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JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート
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印刷2016/03/07 19:03

イベント

JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート

 カヤックが運営するゲーム音楽交響楽団JAGMOは2016年3月5日および6日の両日,オーケストラコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」を東京都内で開催した。本稿では,全3回行われた公演のうち,3月5日昼公演の模様をレポートしよう。また記事の後半では,公演終了後に行ったJAGMO CEO 泉志谷忠和(みしや ただかず)氏へのインタビューを掲載している。

画像集 No.001のサムネイル画像 / JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート

 JAGMOのコンサートでは,さまざまなメーカーのゲームタイトルがピックアップされ,タイトルごとに数曲をメドレーにした演奏が行われる。今回披露されたのは,「クロノ・クロス」「クロノ・トリガー」「サクラ大戦」「MOTHER」「ロマンシング サ・ガ3」「キングダムハーツ」「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」,そして「FINAL FANTASY」 シリーズの楽曲だ。

指揮者の吉田 誠氏(写真中央)
画像集 No.002のサムネイル画像 / JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート

 このうち,今回初めて演奏が披露された「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」の楽曲は,以前の公演で実施した来場者アンケートの結果を踏まえ,選出されたもの。また,そのほかのタイトルも以前とは選曲が少々異なっている部分があり,前回公演を観たという人もアレンジや曲のつなぎ方の違いなどによって,新鮮な気持ちで楽しめるようになっていた。

コンサートマスターの枝並千花氏(写真中央)
画像集 No.003のサムネイル画像 / JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート

 コンサートのハイライトとなったのは,「ファイナルファンタジーXIII」のバトル曲「閃光」と「ファイナルファンタジーVIII」のボスバトル曲「Force Your Way」,「ファイナルファンタジーIX」のイベント曲「ハンターチャンス」と「ファイナルファンタジーVII」のバトル曲「J-E-N-O-V-A」をそれぞれメドレーにした演奏だ。いずれも異なる世界,異なる曲調の楽曲を組み合わせることで,「伝説の狂詩曲」と掲げられたコンサート名のとおり自由奔放さを表現しつつも,見事なアレンジでまとめ上げられており,まさにここでしか聴けない演奏が披露された。

 また,もう一つの新たな試みとして開演前および休憩時間中に,ロビーにて弦楽四重奏の室内楽演奏も行われたた。演奏されたのは,当初は本公演で披露する予定だったが,時間の都合でプログラムに入りきらなかったという,「MOTHER」「キングダムハーツ」「ファイナルファンタジー」の楽曲である。間近で演奏が見られるということもあってか,演奏中のロビーは多数の観客で埋め尽くされる状況となっていた。

開場前と休憩時間には,ロビーにて弦楽四重奏によるゲーム音楽の演奏が披露された
画像集 No.004のサムネイル画像 / JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート

●「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」プログラム

「クロノ・クロス」より
時の傷痕
死線

「クロノ・トリガー」より
クロノ・トリガー
風の憧憬
時の回廊
王国裁判
カエルのテーマ
魔王決戦
世界変革の時

「サクラ大戦」より
御旗のもとに
檄!帝国華撃団

「MOTHER」より
Eight Melodies
Pollyanna
Bein' Friends
Saturn Valley
摩天楼に抱かれて
SMILES and TEARS

「ロマンシング サ・ガ3」 より
オープニング
四魔貴族バトル
四魔貴族バトル2
玄城バトル

「キングダムハーツ」より
Dearly Beloved
Night of fate
The 13th Struggle
Vector to the Heavens

「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」より
Legend of MANA 〜Title Theme〜
ホームタウンドミナ
滅びし煌めきの都市
彩りの大地
Pain the Universe

「FINAL FANTASY」 シリーズより
3月5日昼公演 曲目
閃光(FINAL FANTASY XIII)
Force Your Way(FINAL FANTASY VIII)
ハンターチャンス(FINAL FANTASY IX)
J-E-N-O-V-A(FINAL FANTASY VII)

