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中国取材番外編,北京市内の中規模インターネットカフェを見てみる
2006/06/02 21:41
■キャンパス街にある転用店舗のインターネットカフェ

 「熱血江湖 Online」を中心に,デベロッパであるKRG,韓国&ワールドワイドパブリッシャのmgame,中国現地パブリッシャの17game.comに話を聞いてきた北京取材だが,エムゲームジャパンの紹介で,現地のインターネットカフェの様子を見てきたので,その印象をお届けする。
 出かけてみたのは,北京市内,北京理工大学などいくつかの学校が集まる海淀区の,中規模インターネットカフェ「e国網■」(■は口へんに巴)だ。もともとは電器店だったテナントを改装して開店したものとのことで,垢抜けない感じの雑居ビルに入り,これまた垢抜けない感じの階段を上って店に入る格好だ。
 一部大型店舗,フランチャイズ店舗を除くと,中国におけるインターネットカフェは,だいたい雑居ビルの中に店を開いている。繁華街では表通りから1本入ったビルの3階とか,そういうロケーションが多い。また,地方都市では新たに高層マンションが立ち並んだ地区の片隅に,店舗を構えるケースもよく見られる。
 このあたりは日本でもそれほど事情は変わらないかもしれないが,あまり賑々しいディスプレイを行わないこともあって,ちょうど1970年代末,タイトーのアーケードゲーム「スペースインベーダー」の流行によって,各地に出来た黎明期のゲームセンターによく似ている。といっても,現在の読者諸氏にどこまで通じるか自信がないのだが,ちょっと薄暗くて,雑然として,殺風景なところが多い,と言えばいいだろうか。

 e国網■は,そうした典型的な中国のインターネットカフェよりも規模が大きいので,建物の天井は決して低くなく,それでいて店内は全体に明るかった。フロアは1階と2階に分かれ,1階にはビリヤード台の置かれた部屋もある。ざっと数えたところでは,1階部分のPCは100台強,2階は利用料金の高いソファー席でPCもゆったりと配置されているため,20〜30台前後だったようだ。
 写真を見ていただければ分かるように,席の埋まり具合はなかなかのもの。立地の関係か大学生くらいの若者が多く,忘れ物の掲示コーナー(忘れ物現物が小さなガラスケースに入って利用客に示されていた)には,学生証が7〜8点と,理系の教科書とおぼしきハードカバーの専門書があった。
 女性の割合は全体に低く,ざっと数えたところ1割以下に留まっている。あまりカップルで来ているとおぼしき人がいなかった(ように見えた)ので,そのあたりが原因かもしれない。

 そうした彼らが好んでプレイしているのは,熱血江湖 Onlineはもちろんのこと,中国でオープンβテストが始まったばかりの「スカッとゴルフ パンヤ」「カウンターストライク」「リネージュII」などなど。日本製アニメーション「One Piece」や,ハリウッド映画とおぼしき動画を楽しんでいる人も,ちらほら見かけられた。



■割と音無しの構えの「熱血江湖 Online」体験イベント

 さて,そんなe国網■ではこの日(4月27日),熱血江湖 Onlineの体験プレイイベントが行われていた。店に来る途中の階段に告知用の看板が出ていて,そこには「下午在本網■挙行大規模免費体験包机活動」(午後より,当店にて大規模無料プレイイベントを実施します)と書かれている。確認してみたところ,店内には試遊台が12台ほど用意され,賞品/賞金も出るようだ。
 もっとも店員さんに聞いてみたところ,このイベントのメインは,来場者に熱血江湖 Onlineをある程度のキャラクターレベルになるまでプレイしてもらい,それを達成するとその日のインターネットカフェ利用料がタダになるという部分らしい。
 実際,見ていると試遊台がほかの席に比べてそれほど混んでいるわけでもない。いやそもそも試遊台といっても,並んだPCの一列を熱血江湖 Online専用に充てているだけであって,通常のスペースと分けられているわけでもない。パブリッシャの人が説明に来たり,MCを付けてステージイベント風にまとめたりといった,いかにもな催しではないようだ。
 ただし,インターネットカフェ側には実際にプレイしてくれた人の数に応じて,パブリッシャからキックバックがあるのだという。ゲームショウ「ChinaJoy」でのブースイベントが,割と作品モチーフにこだわらないお祭り騒ぎだったこと,ChinaJoyの会場をうろついていたアマチュアコスプレイヤーに中国モチーフのゲームキャラクターの扮装がほとんど見られなかった(日本製アニメ/ゲームか韓国/欧米風スタイルの人ばかりであった)ことなどを考え合わせるなら,現在の中国オンラインゲーム市場では,イメージやキャラクターを使ったプロモーション策よりも,もう少し即物的かつ実利重視のマーケティングが,オーソドックスな振興策となっているのかもしれない。(Guevarista)


伝承の絆 〜熱血江湖オンライン〜
■開発元:MGAME ,KRG SOFT
■発売元:エムゲームジャパン
■発売日:2006/07/26
■価格:基本プレイ料金無料,アイテム課金制
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.06/20060602214122detail.html