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マリオネットの本格稼働と着せ替えの充実「エミル・クロニクル・オンライン」オープンβ以降の展開
2005/08/17 23:12
国立科学博物館で行われたカンファレンス。観覧する時間がもう少しほしかったというのが本音?
 ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下,ガンホー)は本日(8月17日),東京は上野の国立科学博物館で「エミル・クロニクル・オンライン」(以下,ECO)のユーザー&プレスカンファレンスを開催した。そこでは,先刻「こちら」の記事でお伝えしたように,オープンβテストの日程が明かされ,今後のシステム実装予定についても説明がなされた。
 舞台が国立科学博物館ということで,カンファレンスは館内を観覧しながら説明を受けるという珍しいスタイルで進んでいった。個人的には非常に面白く感じたが,興味があちらこちらに移ってしまったのは,ECOにとってはむしろ逆効果だったかも。

 さて,そのカンファレンスの内容だが,βテストのデータはあまり公開されず,今後のスケジュール説明をメインに行われた。その数少ないβテストデータでも最も興味深かったのが,エミル,ドミニオン,タイタニアの3種族の人気ランキングだ。結論からいうと,一番人気は,タイタニアの女性,2番めはドミニオンの女性,そしてエミルの男女が同じくらいで並ぶとなったようだ。逆に最も人気がなかったのは,タイタニアの男性とのことだ。8月16日の12時時点でのユーザ登録者数は,9万5000人を超えているとのことだったので,もしかすると現時点(8月17日)で10万の大台に乗っているかもしれない。



左から,ヘッドロック岡田氏,ガンホー森下氏,ブロッコリー木谷氏のトリオECOの代表者たちと,マーケティング部第2企画グループマネージャーの小島氏,コンテンツ開発部マネージャーの岩田氏のガンホーの現場責任者の面々
 さて,本題。8月19日(金)15時より開始されるオープンβテストでは,新たに盛り込まれる要素がいくつかあるので,ここで紹介していこう。大別すると以下の4つとなる。

1.マリオネットシステム本格稼動
2.新マリオネット5種類追加(計11種類に)
3.「マリオネットモンスター」の導入
4.着せ替え要素のパワーアップ

 クローズドβテスターが気にしているであろう,エリア拡張については,明確にオープンβテスト時での実装とは言及されなかった。ストーリーの進展に合わせて随時アップデートしていくということらしい。なお,現在の三つのダンジョンについては,ダンジョンへ行く目的が希薄ということなどを理由に,リニューアルも視野に入っているとのことだ。今後のアップデートでは,特殊ダンジョンと呼ばれる,明確な目標/目的を持って冒険するダンジョンも追加されるとのことなので,期待できそうだ。

 まず1.のマリオネットシステムの本格稼働について。クローズドβテスト開始時点で稼働していた「のりうつり」「アイテム販売露店」の2要素に加えて,8月16日のアップデートで「アイテム収集」が稼動を開始した。カンファレンスでの説明では,アイテム収集機能はオープンβテスト時の実装を予定していたが,クローズドβテストの延長などによって,早く実装できたとのことだ。
 以前「こちら」のインタビュー記事に掲載したとおり,例えば樹木系マリオネットである「マンドラゴラ」は,「植物」系のアイテムを集めることが得意という風に,マリオネットの種別ごとに得手,不得手が設定されている。収集できるアイテムのカテゴリーは以下のとおりだ。現在実装されているマリオネットの系統(=得意分野)も付記しておこう。
 ちなみに,クローズドβテストでの人気マリオネットは,サラマンドラとのこと。簡単に入手できないマリオネットもあったので,偏ってしまったらしい。

・植物(マンドラゴラ):マリカ草,花の種など。貴重なものはほとんど取れない。
・鉱物:石ころ,金属の混じった石など。それなりに価値のあるものを集められる。
・食べ物(サラマンドラ):巨麦,パンの実など。貴重なものはほとんど取れない。
・魔法物(タイニー):マナウォーター,紋章紙など。貴重なものはほとんど取れない。
・宝箱(エレキテル):コンテナ,宝箱など。一攫千金の可能性があるが,入手率が低い。
・発掘品:ブリキの板,コイルなど。一攫千金の可能性があるが,入手率が低い。
・色んな物:ジャンルを問わず何でも。何が集まるか分からない。
・変な物(インスマウス):何これ? というもの。まれに希少品が入手できることも?