3月5日夜公演 曲目
ハンターチャンス(FINAL FANTASY IX)
J-E-N-O-V-A(FINAL FANTASY VII)
ビッグブリッヂの死闘(FINAL FANTASY V)
ゴルベーザ四天王とのバトル(FINAL FANTASY IV)

3月6日昼公演 曲目
閃光(FINAL FANTASY XIII)
Force Your Way(FINAL FANTASY VIII)
ビッグブリッヂの死闘(FINAL FANTASY V)
ゴルベーザ四天王とのバトル(FINAL FANTASY IV)

共通曲目
ザナルカンドにて(FINAL FANTASY X)
ブリッツに賭けた男たち(FINAL FANTASY X)
雷平原(FINAL FANTASY X)
シーモアバトル(FINAL FANTASY X)
召喚獣バトル(FINAL FANTASY X)


●「ロビーコンサート」プログラム

幻のコンサート(パトロネージュ会員限定)

「FINAL FANTASY」 シリーズより
3月5日昼公演 曲目
素敵だね
Melodies of life

3月5日夜公演 曲目
Melodies of life
Eyes on me

3月6日昼公演 曲目
素敵だね
Eyes on me


開場後
「MOTHER」より
ウィンターズのテーマ
ツーソンのテーマ
オネットのテーマ
Humoresque of a little dog

「キングダムハーツ」より
Lazy afternoon
roxas
sora
working together

休憩中
「FINAL FANTASY」 シリーズより
3月5日昼公演 曲目
Eyes on me

3月5日夜公演 曲目
素敵だね

3月6日昼公演 曲目
Melodies of life



ゆくゆくは世界中に日本のゲーム音楽を届けたい。泉志谷CEOが語るJAGMOの展望とは


4Gamer:
 まずは,コンサートを終えた感想をお願いします。

泉志谷忠和氏(以下,泉志谷氏):
 今回は「伝説の狂詩曲」と銘打ち,たとえば「閃光」と「Force Your Way」,「ハンターチャンス」と「J-E-N-O-V-A」といったように,異質な曲をメドレーにして双方の長所を引き出すことを試みました。異質なもの同士を混ぜて混ぜてどこまで行けるだろうかと,かなり挑戦したプログラムだったんです。
 ですから,その挑戦がお客様にどう受け止められるか気になっていたのですが,非常に反響が大きく,おかげさまで何とかうまくいったかな,とホッとしているところです。

JAGMO CEO 泉志谷忠和氏
画像集 No.005のサムネイル画像 / JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート

4Gamer:
 異質な曲同士をメドレーにしようと考えたきっかけを教えてください。

泉志谷氏:
 最近の「ファイナルファンタジー」シリーズには,各タイトルの垣根を越えてオールスターが競演するような内容のものもありますよね。そういったパラレルワールドを,コンサートで表現できないかと考えたんです。
 またお客様に自分の好きな曲が演奏される日程を選んでいただけるんじゃないかと,それらの曲目を公演ごとに変えてみたりもしました。

4Gamer:
 挑戦と言えば,今回は開演前と休憩時間にロビーで弦楽四重奏のミニコンサートを行いましたよね。あれもJAGMOの公演では初の試みとのことですが。

泉志谷氏:
 JAGMOはゲーム音楽における世界一の交響楽団を目指していますので,休憩時間にも普通のオーケストラコンサートとは違う何かできないかと,ずっと考えていたんです。またお客様にヒアリングしたところ,コンサート全体でゲームの世界を感じたいという意見を多数いただきました。
 そこで待ち時間にもゲーム音楽を聴けるようにと,実験的にロビーでミニコンサートをやってみたんです。そうしたら,大反響でビックリしました。

4Gamer:
 お客さんが演奏者の周囲にビッシリと集まっていましたね。撮影するのも一苦労でした。

泉志谷氏:
 僕達も,あそこまでお客様に詰めかけていただけるとは予想していませんでした。
 ああいった少人数の室内楽演奏だと,オーケストラと違ってバイオリン,ヴィオラ,チェロと各々の楽器の音を楽しめますから,今後のコンサートでも続けていきたいですね。それに演奏家達も喜ぶんです。

