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[韓国ゲーム事情#368]今,オンライン野球ゲームが熱い
2005/06/23 21:16
Kimの韓国最新PCゲーム事情#368

韓国オンラインゲーム市場で注目される野球ゲーム(2005/6/23)

Text by Kim Dong Wook特派員

 韓国オンラインゲーム市場に野球旋風が吹いている。ゴルフの「Pangya」(邦題 スカッとゴルフ パンヤ」),バスケットボールの「FreeStyle」に続き,新しいヒット作のキーワードとして"野球"が急浮上しているのだ。野球に対する関心が高い日本の読者も,この韓国の流行は気になるところだろう。というわけで今回は,野球をテーマとしたオンラインゲームを紹介していく。

 Neople社が開発,Hanbit Soft社がパブリッシングを行う「新野球」は,SDキャラクターの可愛いイメージを生かしたカジュアルオンライン野球ゲームでありながら,現実の野球ルールと臨場感がうまく再現された,アーケード性の強いゲーム。
 操作はいたって簡単で,方向キーとShift,Ctrl,Altキーだけで投球,打撃,守備などの指示を出せる。基本的にはほかのプレイヤーと1対1で対戦するのだが,一人で打撃や守備を練習できる"演習モード"や,"ホームランレースモード"なども用意されている。
 競技で勝利すれば,各選手の技術を成長させることも可能だ。打者の場合は打撃技術,パワー,スピード,投手の場合は変化球,コントロール,スピード,限界投球数といったパラメータを育成できる。プレイヤーは,自分の育てた選手だけで球団を組織できるのはもちろん,他プレイヤー球団との選手トレードも楽しめる。
 6月上旬に行われたクローズドβテストでは,簡単な操作方法と短いプレイ時間,可愛いキャラクターなどでプレイヤー達にアピールし,オンライン野球ゲームの可能性を業界に知らしめた。
 Hanbit Softの関係者は,「野球は基本的なルールが複雑だから,ゲーム自体はとても易しくなければなりません。新野球は,誰でも簡単に楽しめる野球ゲームに仕上がっています」とコメントしている。

「新野球」の画面構成は,日本の野球ゲームに慣れ親しんだ人ならお馴染みのもの。選手の育成や,オリジナル球団の作成も可能だという。どっから見てもコナミの「実況パワフルプロ野球」シリーズにしか見えないというのが,先日の「Wiki」に引き続いて物議を醸し出しそうで,非常に気になる


 二つ目の野球をテーマにしたオンラインゲームは,AniPark社が開発し,CJ Internet社の「Netmarble」でサービスされている「魔球魔球」
 本作はKBO(韓国野球委員会)とのライセンスを通じて,現在韓国プロ野球の8球団,約2000人の選手データをゲームに反映させ,野球ファンからの注目を集めている。
 魔球魔球の特徴は,ゲームシステムにトレーディングカードゲーム(TCG)の方式が組み込まれている点。本作でのチームは,TCGでの"デッキ"と言える。プレイヤーは約2000種類もの選手カードとスペルカード(後述)を利用して,状況に応じたデッキを組んで対戦するのだ。
 ゲームをプレイして新しい選手カードを獲得したり,カードをショップで購入したりして,さらに強いチームを作れるのも魅力。またスペルカードというのはつまり魔法カードで,勝敗を左右する場面で戦略的に使わなければならない。このカードには,特定選手の能力値を上昇させる,魔球を投げる,天候をコントロールするといった効果を秘めるものなどが存在する。
 AniParkのマーケティング室長であるKang,Hak Soo氏は,「トレーディングカードの収集に関心度が高い低年齢層から,高校野球やプロ野球に関心を持つ大人層までに幅広くアピールするため,そして誰でも対戦プレイを楽しめるようにするため,野球ゲームとしては珍しいTCGの概念を採用しました。今後はオフラインでのカードとの連動と,キャラクタービジネスの展開も念頭に置いて開発を続けていきます」とコメントした。

「魔球魔球」は,トレーディングカードゲームの要素が盛り込まれた野球ゲーム。ゲーマーもコレクターも楽しめそうな作品だ


 最後のタイトルとして紹介するのは,SA NAE Sports社が開発中の「韓国プロ野球2 オンライン」。前述の2作品とは異なり,リアルさを追い求めるオンライン野球ゲームとして,KBOとライセンス契約を結んで韓国プロ野球8球団の選手と,外国人選手までを実名で登場させている。
 3Dエンジンを生かした多様なカメラアングルで,臨場感あふれるゲームプレイが可能ということが,前述した作品との明確な差異となっている。

前述2作品とは違い,リアルさを追求したオンライン野球ゲーム「韓国プロ野球2 オンライン」。熱心な韓国野球ファンからの注目度が高そうだ

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.06/20050623211618detail.html