東京・羽田空港近くにある複合施設「羽田イノベーションシティ」のZONE-Kにて,PROTOTYPE Inc.の展示イベント
「SFプロトタイピング展」が本日(2022年4月9日)開幕した。開催期間は4月9日から4月30日までで,入場は無料(日時指定予約制)。
同社が運営するデジタルスタジオ兼ギャラリー
「HANGER-B」の新設を記念して行われるSFプロトタイピング展は,
“Sci-fiからバックキャストした実践的プロトタイピングの体験型展覧会”だ。二輪型MRシミュレータ
「GODSPEED XR」やプロレーサーによるモータースポーツのデジタル化を提案するプロジェクト
「FUTURE RACE」,YAMAHA(ヤマハ発動機)と共同して開発に取り組んでいる“人とマシンが共響するパーソナルモビリティ”を目指した概念検証実験EVモデル
「MOTOROiD」といった,同社が手がけるさまざまなプロダクトに関する展示が行われる。
開幕前日の4月8日に行われたプレオープンイベントでは,同社の代表取締役である
渡辺光章氏と,2002年に発売されたロボットアクション(公式ジャンル名は“操縦”)
「鉄騎」や,2020年7月に角川ゲームスよりリリースされた
「Root Film」などで知られる,ヌードメーカー代表取締役のゲームデザイナー
河野一二三氏のトークイベントが開催された。
「……えっ,なんで河野さん?」と思って話を聞いていると,なんと
PROTOTYPE Inc.設立のきっかけが,「鉄騎」と言えばでおなじみの“あの”専用コントローラなんだとか。発売当時はいちサラリーマンだったという渡辺氏は,あの巨大でヘビィなコントローラに魅入られ,「鉄騎」の販売元であったカプコンに「『鉄騎』のコックピットを作りたい」と連絡。個人への許諾は難しいという回答を受け,「それであれば会社を作ろう」と3日ほどで立ち上げた会社がこのPROTOTYPE Inc.だったという。そんな,PROTOTYPE Inc.の始まりに影響を与えた重要人物として,河野氏は特別ゲストとしてこの場に登場したわけだ。SFプロトタイピング展には,そんな同社のルーツにあるコックピットのプロダクト
「TYPE00R」も展示されている。
こちらは展示されているTYPE00Rを近くで撮影したもの。細部までこだわり抜かれたデザインは,クラシックなメカやロボット好き,ジャンクな感じが好きな人にはたまらないものがあるはず
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ほかにも,TYPE00Rの制作にも関わっているという造形作家の
池内啓人氏がデザインした
ヘッドセット作品が展示されている。“体験型”とあるとおり,GODSPEED XRなど実際に触れて体験できる展示もあるので,SFやこういったメカニックが好きな人,そして「鉄騎」のエピソードにグッときた人などは足を運んでみるといいだろう。
池内啓人氏が手掛けたヘッドセットの数々。こちらもTYPE00R同様,写真では伝えきれないほど細部に至るまでのこだわりが感じられるデザインになっている
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二輪型MRシミュレータ「GODSPEED XR」は体験が可能だ。“試乗”してみると,VRの映像ではアメリカのソルトレイクの風景が広がっていた。あくまでお試し版といったところで,アクセルでのスピードの制御や,車体を傾けてカーブするといったシンプルなものだが,実車そのもののまたがっている感じや車体の重みを感じながらVRの世界を疾走するのはなかなか特別な感覚がある。この技術がゲームにも展開していくと楽しそうだ
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<以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載しています>
「SFプロトタイピング展」を
羽田イノベーションシティにて開催(4/9〜30)
Sci-fiからバックキャストした
実践的プロトタイピングの体験型展覧会
PROTOTYPE Inc.は、Sci-fiからバックキャストした実践的プロトタイピングの体験型展覧会「SFプロトタイピング展」を2022年4月9日(土)〜30日(土)に開催致します。
【URL】https://www.proto-type.jp/
SFプロトタイピング展 詳細
羽田イノベーションシティに新設されたスタジオ「HANGER-B」のこけら落としとして、Sci-fiからバックキャストした実践的プロトタイピングの体験型展覧会を開催いたします。
PROTOTYPE Inc.による二輪型MRシミュレーター[GODSPEED]、モータースポーツをデジタル化し世界を変えるプロジェクト[FUTURE RACE]の概念試作展示、YAMAHAによる世界初公開のライディングシミュレーター[MOTOLATOR]、”人とマシンが共響するパーソナルモビリティ”をめざした概念検証実験EVモデル[MOTOROiD]の展示、BALENCIAGA 2022春コレクションキャンペーンビジュアルなどで世界的評価を確立する美術家・池内啓人によるヘッドセット作品など、充実のラインナップでお迎えいたします。
展示作品
GODSPEED XR(PROTOTYPE Inc.)
