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「RF online」運営サイドへのメール質問&回答を公開。「黒機甲パッチ」に関するあれこれ
2005/11/08 18:12
ひとしきり話題になった“黒機甲”。ナーフ(弱体化)のパッチを当てると,そのナーフに対応するためにほかの部分にもナーフを当てないとならなくなるという,「負のスパイラル」に陥ることの多いMMO。それを防げるかどうかは,セガのバランシングの手腕次第だ
 リリースではないネタで恐縮だが,先日一部で色々と物議を醸していた,セガの「RF online」について。RvR(=種族間闘争)をウリにするゲームにもかかわらず,特定種族の特定装備が強すぎる,という問題を起こしていた模様。たいがいのこの手の問題は“思い込み”であることも多いのだが,今回の内容はやや突出していたようで,当サイトにも,プレイヤーから数々のメールが舞い込んできた。

 そこでその問題について,三つの質問をメールで投げかけてみたのだが,意外にも早いタイミングで岩原氏(RF onlineオペレーティングプロデューサー)から返事をもらうことができた。記事としての掲載許可ももらえたので,Q&Aをそのままここに公開しよう。用字用語や改行位置,スペースの位置などはいじってあるが,あとは原文のままだ。

 今でこそ落ち着いたものの,当時盛り上がって(?)いた,いわゆる“黒機甲”問題について,セガはどう考え,どんな思惑でパッチをあてたのか。また,余談ながらも今後の予定についても少しだけ聞けたので,RFプレイヤーはぜひ一読を。(Kazuhisa)

#####ここから引用#####

Q1
 先頃までのRF onlineでは,ベラートの上位機甲装備(=黒い機甲装備)の能力の高さが問題視されていましたが,これについてはどのようにお考えですか? また,当然テスト後の実装であっただろうと推測できるのですが,それにも関わらず仕様変更を行ったのはなぜでしょうか。

A1
 先日変更を行ったベラート機甲装備に関して問題視されていたのは,機甲装備自体の性能ではありません。微妙な誤解をされてしまっているかもしれないので,ここで申し上げておきたいのですが,ベラートのスペシャリスト→ドライバー→アーマーライダーという「ピュアクラス」のみに与えられる,パッシブスキル「アーマードマスタリー」の能力が高すぎるというのが問題だったのです。
 このアーマードマスタリーには機甲使用時の攻撃力と防御力を増加させる能力があり,デュアルクラス(編注:たとえば基礎クラスがウォーリアでアーマーライダーになっている場合など)とは,機甲装備搭乗時の能力が大きく違います。しかし,ドライバーやアーマーライダーが何もかも得をしているかといえばそうではありません。

 当たり前のことではありますが,機甲装備にはメリットとデメリットがあります。
 メリットは,キャラクターの基礎能力に関係なく攻撃力・防御力が高いというものですが,デメリットもたくさんあります。出庫にも費用が必要ですし,攻撃するたびに弾薬代もかさみます。ダメージを受ければ当然修理費用も発生します。また,機甲装備に搭乗している間,キャラクター自身には経験値が入りませんし(編注:入るのは機甲熟練度だけ),スキルや各種熟練度の成長もありません。
 またピュアクラスにおいては,近接や遠隔,フォースにおいても初級のものしか使えないため,キャラクター自身の個体性能は低いと思います。
 デュアルクラスであっても,機甲の熟練度を上げつつキャラクター自身のスキルや熟練度を上げなければならず,満遍なく使えるようになるには,かなりのやりこみが必要になります。つまり,他種族のLvが上がるのに比べて,機甲装備を扱うドライバー,アーマーライダーはキャラクターのLvを上げにくくなっているのです。

 機甲装備が強すぎる!というご意見は多く寄せられていますが,それなりのデメリットを含んだ機甲装備ですから,同LV帯では強くて当然だと思っています。しかも,今後キャラクターのLvや機甲装備の熟練度を上げればパーツを換えることも可能なので,今よりさらに強化することができます。
 しかし,アーマーライダークラスのキャラクターは,Lvを上げるのにかなりのやりこみを必要とするでしょう。実際韓国でも,Lv48の最終的な機甲装備になっているキャラクターは,ごくわずかです。
 アーマーライダーのLvが上がるよりも,他種族の平均Lvが先に上がると思います。また,最近多く見られるようになりましたが,装備品にタリックを付けていれば,さらに強力な攻撃を受けることになります。

 今回「アーマードマスタリー」の能力に修正を加えたのは,これから先の種族間バランスを踏まえた上で,現状の日本サーバーではあまりにも突出している能力だという判断からです。出庫費用や修理代をもっと多くすることでバランス取りを考えていたこともありますが,それではあまり意味がなく,一番の問題点だと思われる「Lv40の二次転職した他種族が数十人で攻撃しても駆逐することができないほどの強さ」の修正としました。アーマードマスタリーはピュアクラスのスキルですから,デュアルクラスのアーマーライダーには影響ありませんし,機甲装備自体はなにも変更されていません。
 ピュアクラスのアーマーライダーは,アーマードマスタリーの修正が行われたことについて「デュアルクラスと変わらないのではピュアクラスの意味がない」と思うかもしれませんが,機甲装備搭乗時の能力はデュアルクラスよりもピュアクラスのほうが格段に高いです。

Q2
 Q1に若干関連する質問ですが,種族間バランスについてはどのようにお考えでしょうか。

A2
 先頃の(上記でも触れた)変更のように,RF onlineはユーザーの皆さんからの意見やゲーム状況を見て,バランシングを常に行っていきます。ただしそれは長い視点に立ったものであり,その瞬間だけを見ているわけではありません。修正ばかりを繰り返すとゲーム自体のバランスが崩れてしまいますので,かなり慎重に行っています。
 また,実装するのにも開発元CCRに変更を行っていただき,SEGA内部でもテストを重ねてからになりますので,要望→即実装とはいかないのです。

 プレイヤーのみなさんの要望で一番多いのは,「あの種族が強すぎる」「自分の種族が弱すぎる」というものですが,アクレシア,ベラート,コラ,それぞれから満遍なくすべての種族に対して同じ意見が来ています。どの種族についても自分の種族は弱く感じ,ほかの種族が強く思えるようです。非常にありがちな状態ではありますし,なによりそれは,ある意味バランスとれている状態だと思っています。
 しかし,ユーザーの皆様から頂くご意見の中には「なるほど!」と膝を打つものもありますし,熟考すべきポイントも多々あります。それらすべてを「仕様です」で片付けるつもりは毛頭なく,プレイヤーの皆さんがRF onlineを楽しくプレイできるように,日々社内や開発会社とのやりとりをしています。

Q3
 今後の目立ったアップデートなどはどんな感じでしょうか。もし特記事項があるのなら,その内容についても少し教えていただけると嬉しいです。

A3
 11月中に,日本独自仕様のアップデートを入れる予定で動いています。細かい部分ではありますが,1対1会話(whisper)を,誰に送ったか分かりやすくする仕様の追加や,パーティプレイ中に,アイテムをランダムで分配できる仕様の追加などがその内容です。
 そのほかにも,プレイヤーのみなさんからの意見が多いガードタワーについて仕様変更を行うべく,前向きに検討しています。これも近いうちに実装される予定です。



RF ONLINE Z
■開発元:CCR
■発売元:ゲームオン
■発売日:2007/04月中旬
■価格:基本プレイ料金無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.11/20051108181233detail.html