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[E3 2005#057]NCsoftの隠し玉!? オンラインアクション「Exteel」がプレイアブル出展
2005/05/20 20:58
 2005年のE3はなにかと注目作が目白押しとなっているが,NCsoftはその中にあって,未公開の開発タイトルをいきなり出展するという電撃戦術を展開してきた。「Exteel」は,複数プレイヤーでのオンライン対戦が可能なロボットアクションゲームで,「リネージュII」などで知られるTeam Beamが開発を担当。そろそろβテストが開始されてもおかしくない完成度での出展である。
 いささか逆説的な言い回しになるが,Exteelは,オンライン作品とは思えないほどのアクション性を持っているのも,重要なポイントである。同作のファクトシートでは「香港のマーシャルアーツ(格闘技)の映画を連想させるハイスピードアクション」とうたわれているが,たしかにジャンプ中の移動,「Jet Boost」での高速移動など,いままでのオンラインゲームとはスピード感が大きく異なっている。



 Exteelの舞台は,2197年の惑星Natha。そこで「Knight Saver」「Defend Guard」「Thunder Assault」という,それぞれ特徴の異なる3機を操って戦いを繰り広げる。
 とりわけ印象的なのは,操作難度を上げることなく対戦に集中できるような工夫が,随所に盛り込まれているところだ。
 全体的な操作体系はFPSのそれに近く,キーボードの"WSAD"で移動し,マウスカーソルで照準を合わせる。だがこの操作体系そのものは,FPS慣れしている人ならば違和感はない一方で,ライトゲーマーには難しく感じられるものだ。
 そうしたハードルを下げるために,NCsoftが導き出した回答は,照準を敵機の近くまで持っていくと自動的に敵機にロックオンしたり,武装セットを簡単に切り替えられたりする工夫を盛り込むことだった。武装セットには片手マシンガン2丁,片手マシンガン+近接武器,ロケットランチャーなど数種類があり,これらの切り替えはキー+クリック1回という簡単な操作で行える。



 さらに,プレイヤーが使用できる3種の機体には,それぞれ異なる"スキルスロット"があり,それを使って繰り出すスキルには,格闘ゲームの必殺技をイメージさせる,「大ダメージ&長い硬直時間」の攻撃が用意されている。複数プレイヤーによるバトルロイヤル形式の対戦で頻発する,単機 vs. 多数という構図を打破できる可能性を持たせることによって,アクションゲームならではの爽快感をある程度実現している。同社が持つ,高い開発力の為せる技といえるだろう。



 これらの要素を総合的に見てみると,同じ土俵でしのぎあうアーケードゲーム的な図が浮かんでくるが,E3に出展されていたバージョンではもっと気軽な対戦アクションというカラーが強く,プレイヤースキルを除いては,長期にわたってプレイを継続させるための要素が希薄という印象も受けた。
 ともあれ,基礎部分でのポテンシャルの高さを窺うことは十分にできたので,これからのブラッシュアップによって,今までにないロボットアクションゲームとなることを期待したいところだ。



 本作は,さまざまなジャンルのオンラインゲームをリリースして総合ポータルサービスを目指していくという,同社の企業戦略の一環としても位置づけられる。今年の同社の出展タイトルは,本作を含め,「Auto Assault」「Tabula Rasa」などe-Sportsを意識したようなアクションゲームが多いことから,今後の同社の方向性や戦略が垣間見えるブースという印象も受けた。

 オンラインロボットアクションゲームは,PCでいくつかのタイトルがリリースされてきたが,一部を除いてあまり人気が出なかった。そこに殴りこみをかけた形となるExteelは,注目していきたいタイトルだ。(Seal)


Exteel
■開発元:N/A
■発売元:NCsoft
■発売日:
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050520205804detail.html