PROTOTYPE Inc.が開発しているバイクシミュレーター「GODSPEED」。今回はシリーズ初のXRヘッドセットを使用したシミュレーターを開発。センシング技術・連動したシミュレーションアプリケーションにより、実車に近い操作感で疾走を実現しています。
FUTURE RACE(PROTOTYPE Inc.)
「モータースポーツをデジタル化する」
未来のレースはどうなるかを想像し、誰でも楽しむことができる「FUTURE RACE」を提案します。
MOTOROiD(モトロイド/ヤマハ発動機株式会社)
“人とマシンが共響するパーソナルモビリティ”をめざした概念検証実験EVモデル。人機官能に基づく新しい感動体験の創出を目的に、”アンリシュード・プロトタイプ”(UNLEASHED PROTOTYPE; 常識からの解放)をコンセプトに開発されました。
MOTOLATOR(モトレーター/ヤマハ発動機株式会社/世界初公開)
モーターサイクルの開発で想定すべき多種多様な環境をデザインラボで再現するためにつくられたライディングシミュレーター。
人機官能に基づくアイディアを素早く体感できることから、さまざまなテストに活用されています。
ヘッドセット(池内啓人)
既製品のプラモデルや工業製品のパーツを組み合わせ、本来あるイメージから卓越、そのものへ全く新しい価値を与えるIKEUCHI。 大学卒業時、本人のパソコンと模型をあわせたジオラマ作品の制作を切っ掛けに生まれた IKEUCHIのスタイルは、現在では主にスーツやヘッドセット、そしてガジェットなど、身に着ける工業製品をベースに制作するかたちに進化し、そのポテンシャルを常に追求し続けています。
TYPE00R(PROTOTYPE Inc.・池内啓人)
PROTOTYPE Inc.と池内啓人による、2022年のテクノロジーを使用したコクピット作品。
出展者
・PROTOTYPE Inc.
(https://www.proto-type.jp/)
・ヤマハ発動機株式会社
(https://global.yamaha-motor.com/jp/)
・池内啓人
(https://ikeuchiproducts.com/)
【「SFプロトタイピング展」実施概要】
イベント名:SFプロトタイピング展
開催日:2022年4月9日(土)〜30日(土)
会場名:羽田イノベーションシティ ZONE-K [HANGER-B]
アクセス:〒144-0041 東京都大田区羽田空港1丁目1番4号 京浜急行電鉄空港線・東京モノレール「天空橋」直結
入場無料:日時指定予約制
https://www.proto-type.jp/
PROTOTYPE Inc.について
『試装』をミッションとし、SF世界からバックキャストした先鋭的な研究開発に取り組んでいます。 ソリューション提案からデザイン、開発、空間演出、制作までをワンストップで行うことが可能です。特にインタラクティブなコンテンツ制作や映像制作には定評があり、デバイス連携による環境制御(照明、プロジェクション映像等)やインスタレーションプロダクト化なども取り組んでいます。
羽田イノベーションシティについて
羽田空港第3ターミナルから1駅の「天空橋」駅に直結する「HANEDA INNOVATION CITY」は、敷地面積5.9ha、延床面積が13万m²を超える大規模複合施設。
「先端」と「文化」の2つをまちのコア産業として、商業・オフィスをはじめ、多くの特徴的な機能を内包した、未来志向の新たな体験や価値に出会える場所です。
世界をリードする国際産業拠点として、多彩なジャパンカルチャーを発信拠点として、このまちに集まってくるあらゆる人たちへイノベーションを提供していきます。
https://haneda-innovation-city.com/