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[E3 2005#046]アル・パチーノ主演映画「Scarface」がゲーム化
2005/05/20 18:16
 今年のVivendi Universal Gamesブースの一角には,周りをぐるりと壁とカーテンで囲んだ一角が設けられていた。ドアこそあるものの一般来場者が入っていけるような入り口はなく,招待を受けたものだけが中へと通される。いわゆるクローズドなブースというヤツだ。そしてその中で展示されていたタイトルが,この「Scarface:The World is Yours」である。



 「Scarface:The World is Yours」は,アル・パチーノ主演のギャング映画「Scarface」を題材にしたゲームだ。原作映画が公開されたのは,なんと今から20年以上も昔の話である。アル・パチーノの役どころは,マイアミの暗黒街を生きるギャング,トニー・モンタナ。映画の中ではキューバから移民としてアメリカに乗り込んできたトニーが成り上がっていく様が描かれている。
 本作は,このストーリーをなぞるものかと思っていたら,まったくそうではないらしい。本作の冒頭では,いきなり映画のラストシーンが描かれている。映画の中の主人公トニーはギャングらしい銃撃戦の果てに,背後から忍び寄ってきた男の手によって絶命してしまうのだが,ゲームの中ではなんとトニーがその男を逆に倒す。つまりこのゲームでは,「もしもトニーがあの場面を生き残ったら?」というifの物語を体験できるようになっているのだ。



クローズドブースの内部はトニー・モンタナの住処らしい装飾が施されていた。机の上に見える白い粉は当然……!?
 本作は,基本的には主人公トニーを操作してミッションをこなしていくアクションゲームだ。ミッションにはいかにもギャングらしく,殺しや麻薬運びといったダーティなものが揃っている。
 さきの抗争をぎりぎりのところで生き延びたトニーは,それまでに築いた財産や暗黒街での地位を失ってしまっている。そのため,とにかくミッションをこなして金を作らなければならないのだ。

 とはいうものの,本作は非常に行動選択の幅が広いデザインになっているので,メインのミッションはとりあえず放っておいて,それ以外の細かなミッションをこなしたり,無目的に町をぶらついたりすることも可能だ。マップは徒歩で移動するにはつらいほど広く,ゲーム内では車や船,飛行機を操縦することも可能になっている。
 暴力にクスリにカーチェイス,暗黒街,そして自由気ままなプレイも可能といった数々の要素から察するに,「GTA3」や「マフィア」などに通じる雰囲気を持ったゲームに仕上がるのかもしれない。

 ユニークな要素として,本作にはプレイヤーの「モンタナらしさ」を表すパラメータが存在するという。これはその名のとおり,映画で描かれていた「モンタナらしい」行動をとることで溜まっていく。
 モンタナは"カタギの人間は撃たない"というポリシーを持っている。さらに自分自身が成り上がった経験から,立場の強い相手には厳しく,弱い相手には共感を持って対応する。こういった性格を踏まえてゲーム内での振る舞いを決めていけば,「モンタナらしさ」は上昇していくとのことだ。ゲーム内にはモンタナの家が存在し,モンタナらしさが上がるにつれて家具などの調度品が置けるようになっていく。またモンタナの服装も徐々にアップグレードしていくという。

 Scarfaceはプレイステーション2,Xbox,Xbox 360,そしてPCをプラットフォームとして,2006年夏に発売される予定だ。来年のE3には,かなり完成に近いバージョンが出展されていることだろう(おそらく今度はオープンブースで)。原作映画を見て予習しつつ,次の情報を待ちたい。(ライター:星原昭典)


Scarface: The World is Yours
■開発元:N/A
■発売元:Vivendi Games
■発売日:2006/10/08
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050520181632detail.html