 渡辺竜太郎氏が登壇,ワールドカップ予選での日本チームの健闘と惜敗に言及しつつ,背景世界や基本コンセプトの部分を補足した。
 それによると,作品名の「エクストリーム」の語は,フリースタイル,フリールールでエッジの利いたコンセプトを意味し,ストリートサッカーが持つ,怪しい,危険な雰囲気という意味合いも含んでいるという。そこから出てきた作品のキャッチコピーが,「世界でもっとも自由なサッカー」というわけだ。
 現在のガンホー各作品が持つ“アキバ系”のキャラクターでなく“渋谷系”のキャラクターデザインを採用し,絵柄としてはストリートアートなどのイメージ,BGMとしてはヒップホップやレゲエ,ロックといった感じで,雰囲気作りに注力するという。
 また,作品のカラーコンセプトについても,もともと黄色(=ブラジル)で開発が進められていたところを青(=日本)のイメージに変更したという。こうしたところも,今後広くサッカーファンにアプローチしていくための努力なのだろう。
 このほか会場で出たやりとりとして,4人チームを組んでPCと対戦できるモードはあるかという質問に対しては,チャン氏が「要望があるならば考慮したい」旨を述べた。韓国では現在クローズドβテストの最中で,テスター募集には6万人が応募してきたという。韓国での会員数目標は2006年内で100万人,同時接続は3万人を目指すという。なお,ガンホーとしての年内の獲得会員数目標は,50万人とのことだ。
 ちなみに,韓国におけるテスター応募者の,おおまかな年齢構成と男女比を聞いてみたところ,高校生が最も多く,中学生から大学生までが全般に多め,男女比は7:3だが,女性プレイヤーを増やすための施策を,現在考慮中とのことだった。



■リアルのプレイシーンとも積極的に連動

 ゲームに関する発表と情報は以上として,会場には「こちら」の記事でも話題に出た,フットサルのスフィアリーグ「南葛YJシューターズ」の主将を務める,アイドルの松原 渓さんが登場,ガンホー 第二マーケティング部 小島幸博氏との軽いトークの後,リフティングも披露した。真剣にやれば,ボールを落とすことなく軽く百回は続けられるという彼女,PCゲームではないものの,コンシューマ機のサッカーゲームはよくプレイするとのことだった。
 ガンホーとしては,松原 渓さんの属する南葛YJシューターズを応援するとともに,デパートの屋上などに設けられる機会も増えてきたフットサル競技場での,新しいマーケティング展開なども考えているという。

 従来のラインナップからは異色の作品となる,ガンホーのエクストリームサッカー。この作品については公式の競技会も企画中とのことで,それと関連するかどうかは不明だが,冒頭の森下氏の発言にもあったとおり,RJC 2006やリニューアル後の「A3」とは微妙に異なる文字通りのe-Sportsという,新たな展開が強く期待されているようである。
 スポーツという,リアル世界で多くのファンを抱えたモチーフに向けて,果敢に歩みを進めるガンホー。しかしスポーツゲームは例えば,ゲームならではのギミックをあまりよしとしないリアル派と,一種のオンラインアクションとして捉え,あまりモチーフを意識しないゲーム派の対立をはじめ,コミュニティ管理が強く求められるジャンルと目されている。“サッカーのゲーム”を愛好してくれる人達が,いったいどんな希望や嗜好を持っているのか,真摯な考察が必要とされる場面だろう。
 ともあれ,同社の新たな挑戦に期待しつつ,今後ともこの新しい作品ならではの魅力を,追っていきたいと思う。(Guevarista)


エクストリームサッカー
■開発元:SonicAnt
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2007年内
■価格:基本プレイ料金無料(アイテム課金制)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.06/20060623234355detail.html