2018年3月15日,タカラトミーは東京都内で,
「『人生ゲーム』50周年事業発表会」を開催した。この発表会は,1968年に発売された
「人生ゲーム」が50周年を迎えるのを記念したもので,同年生まれのタレントである
荻野目洋子さんをゲストに迎え,
「週刊少年ジャンプ」とのコラボレーションなどが発表された。
●「『人生ゲーム』50周年事業発表会」登壇者一覧
・タカラトミー 代表取締役社長 小島一洋氏
・タカラトミー 事業統括本部 ゲーム事業部 事業部長 佐戸憲一氏
・タカラトミー ゲーム事業部 トイゲーム企画課 係長 人生ゲーム ブランドプロデューサー 池田 源氏
・週刊少年ジャンプ編集長 中野博之氏
・葛飾区長 青木克徳氏
・タレント 荻野目洋子さん
会場には「人生ゲーム」にまつわるさまざまな展示が行われた。歴代「人生ゲーム」(左)と,懐かしい「ときめきメモリアル2人生ゲーム」(右)
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「人生ゲーム」の盤面も1968年の初代(左)と2016年の7代目(右)では大きく変化を遂げている
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歴代ゲーム機用の「人生ゲーム」も展示された
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世界にただ1つしかない,輪島塗の「人生ゲーム」。ルーレットや駒は木製
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展示の中でとくに印象深かったのが,「ユニバーサルデザイン人生ゲーム」だ。東京都立葛飾盲学校の協力で作られたもので,視覚に障害を持つ人たちが健常者の助けを借りることなく遊べるようになっている。盤面はピラミッド状になっており,麓からスタートして頂上へ登っていく。視覚に障害を持つ人も手ざわりでコースを理解できるようになっている
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コマにはマグネットが仕込まれていて,鉄製の盤面に吸着。ピンの本数によって自分のコマを判別する。そのため,結婚や出産で増えた家族はコマに刺すのではなく,別の場所において管理する
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普通なら盤面のマス目に指示やフレーバーテキストが書かれているが,このバージョンでは,スペースの問題からマスには番号のみが記されている。テキスト類は帳面にまとめられており,文字と点字の両方で記載されているため,健常者も一緒にプレイできる。ちなみに,テキストの内容は通常の「人生ゲーム」と同一とのこと
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紙幣や職業カードには点字が併記されている
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まずタカラトミーの代表取締役社長である小島一洋氏が登壇。「人生ゲーム」の歴史について語った。
タカラトミーの代表取締役社長である小島一洋氏
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今では日本の定番ボードゲームとして知られる「人生ゲーム」だが,元々はアメリカのMilton Bradley(現・ハズブロ)が作った
「The Game of Life」を日本語に訳したものである。当時からアメリカでは,子供がアルバイトなどを通してお金の問題に向き合う風習があり,こうした自立精神を日本でも取り入れるために発売したのだという。
その後,単なる和訳ではなく日本オリジナルとなった
「NEW人生ゲーム」や,就職難を取りいれた
「人生ゲームB&B」など,世相を反映しつつ版を重ね,今では累計1500万個以上を販売するに至っているのだという。
こうした好評について小島氏は「単にゲームとしての勝ち負けだけがあるのではなく,親子や孫など世代の違う人々が一緒に遊ぶことができ,人生についてコミュニケーションを取れるからではないか」と分析した。
タカラトミー 事業統括本部 ゲーム事業部 事業部長の佐戸憲一氏
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続いて登場したのは,事業統括本部 ゲーム事業部 事業部長の佐戸憲一氏。「『人生ゲーム』は,世代を越えて楽しめる最強のゲームであり,人生について共に語れるコミュニケーションツールです。より多くの方に楽しんでいただくため,さまざまな企画を準備しました」とコメントを残し,ゲーム事業部 トイゲーム企画課 係長 人生ゲーム ブランドプロデューサーである池田 源氏と,週刊少年ジャンプ編集長 中野博之氏にバトンを渡した。
タカラトミー ゲーム事業部 トイゲーム企画課 係長 人生ゲーム ブランドプロデューサーである池田 源氏(左)と,週刊少年ジャンプ編集長 中野博之氏(右)
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池田氏と中野氏が発表したのは
