ニュース
災害救助RTS「ファイアーキャプテン2」で炎に立ち向かえ
2006/05/26 23:58
■この身を焦がすほどの面白さ!
消防隊員への指揮がヘボければ,あっという間に周辺は火の海。何度も挑戦して効率の良い消火方法を探していくのが,本作の楽しみ方の一つだ。火災を鎮圧したときの「やり遂げた〜」という心地よい達成感は,病みつきになるはず

 さまざまな火災現場に出動し,荒れ狂う猛火を相手に臨機応変に消防隊員を操り,人命救助や消火作業を行うリアルタイム災害救助ストラテジー「ファイアーキャプテン2 〜緊急!! 消防最前線24時〜」(原題 Fire Department 3)が,ズーから本日(5月26日)発売となった。
 筆者が,年甲斐もなくはしゃいでしまうほど,心から楽しみにしている本シリーズ。この喜びと興奮を,勢いのついた炎のように日本中のPCゲーマー諸君に燃え広がらせたいのだが,どうもまだ,イマイチ火のつきが悪いようである。
 そこで本日は最初のキャンペーンであるウクライナの“AN-225「ムリヤ」のプレゼン”のステージの流れを追いつつ,「ファイアーキャプテンってどんなゲームなの?」ということをお伝えしていこう。

 最初の災害現場となるのは,ウクライナのボリスポール空港。ちなみに実在するのはボリスポリ国際空港なので仮名ではあるが,ちょいとシャレが入っている。それはさておき,ボリスポール空港にある格納庫では,世界最大の航空機のプレゼンテーションが行われている。
 そんな中,発電機と格納庫内で火災が発生。電気式で開く格納庫の扉は開かなくなってしまい,大勢の人が格納庫内に閉じこめられている。次からはウクライナ人に非常出口も作ってもらうとして,今回は我々ファイアーメンの出番だ。

■消防隊,ウクライナの空港に出動!
ブリーフィングでは火災現場の状況が分かる。最初の出火場所,被災者のいる場所も記されている。二次災害,三次災害をふせぐため,危険性のある問題点や消火栓の位置などは頭に入れておこう

 真っ先に到着した我がチームは,「空港用消防車」「救急車」「消防隊長フランク(主人公)」「消防士」「救命救急士」「技術隊員」のみという,火災の規模から比較すると心許ない構成だ。

 ともかく,まずは発電機周辺の火災を消火し,発電機を修理して格納庫の扉を開けるという任務から取り掛かる。
 発電機は到着地点から離れたところにあり,小規模の火災が発生している。発電機を動かすために消防隊全員で駆けつける必要はなく,空港用消防車に消防隊長フランクと技術隊員を乗せて急行させる。救急車,消防士,救命救急士は発電機の修理が終わった瞬間,格納庫に突入できるよう扉のところに待機させておこう。

 発電機は火災によりショートしており,消防隊員が直接放水すると感電する。そのため,空港用消防車で発電機周りの消火を行うのがベスト。
 一帯を完全に鎮火する必要はなく,発電機に近づけるルートを確保したら,フランクにフェンスを破壊させ,技術隊員に発電機を修理させる。この間に消火作業を終わらせておくのも忘れてはならない。フランクと技術隊員を拾ったら格納庫へ急行だ!

【左】火元である発電機はショートしているため,隊員が直接放水すると感電する。必ず消防車両を使って消火すること
【中央】消防隊長フランクや消防士が使える「消防斧」でドアを破壊したあと,技術隊員に発電機の修理に向かわせる
【右】すぐに格納庫内に突入できるよう隊員を待機。火災現場では常に時間を無駄にしないように意識して指揮を執ろう


■格納庫の中はまさにオーブン!
迅速に救助&消火作業を行うには,面倒くさがらず各隊員に異なる指示を与えることが重要だ。消防士にしかできない作業,技術隊員にしかできない作業を瞬時に判断して臨機応変に対応できるかがポイント

