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VRはインティーズゲームシーンにとって大きなチャンス。「BitSummit 4th」で吉田修平氏と松浦雅也氏が語った
最初のトピックは,インディーズゲームシーンとVRに関してだ。吉田氏は,「VRは少人数でもユニークな作品が作れ,世界に向けて発信できるため,インディーズのクリエイターにとっては絶好のチャンス。VRのような新しい市場が立ち上がるのは何十年に1回のことなので,アイデアと熱意のある人はチャレンジしてほしい」と激励した。
また,松浦氏は「インティーズゲームに携わる人は,組織のコマにならずに,自分達のやりたいことをやっていく姿勢を大切にしてほしい。吉田氏がいうように,こういうチャンスはしょっちゅう起こるものではないから,自分を賭けてチャレンジしてほしい」と述べた。
松浦氏が手がけた作品の一つが,CDを入れ換えることによって,どんな音楽からでもステージを構築してしまうビブリボンだ。吉田氏は,その高いクリエイティビティについて「当時からインディーズのようなスピリットを体現していた」と絶賛。欧米ではなかなか理解されなかったものの,リリースを実現するために色々と骨を折った……と当時のエピソードを明かした。
そして話題は,もの作りの上でどういった作品を作るべきかという制作論に移った。松浦氏は,作品というものには,フロー性(時代と共に流動するもの)と,ストック性(時代に関係なく評価されるもの)という2つの側面があるが,現在の作品はフロー性が高いのではないか,と指摘。クリエイターとしては「自分の作品が20年後も残っているものだろうか」と考えながら作ってほしいと語る。
時代と共に流動するフロー性の作品と,時を越えて愛されるストック性の作品。両者の違いとは何だろうかという吉田氏の問いに,松浦氏は,作り手の意識の違いであり,自分が大切にしているイメージやメッセージが作品に込められているか否かであると回答した。
この答えを聞いた吉田氏は,「ストック性の高い作品を作るクリエイターである,フロム・ソフトウェアの宮崎英高氏と一緒に仕事をさせていただいた」とカミングアウト。この場では詳細は明かされなかったものの,どういった仕事であるのか,今後の発表が楽しみだ。
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