「週刊少年ジャンプ 人生ゲーム」。7月に4500円(税別)での発売が予定されているという。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(以下,こち亀)や「ドラゴンボール」などのレジェンド作品から,「約束のネバーランド」「鬼滅の刃」といった現役作品まで50タイトル以上が収録されている。
7月に発売予定の「週刊少年ジャンプ 人生ゲーム」,盤面(左)とコマ(右)
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ゲームの内容は,通常の「人生ゲーム」のようにお金を稼ぐのではなく,各作品のキャラクターを仲間にして「Jメダル」を入手し,その量を競い合うというもの。
現在も開発が進められている同作だが,少年ジャンプのファンと人生ゲーム好きの両方が楽しめるゲームを目指し,歴代作品の名シーンを盤面に収録し,「こち亀」の両津勘吉や「鬼滅の刃」の竈門炭治郎といった新旧キャラクターを駒にするなど,年齢にかかわらず遊べるものにするとのこと。
中野氏は「お父さんはレジェンド,子供さんは現役作品の駒を使うような楽しみ方もできるんじゃないでしょうか」と,世代を越えて遊べることを改めてアピールした。
このほか,3月31日には
「人生ゲームタイムスリップ」(3980円・税別)が発売され,4月1日から行われるB’z30周年展示会「B’z 30th Year Exhibition “SCENES”1988-2018」では
「B’z 人生ゲーム」(価格未定)が限定販売される。「人生ゲームタイムスリップ」は50年前の日本にタイムスリップし,現代へ向けて旅をしていくというもので,日本のこれまでを追体験するのに加え,オプションの盤面を装着すれば未来の歴史も楽しめるという。
「人生ゲームタイムスリップ」(左)は,オプションの盤面(右)を装着すれば未来も楽しめる
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限定販売される「B’z 人生ゲーム」
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また,2018年8月には「50th 人生ゲームフェスタ 人生ゲーム日本一決定戦」が開催され,参加者の中から選ばれた「日本一運がいい人」はラスベガスツアーに招待されるとのこと。
「50th 人生ゲームフェスタ 人生ゲーム日本一決定戦」
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「ラスベガスで目指せ!リアル億万長者キャンペーン」では,特設サイトから応募して当選すると,ラスベガスへ招待されるうえに2000ドルのギャンブル資金がもらえる。これは初代「人生ゲーム」に「ラスベガスで賭けをして儲ける」というマスがあるのにちなんだキャンペーンとのこと
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葛飾区長の青木克徳氏
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50周年コラボレーションとして,葛飾区と青戸にある6つの商店街のお店をマスに見立てて人生ゲームを楽しむ「まちあそび人生ゲーム IN 葛飾」が2018年秋に行われる。葛飾はタカラトミーの本社がある場所であることからコラボが実現したのだという。葛飾区長の青木克徳氏は「『人生ゲーム』は50年経っても古さを感じさせないゲーム。これからもいろいろな形で連携し,『人生ゲーム』と葛飾区が共に発展できるようにしていきたい」と意気込みを表明した。
また,日本最南端である竹富町の島々にある9つの小学校が合同でオリジナルの「人生ゲーム」を作成する「みんなでつくる人生ゲームプロジェクト」も2018年秋完成を目指してスタートしているとのこと。
「みんなでつくる人生ゲームプロジェクト」は日本最南端である竹富町の島々が舞台に
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続いては,「人生ゲーム」と同じ1968年生まれのタレントとして荻野目洋子さんが登場。「人生ゲーム」にまつわる思い出と愛を語った。荻野目さんは3人姉妹の三女で,生まれたときから家に「人生ゲーム」があったという。年末になると家族みんなで「人生ゲーム」を遊ぶのが習慣になっており,盤面はもうボロボロになっていたのだそうだ。
荻野目さんにとって「人生ゲーム」の面白さは,大人と勝負できることと,人生を疑似体験できること,そしてゲーム用の紙幣を扱うことにあったという。「ゲームをする中で大人の意外な側面が見られたし,職業によって収入が変わることも『人生ゲーム』から学びました。やらずには年を越せない位に大好きなゲームです」と「人生ゲーム」への愛を熱く語った。
最後に,「人生ゲームタイムスリップ」のようにタイムスリップできるとしたら過去と未来のどちらに行きたいか……と問われた荻野目さん。「江戸時代に戻って,日本人が元々持っている良さを覗いてみたいです。当時の文化や芸能などの様子も見てみたいですね」と芸能人らしい好奇心を見せてイベントを締めくくった。
タレントの荻野目洋子さん。「人生ゲーム」への愛を熱く語った
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