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[韓国ゲーム事情#379]GOD MMOの「Gauntletオンライン」
2005/07/13 17:42
Kimの韓国最新PCゲーム事情#379

GOD MMOGの「Gauntletオンライン」が登場(2005/7/13)

Text by Kim Dong Wook特派員



 韓国で,"GOD MMOG"を標榜するタイトルが登場して話題になっている。「GODゲーム」というのは,プレイヤーが直接自分のワールドを創造したり,他人のワールドを破壊したりできるような,ゲーム上で力強いパワーを持った存在(GOD)になれる,「ポピュラス」や「ブラック&ホワイト」のようなゲームのことだ。

 E-ZEN Entertainmentが開発中の「Gauntletオンライン」は,これまでの韓国産MMORPGの典型だった,絶え間ない狩りによる単純なレベルアップから脱皮して,プレイヤーの意志と選択によって進行する方式を採択しているという。
 同ゲームは,ほかのオンラインゲームの地形的な構成要素であるマップを,ちょっと違った形態で提供している。戦闘も,フィールドや村で進行する狩りやPVPではなく,Battle Zoneでのみできるようになっており,戦闘時に使われる魔法やクリーチャーの獲得方式も変わっている。
 簡単にいえば,本作はプレイヤーが直接作っていく小宇宙と,その小宇宙群を連結させる「光の庭園」と呼ばれる共同区域(一般的なのオンラインゲームでの村にあたる),そして戦闘が発生するBATTLE Zoneで構成される。本作で非常に重要な役割を担っているのが,小宇宙だ。プレイヤーは,ゲームにログインすると自分だけの領地となる小宇宙を生成できる。この小宇宙を保護するための装置(エレム:小宇宙を防御する装置,またはほかの小宇宙への攻撃時に使用するアイテム)の材料を求めて,ほかのプレイヤーの小宇宙に侵略していく。



 本作のメインテーマは「創造と破壊」で,ゲームの全般にかかわるシステムとして構成されている。「創造」とは,小宇宙を作って整備することとアバターを生成すること。「破壊」はプレイヤー間の果てしない戦いだ。対戦の種類には,純粋なプレイヤー間でのPvPもあるが,小宇宙を戦略的に設計して,ほかのプレイヤーが自分の小宇宙で自滅するようにするとか,保有したエネルギーを最大限浪費するような対戦方法(?)も存在する。
 このため,プレイヤーはアバターを生成したあと小宇宙を創造して,エレムを作る材料を確保しなければならない。



 本作では神という立場であるプレイヤーの代理者として,アバター(プレイヤーキャラクター。ブラック&ホワイトのクリーチャーのような扱いだろう)が存在する。アバターは性別のほか,それぞれ頭髪,顔,足,Gauntlet,上衣,下衣の6個のパーツを選択できる。頭髪,足,Gauntlet,上衣,下衣は装着することによってアバターの外見が変化するだけではなく,能力値も上昇する。装着可能なエレムに使われるのは,この身体の5か所になるのだ。
 エレムは本作で最も重要な要素で,大きく5種類に分けることができる。具体的には,クリーチャーエレム(クリーチャーを召喚するエレム),魔法エレム(魔法攻撃をするエレム),トーテムエレム(各種トーテム攻撃をするエレム),環境エレム(プレイヤーの小宇宙を飾るエレム),イベントエレム(さまざまなイベントを発生させるエレム)だ。
 プレイヤーがエレムを直接作るためには,多くの種類の材料と,Key材料が必要になる。基本的な材料は光の庭園にいるNPCが販売しているが,Key材料や重要な材料は,ほかプレイヤーの小宇宙を破壊しなければ獲得できない。
 戦闘では,クリーチャーエレムは5個まで,トーテムエレムは1個まで,魔法エレムは4個までで,計10個のエレムを使用できる。従来のMMORPGではキャラクターの能力値と装着したアイテムに依存して戦闘が進行されるが,本作ではプレイヤーが創造したクリーチャーエレムと魔法エレム,トーテムエレムに依存して戦闘が行われるという独特の方式になっている。

 このようにゲーム自体も非常に珍しいシステムだが,本作を開発しているE-ZEN Entertainmentにも,独特さがある。同社の社長であるLee, Soo Young氏は,「Mu-Online」(邦題 ミュー 〜奇蹟の大地〜)で急成長したWebzenの設立者として業界の注目を集めていた女性CEOだ(以前「4Gamer magazine Vol.3」でインタビュー記事を掲載した人物)。彼女は,2004年3月にE-ZENを創業し,実力のあるクリエイターを集めて本作を開発中である。業界は,彼女が第2のMu Onlineの成功神話を作ることができるか注目している。
 なお本作は,7月14日から4日間,最初のクローズドβテストを行う予定だ。


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http://www.4gamer.net/news/history/2005.07/20050713174229detail.html