クローズドβテストでプレイヤーから得られた意見を元に,どんどんよりよいものへと進化していくECO。今後のアップデートでも"弱い"といわれている要素の改善策が多く含まれているようだ


マリオネットのタイニー。Tinyっぽくないのが,どこかしらシュールで新鮮
 次に,2.の新マリオネット。オープンβテスト開始と同時に,新マリオネット5種類のイメージイラストが公開される。クローズドβテスト時の6種と併せて,計11種類が使えるようになるわけだが,実装の予定は不明。ガンホーの説明によれば,追加されるのは以下の5種類だ。

ピーノ:一見,木の人形のように見える。作りの良い人形には魂が宿るというが……。
ピボット:今は崩壊してしまった過去の文明の遺物ではないかと言われている。詳細は不明。
ホムラ:火の鳥のように見える。そのいでたちから高貴な印象を受けるが詳細は不明。
アイシー:彫刻のように見えるが氷の精霊だろうか。その体は融けない氷でできているという。
ニンフ:目撃されることが少なく妖精とも精霊とも言われている。

 3.の新たに導入される「マリオネットモンスター」とは,持ち主に捨てられたり,マリオネットになる過程で失敗し,闇の力に取り込まれて人を襲うモンスターと化してしまったマリオネットのこと。さしあたり,以下のようなキャラクターが予定されている。

「ライギョー」
過去に魚人"インスマウス族"から破門されてしまった者の末裔。排他的かつ,攻撃的な性格で,近づく者すべてを攻撃してくる。人間たちに協力するインスマウス族をかなり憎んでいるらしい。

「ブリキングRX1」
エレキテルの次世代モデルとして開発されたエリートロボット。性能が高く期待も高かったが,「ブリキの心」に代わる制御コンピューターが暴走してしまい,人間に害を成すマリオネットモンスターになってしまったらしい。

「ダンプティー」
マリオネット"タイニー"(実装済み)にそっくりだが,作り手が材料を間違えてしまったため,野良マリオネットになってしまったらしい。人間を見ると魔法で攻撃してくるがとくに悪気はなく,じゃれているつもり。

「モックー」
邪悪なマリオネストマスターの手によって,人間を恨むように魔法をかけられてしまったピーノらしい。森に迷い込んだ人間を騙し,攻撃してくるといわれている。


 最後の4.は,エミル・クロニクル・オンラインの魅力の一つとなっている"着せ替え"要素だが,これについては装備品の色を変える「カラーリングシステム」と,通常装備の見た目を変化させる合成の一種「裁縫」が導入され,充実していくとのことだ。カンファレンスでは,カラーリングにもレアなものが存在することや,裁縫は素材によって少し見た目が変化したり色が変わるという情報も得られた。

新マリオネットの面々。それぞれ,ピボット(上段中央),ホムラ(上段右),ピーノ(下段左),ニンフ(下段中央),アイシー(下段右)だ


巨大なECO缶から飛び出したガンホー小島氏。緑色がイメージカラーの本作とよくマッチ(?)している
 また,マーケティング面について触れておくと,まずECOのゲームジャンルは,"ハートフルオンラインRPG"に決定したとのこと。いままで大作オンラインRPGとしか謳っていなかったのは,こういうオリジナル要素を付けるための布石だったのかもしれない。本作のマーケティングプロデューサーの小島氏によると,このジャンル名はほかの多くのタイトルが競争世界を描いていることに対してのもので,誰かのためにがんばるような共生世界を描いた本作にはピッタリとのことだ。ゲームシステムでも"憑依"というユニークなシステムがあるので,うまく表しているともいえるだろう。

 オープンβテストとは直接関係ないが,9月上旬からコミュニティ(本作ではエコミュニティと呼称している)に関係した5つの施策が公式サイト上などで開始されるらしい。それは以下のとおりだ。

1.ECOブログ:ECOスタッフによるブログを9月中旬から配信予定
2.ECO放送局:9月上旬より,ユーザ参加型のインターネットライブ放送番組が開始予定
3.ECO新聞:ECOメールマガジン。9月中旬より配信予定
4.ECOMUSIC:癒しをコンセプトとして制作されたBGMを9月上旬より紹介
5.マリオネットえほん:思わずほんわかとしてしまう雰囲気を持った」短編Flash作品で,キャラクターデザイン会社として有名な「こどもの館」が担当。9月上旬より公開

 そして,もう一つ,コミックマーケット68でも人気を博した非売品アイテムECO缶(中身は緑茶)がもらえるキャンペーンが,ゲーマーズ各店舗,アミューズメントスポットのWonderGOO各店舗,全国のガンホー公認ネットカフェの,合計382店舗で開催される。
 キャンペーンは8月19日(金)より(店舗により異同あり)順次開始され,在庫がなくなり次第終了となる。ECOのベータテストに参加できる「ID」と「パスワード」を携帯電話で取得した後,入手できる「専用待受け画像」をスタッフに提示すればECO缶がもらえる。もちろん,クローズドβテスト段階でIDとパスワードを取得した人も対象になる。

 実装内容からオフラインのキャンペーンまで,話題が盛りだくさんな今回の発表。カンファレンスでは,今年一番の大作と連呼されていたが,実際にオープンβテストの開始が楽しみな内容といえるのではないだろうか。(Text by Seal / Photo by kiki)

本作の詳細ジャンルは,"ハートフルオンラインRPG"。独特な憑依システム,マリオネットシステムで,仲間と一緒にのんびりと共生していけるのが魅力だ

エミル・クロニクル・オンライン
■開発元:ヘッドロック
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2005/12/09
■価格:1500円(税込)/30日間
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.08/20050817231256detail.html