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オーストリアのゲームパブリッシャを招いた会見が開催。オーストリアのゲーム産業事情に関するプレゼンテーションも行われた会場の模様をレポート
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この催しは,オーストリア企業の日本市場開拓と,日本のゲーム企業によるオーストリアを拠点とした海外市場参入の促進を目的としたもの。なお,オーストリア企業による日本のゲーム業界の視察は,今回が初めての事例とのことだ。
本稿では,オーストリアのゲームパブリッシャ2社によるプレゼンテーションを中心に,会場の模様をレポートしよう。
![]() 司会進行を務めたのは,メディアコンテンツ研究家の黒川文雄氏 |
![]() レッドブル・ジャパンの長田氏は,同社がオーストリアに本社を持つ企業であることを説明し,オーストリアのゲーム企業の日本進出をサポートしたいと語った |
会場では,最初にオーストリアのゲーム産業についての説明が行われた。それによると,現在,首都ウィーンではベンチャー企業のスタートアップが非常に盛んであり,ゲーム関連企業も例外ではないという。
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なぜウィーンがそのような状況になっているのかという大きな理由の1つは,オーストリアが政治的にも経済的にも安定しているからだ。また欧州の中心に位置しており,昔から他国との交流が頻繁に行われてきたため,古来から他国の音楽や美術といった文化に対する理解・関心が高く,その流れを受けて現在では,ゲームに関するノウハウが蓄積されているというわけである。
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またウィーンには,ゲーム産業をサポートする協会や,資金提供プログラム,イベントなども充実しているという。とくにイベント「GAME CITY」にて開催されるゲーム開発者の国際的協議会「F.R.O.G.」は,GDC(Game Developers Conference)とは異なるトピックを取り上げるといった独自色を打ち出しているようだ。
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今回プレゼンを行ったMi'pu'mi Gamesは,Rockstar Gamesに在籍していたメンバーを中心として,2009年に設立されたパブリッシャ/デベロッパだ。“会社が大きくなくても面白いゲームは作れる”という信念のもと少数精鋭でゲーム開発を行っており,現在のスタッフ数は25名とのこと。
これまでに開発したタイトルは13本で,ジャンルやプラットフォームは多岐に及んでいる。会場では,代表作として「Hitman Trilogy HD」(PS3 / Xbox 360)や,同社初のオリジナルIP「Cute Kingdom」(iOS / Android),そしてBlue ByteおよびUbisoftと共同開発した都市建設ゲーム「ANNO: Build an Empire」(iOS)などが紹介された。
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Sproingは,2001年に設立されたパブリッシャ/デベロッパで,ウィーンのインディーズスタジオとしては古参の部類に入るという。設立から約10年間はコンシューマゲームに特化したデベロッパだったが,今はそれと並行して,スマートフォンをはじめとするマルチプラットフォームのF2Pゲームに焦点を当てており,オリジナルIPも展開している。開発には,同社独自のゲームエンジンが使用され,これまでにコンシューマゲーム,ブラウザゲーム,スマートフォン向けゲームなど55タイトル以上の開発に携わってきたとのことだ。
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繰り返しとなるが,オーストリア企業による日本のゲーム産業の視察は,今回が初の試みとなる。これをきっかけに,日本展開を目指すオーストリア企業と海外展開を目指す日本のゲーム企業が増加し,結果としてゲーマーにとって喜ばしい状況となることに期待したい。
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オーストリア大使館 公式サイト
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