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[E3 2006#064]カルト的ヒット作となったアクションRPGの続編「Sacred 2」α版初公開!
2006/05/12 22:59
 今から2年ほど前の2004年に,ドイツを本拠地にするAscaron EntertainmentからリリースされたRPG「Sacred」は,当時としても地味なグラフィックスだったにも関わらず,コアなRPGファンの絶大な支持を得てヒット作となった。拡張パックやゴールド版もリリースされるなど,細々と話題を振りまいてきたこの作品に,公式な続編が制作されると発表があったのは,昨年のE3が終わった直後だった。それが今回のE3では,開発途上版ながら実際に動くものが展示されていたのだ。

 「Sacred 2: Fallen Angels」は,前作よりも1000年という時を遡った古代のアンカリア(Ancaria)が舞台。プレイアブルキャラクターは前作と同じGoodとEvilに分かれた総勢6種類で,再登場となるSeraphimのほかは,女性形にDryad ScoutとHalf Elf Adept,男性形にはInquisitor,Temple Guardian,そしてUndead Centurionが揃えられている。もちろん,それぞれにプレイスタイルが異なっており,Good vs. Evilの2キャンペーン構造になったストーリーに合わせて,キャラクターごとにリプレイして楽しむこともできるだろう。



 前作では2Dだったグラフィックスは完全3D化し,「Dungeon Siege II」「Titan Quest」のような作品と比べても見劣りしないものになっている。キャラクターに近づいてみたが,セルフシャドウや高解像度のテクスチャーが,Sacredとは思えないほどの高級感を醸し出しているのだ。デモでは,ダンジョン内部で青い火の玉を打ち出してみたが,籠やキャラクターなど周囲のオブジェクトの形状に従って,正確な影を投影させながら進んでいった。

 デモを紹介してくれたAscaronの開発者によると,本来ならSecred 2は一般に公開できる状態にないほどのα版(社内テスト版。外部に出せるものはβ版と呼ばれる)であり,今回の公開も見合わせる予定だったのだそうだが,もはやファンの熱望を抑えきれないと判断したらしい。実際,デモ機のグラフィックスには奇妙な赤い点が目立っており,それも修正されていない状態での出展だったのである。ただ,ラグドール効果もある物理エンジンをすでに備えており(PhysX対応がアナウンスされている),なかなか侮れないゲームであるのは確かだ。

 この開発者の話では,本作ではプレイヤーキャラクターごとに特殊な乗り物が用意されるという。デモでプレイできたのは,Dryad Scoutと思われるEvilの女性キャラだったが,その場合はヘルハウンドという「指輪物語」のトロールのような生き物に乗って移動できるようになる予定らしい。ゴリラの肩に乗るようなイメージだと話していたが,ゲーム中にヘルハウンドが存在したにもかかわらず,試してみることはできなかった。それでも,前作では馬にしか乗れなかったことを考えると,かなりの発展だといえよう。グリフォンやドラゴンのような搭乗生物も検討しているとのことだが,四つ足歩行と思われるUndead Centurionは,果たして何に乗るのか興味をそそられる。
 Secred 2では,シングルプレイヤーモードとマルチプレイヤーモードを同時に楽しめるシステムが検討されている。また,MODコミュニティも引き続きサポートしていく予定で,MODツールやクエストエディタがリリースされることになるだろう。
 Sacred 2は,2007年のリリースが予定されている。(ライター:奥谷海人)


SACRED 2: Fallen Angel
■開発元:ASCARON Entertainment GmbH
■発売元:N/A
■発売日:2007年内
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060512225928detail.html