 格納庫の扉を開くと,「被災者の救出」「格納庫内にある発電機の消火」「航空機ムリヤの延焼を防ぐ」という新たな任務が課せられる。

 航空機の周辺では,「タイプA」と呼ばれる一般的な火災のほかに,炭化水素と化学的物質の混じった「タイプB」の火災が発生している。ちょっと見分けが付けにくいが,炎に赤色の火が混じっているのがタイプBの火災だ。我が消防チームが持っている消火剤は「水」で,これはタイプBの火災には通じない。そのため今は無視するしかない。ここでは被災者の救助が最優先だ。

 被災者は全部で5人,いずれも急いで助けないと焼死する。格納庫内の発電機の近くに被災者の一人である作業員が倒れているが,近くの火災を消火してしまえば,それほど危険はない。問題となるのが,格納庫内に2か所あるプレゼンテーションルーム(建物)の火災だ。どちらの建物にも2人の被災者が倒れており,「バックドラフト」(急に空気が入り爆発的燃焼を起こす現象)や「フラッシュオーバー」(室内に可燃性ガスが溜まり,臨界値に達すると一気に燃焼する現象)が発生しやすい状況だ。被災者だけでなく,消防隊員も炎の餌食となる可能性が高まる。これを防ぐには,消防斧でドアを破壊するか,外から窓を割っておけばよい。消防斧が使えるのはフランクと消防士なので,二手に分かれて両方の建物に送り込めば作業効率も上がる。

 被災者の救助方法は,消防隊員が抱きかかえて救急車へ運ぶ方法があるが,お勧めしない。というのも,抱きかかえての移動は速度が非常に遅くなり,その間,消火作業が止まってしまうのは致命的なのだ。
 被災者を効率よく救出するには,救命救急士を活用することがポイントだ。救命救急士には「治療する」というコマンドがあり,その場で治療すると倒れていた被災者も自力で歩けるようになって,救命救急士のあとをついてくる。次々と被災者を治療していけば,単独で多くの被災者を救助できるのだ。しかも歩ける被災者は救急車が近くにあれば勝手に乗り込むため,救命救急士の仕事を妨げることなく救助作業できる。

 すべての被災者を救助し,格納庫内の発電機を修理すると,翼がまだ燃えたままの航空機が外へ搬出される。

【上段左】水では消火できないタイプBの火災は,見た目で判別できる。赤色の炎が混じっているのがタイプBだ
【上段中央】航空機付近の火災は空港用消防車で対応する。隊員の消火剤が切れたら,隊員の近くへ移動して補充させる
【上段右】抱きかかえて救助すると一人しか対応できないが,救命救急士がその場で治療を行えば数人まとめてに救助可能
【下段3点】格納庫内奥にある建物は入り口付近に火の手があるが,内部は燃えていない。しかし,可燃性ガスが充満しており,発火すると一気に燃え広がり,消火作業をしないと被災者に辿り着けない。建物の窓を割って可燃性ガスを逃がせば,入り口付近の延焼だけで済んでしまうのだ


■ヘリポートと駐車場までが火の海に!
増援部隊が到着すると指揮すべき車両,人数も増えて一段と忙しくなる。しかも火の手は容赦なく広がっていく。単独で放水するより数人で同じ場所へ放水したほうが消火効率は高いので,グループ化して動かすと効果的だ

 翼が燃えたまま搬出された航空機が原因で,外に停めてあったタンクローリーへ引火し,停留中のヘリコプターに燃え移り大火災を引き起こす。ここでの火災はタイプBばかりで,消火泡を持っていないため指をくわえて延焼を見ているだけだ。幸い,この時点から化学車配備の消防署へ応援要請ができるので,すぐに要請を出しておく。

 実はどれだけ早く応援要請を出しても,応援部隊が到着するまでの間に駐車場へ火災は広がってしまう。駐車場の火災は水で消せるが,火災の広がりは予想以上に早く,駐車している車が次々と爆発炎上していく。難度「初級」で少々なめてプレイしていた筆者だが,最初にプレイしたときは,ここで敗北(ゲームオーバー)を味わうことになった。