4Gamer:
 ゲーム音楽のオーケストラコンサートと言えば,スクウェア・エニックスやカプコンなどゲームメーカーが開催するケースも多いですよね。そういったメーカー開催のコンサートとの差別化は意識していますか。

泉志谷氏:
 特別に意識していることはないですね。僕自身,ゲーム音楽が大好きなので,メーカーさん開催のコンサートに足を運びますから(笑)。
 僕は「こんなコンサートがあったら夢みたいだな」と考えながらJAGMOのコンサートを作っているんです。実はこの仕事を始めるきっかけが,中学生の頃に「ファイナルファンタジー」シリーズのコンサート「TOUR de JAPON」を観てすごく感動し,「自分でこれを超えるコンサートを作ろう」と思ったことだったんですよ。そのときの「ゲーム音楽が大好きだ!」という思いのまま,今も「こんなプログラムだったら,こんなコンサートがあったら最高や!」と考え続けてJAGMOを運営しています。

4Gamer:
 となると,プログラムの選曲は泉志谷さんのお好きなものが中心になるのでしょうか。

泉志谷氏:
 JAGMOは,僕と同じゲーム好きの20〜30代の男性をターゲットに設定しています。ですから,必然的に僕自身がよく遊んでいたタイトルの曲をピックアップすることが多くなるかもしれません。
 基本的には,ゲーム好きのスタッフを集めた会議でどんな曲を聴きたいか候補を挙げていったり,お客様アンケートを参考にしたり,音楽的な流れを意識したりしながらプログラムを決めていきます。
 たとえば今回,「聖剣伝説 LEGEND OF MANA」の曲を演奏しましたが,あれはアンケートの結果を受けた選曲です。

4Gamer:
 今回のプログラムでは「ファイナルファンタジー」シリーズの曲が多いですけれども,やはり人気が高いからでしょうか。

泉志谷氏:
 人気ももちろんですが,素晴らしい曲が多いからですね。
 また今回は「ファイナルファンタジーX」をフィーチャーしていますが,これは前回公演でバトル曲の「Other World」を演奏したときにオーケストラの響きがすごく良かったので,もっとほかの側面を見てみたくなったからなんです。たとえば「ブリッツに賭けた男たち」とか「雷平原」とか。

4Gamer:
 「雷平原」では,特殊な楽器(サンダーシート)を使って,雷の音を再現していましたけれども。

写真左上に見える,薄い金属板を枠に吊した楽器がサンダーシート。手で振動を与えたり,叩いたりして雷のような音を鳴らす
画像集 No.008のサムネイル画像 / JAGMOのコンサート「伝説の狂詩曲 - The Legendary Rhapsody -」が開催。新たな試みのアレンジも披露された公演をレポート

泉志谷氏:
 あれは,よりゲームの世界を再現しようという試みです。ほかにも「ザナルカンドにて」から「ブリッツに賭けた男たち」への導入箇所では,カモメの鳴き声や波の音を再現しましたが,そのためにどんな楽器を使うか,どのタイミングで入れるかといったことは,アレンジャーと綿密に話あって決めていきました。

4Gamer:
 それではJAGMOの今後の展開について教えてください。

泉志谷氏:
 JAGMOは東京を中心に活動しているのですが,2015年にはフランスで公演を行い,5000人以上のお客様に来ていただきました。今後は「JAGMO WORLD PROJECT」を掲げ,ゆくゆくは世界の全大陸でゲーム音楽のコンサートを開催して回りたいと考えています。ゲーム音楽における世界一の交響楽団として,全世界に日本のゲーム音楽を届けようと。

4Gamer:
 今後の活躍に期待しています。それでは最後に,JAGMOに注目している人やゲーム音楽ファンに向けてメッセージをいただけますか。

泉志谷氏:
 JAGMOは,クラシック音楽のプロフェッショナル集団,かつゲームもゲーム音楽も愛する人達が集まった唯一無二の楽団です。世界一のゲーム音楽交響楽団がここにあります。ぜひ一度,コンサートに足を運んでいただければ幸いです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

JAGMO公式サイト

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