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[E3 2005#090]Ubisoft初の映画版権タイトル「King Kong」
2005/05/21 19:34
※撮影は一切不可だったため,画面写真は掲載していません。ご了承ください

 South Hall東側の入り口前にでんと構えるUbi softブースの中で,コマの40%を占めるミニシアターを置いて紹介されていた,同社の新作「Peter Jackson’s King Kong」
 本作は,映画「ロード・オブ・ザ・リング」などを手がけるピーター・ジャクソン監督の最新作「King Kong」とのタイアップ作品。同監督も開発に参加,さらにボイスアクターにも映画のキャストをそのまま起用するなど,原作の監督であるウォシャウスキー兄弟が制作に加わった「Enter the Matrix」と同様の手法で開発されている作品だ(ピーター監督といえば,「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」のゲーム版も忘れてはいけないだろう)。

 ちなみに本作のプロデューサーMichel Andel氏は,Ubisoftをヨーロッパの有力パブリッシャに押し上げたマイルストーン的な作品「レイマン」の開発者である。ピーター・ジャクソンがゲームの開発に関わる一方,Andel氏も映画の撮影現場となったニュージーランドへ詰めて,構想を練っていたらしい。こういった相互の協力体制のもとで制作されている本作は,やはり「Enter the Matrix」のように,映画の情報を補完する内容となっている。

 さて劇場版「King Kong」は,まだ上映前。そもそも本格的なプロモーションさえ行われていない段階で,ストーリーなどの詳細は明かされておらず,実はこのミニシアターでのプロモーションムービー公開が,世界初の情報公開となった。そのため,このシアターはかなりのレア扱いで,かつ厳戒態勢(筆者は,ボイスレコーダに手を触れただけで"注意"を受けてしまった)。初日にはスティーブン・スピルバーグ氏が訪れていたほどで,20分ほどの上映のために1時間以上待ったギャラリーも少なくなかった。

 上映の内容はさておき,ゲーム版King Kongは,一人称視点のアクション作品。ゲーム中の半分は人間として冒険をし,残りの半分ではKing Kongを操作して巨大な恐竜と戦ったりもできるらしい。ゲーム中は,ストーリーに沿って映画のキャラクターが行動するし,映画の実写映像もふんだんに盛り込まれているとのことだ。

 この日見られたムービーでは,ピーター・ジャクソン氏へのインタビュー映像やメイキングシーン,そしてゲーム映像としては,一人称視点でのアクションとKing Kong対恐竜の戦闘が見られた。ストーリーは明かせないが,ゲーム部分の上映内容を簡単に紹介しよう。

 ゲームは,スクリプトシーンと戦闘シーンを交互に繰り返す形で進行する。プレイヤーは映画のキャストと共に冒険し,(おそらく映画と同様の)彼らの行動や言動を楽しめる。一人称視点で,手には大体なんらかのアイテムを持っているため,ゲーム画面はFPSライクだ。
 恐竜との戦闘シーンで主人公が放った槍は,恐竜を貫いたあと,そのまま体に残っていた。これはダンジョン シージの戦闘用エフェクトと同じだが,見たところ画面に自分や敵の体力といった情報はない。画面から得られる情報のみで,状況を判断しなければならないシステムなのだうろか。

 そのあとは,主人公が川を下っている途中に2匹のティラノサウルスに遭遇し,イカダの上から敵に銃撃するというシーンが見られた。イカダ自体は自動で操縦されていて,プレイヤーは上流から咆哮で威嚇しながら迫ってくる恐竜におびえつつ戦うといった,映画アトラクションのような作りである。主人公が恐竜に遭遇するシーンは,ジュラシックパークのような雰囲気だ
 King Kong対恐竜の戦闘では,King Kongが恐竜に殴打を浴びせたあと,最後に上下のあごをつかんでそのまま引き裂くという,見ていてスカッとする体術(?)も見られた。そもそもこのシーンは巨大なオブジェクト同士のぶつかり合いだけに,周りの岩や建造物をガラガラ崩しながらの戦闘は,抜群の破壊力と爽快感である。

 本作はUbisoftにとって,映画とのタイアップの第一歩。同社はマーケティング手法もEnter the Matrixを参考にしており,同社の映画業界関連タイトルの試金石として,成功に期待している。
 King Kongはすべてのコンシューマ機とPCで,映画の封切りと同時の2005年末に発売予定だ。(Gueed)


Peter Jackson’s King Kong
■開発元:Ubisoft
■発売元:Ubisoft Entertainment
■発売日:2005/11/21
■価格:49.99ドル
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050521193434detail.html