 まずやるべきは,「燃料タンクから燃料をタンクローリーへ移して運び出す」こと。燃料タンクのバルブを消防隊員に開けさせれば,タンクローリーへ燃料が移る。移し終わるとタンクローリーは勝手に動き出すので,あとは放っておいて構わない。が,かなり時間がかかるため,燃料タンクへの延焼だけは全力で防ごう。

 その頃には応援部隊も到着する。化学車1台,消防士2名,耐熱服着用隊員2名。彼らは全員「消火泡」を持っているので,タイプBの火災を消せる。この時点で格納庫内にも火災は広がっているが,あちらは無視して構わない。化学車は延焼が激しいところに使い,耐熱服着用隊員は燃料タンク近くに停めてあるタンクローリーへの延焼を防ぐことに専念させる。もし,タイプA火災である駐車場方面の鎮火が完了していれば,最初の消防チームの消火剤を水から消火泡へ入れ替えるという手もある。

 燃料の移送が完了し,航空機周辺の火災が収まれば,ほかのところでちょっとぐらい炎が残っていても任務完了だ。

【左】増援部隊が到着するまでに延焼は広がり,駐車場の車などは笑っちゃうほど次々と爆発炎上していく。笑えないが
【中央】燃料タンクの燃料をタンクローリーへ移す。奥に見えるタンクローリーが爆発したら燃料タンクはかなりの危険に
【右】タンクローリーの爆発を防ぐため,一定時間なら炎の中で耐えられる耐熱服着用隊員でタンクローリーを守らせる


■歴戦の火消しも燃え尽きるステージの数々
勇敢な消防隊員達は近くに火元があると消火作業をしてしまう。その割には危険を察知して逃げたりしないため,時には大爆発に巻き込まれることもある。爆発性のあるものは黄色い耐久バーが出るので注意しよう

 こんな感じで,火災現場は次々と状況が変わり,新たな任務が加わっていく。ただ目の前の火を消すのではなく,状況に応じて救助作業,消火作業を行っていくのが本作の醍醐味だ。消防隊員それぞれが持つ特性を使いこなし,炎の推移を見越して先手を打っていくことが重要なのが,お分かりいただけたろうか。初めて挑戦するという新米消防指揮官でも,上記を参考にすれば難度初級は簡単にクリアできるはずだ。

 最新作ファイアーキャプテン2をプレイして,最初に感じたのは「む,難しい」ということだ。前作をコンプリートした筆者が,最初のステージで難度初級なのに敗北を味わうとは思ってもみなかった。しかし難しいと感じたステージも,何度か挑戦することで任務達成の糸口が見えてくるという,絶妙なゲームバランスは健在。手に負えない難しさではなく,「この計算された難しさがないと面白くない!」なのだ。これはもう,開発者とプレイヤーの「炎の知恵比べ」である。

 ちなみに,本日紹介した最初のステージを何度かプレイした結果,初級銅メダル五つ,中級銀メダル四つまではいったが,上級については冒頭の発電機消火が間に合わず,ゲーム開始後数分で敗北となっている始末である。前作のデモ版もあるので,ここまで読んでハートに火がついた諸君はぜひプレイしてほしい。(UHAUHA)

【左】最初は敗北を味わっていたが,何度も試行錯誤して挑戦することで最高評価を得られた。続けて難易度中級に挑戦だ
【中央】あまり見たくない敗北画面(任務失敗)。これは難易度上級のものだが,冒頭でいきなり終わっている。非常に悔しい
【右】ミッションをクリアすると「広場火災」がプレイ可能となる。難易度の高いミッションが目白押しで楽しくて仕方ない

ファイアーキャプテン2 〜緊急!! 消防最前線24時〜
■開発元:Monte Cristo
■発売元:ズー
■発売日:2006/05/26
■価格:8190円(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060526235828detail.html