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印刷2017/12/14 12:36

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生々しいワードも飛び出したスマホゲームの“マネタイズ最新事例”とは。Unity主催「課金ノウハウとアプリ市場を基礎から学び直すセミナー」を取材

 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは2017年11月22日,「Unity道場 課金ノウハウとアプリ市場を基礎から学び直すセミナー」を東京都内で開催した。このセミナーでは,ゲームのマネタイズにおけるノウハウの提供や課題解決を目的とした講演が行われた。この講演では3名の識者が登壇し,具体的な事例を交えながら内容をかなり掘り下げた発表が行われていた。本稿ではその模様をレポートする。



国内と海外のスマートフォンゲームの課金構造や思想の違い


岩崎啓眞氏
 最初に登壇したのは,「ロードモバイル(Lords Mobile)」や「キャッスルクラッシュ(Castle Clash)」のIGGを親会社とするG-BOXでLead Game Designerを務めている岩崎啓眞氏

 冒頭で岩崎氏は,若い友人との飲み会でのエピソードを語った。その友人によれば,昨今のスマートフォン向けゲームは開発費が高騰しており,「今や予算は5億円にのぼり,その内訳は製作費が3億円,1〜2億円がマーケティング費用で,しかも向こう3か月分のコンテンツを用意しておかなくてはいけない」のだという。そして,3か月間でリクープ(費用回収)の見込みが立たなければ即撤退……つまり,サービスが終了してしまうのだ。

 そこで,「なぜ国内型のスマホゲームのARPUは高く,そして海外で通用しないのか」というテーマで,国内と海外の課金構造,運営思想の違いなどを解説してくれた。※ARPU(Average Revenue Per User)とは1人あたりの平均売上額を指す。

 はじめに,日本のゲームとガチャサイクルの成り立ちについて岩崎氏は,過去4Gamerにて掲載されたガチャに関するセミナー記事を引き合いに出し,「ガチャサイクルは日本のモバイルゲームのゲーム構造を決定づける言葉」とコメント。

■参考記事

 現在のガチャサイクルを確立させたのは,2010年9月にリリースされたコナミデジタルエンタテインメントの「ドラゴンコレクション」とのことだ。同作はプラットフォーム「GREE」で配信されたソーシャルゲームとして,“ドラコレ”の愛称で一世を風靡した。さて,その具体的なガチャサイクルは,下記のスライドのとおりだ。

右側の三角形(黄色)は「ドラコレ」が確立させたガチャサイクル。ガチャを引く→合成→キャラクター強化→またガチャを引く……というサイクルとなっている。十分にキャラクターを強化したら,左側の通常のゲームサイクルに移ってバトル→報酬を得ていくといった具合だ。当時は売り上げ強化月間のイベントをガチャと組み合わせて,月2〜4回実施することで驚異的な売り上げを叩き出したという
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 当時「ドラコレ」が人気を博していた一方で,岩崎氏はニュージーランドにて海外ゲームの開発・運営に携わっていた。何より岩崎氏が驚いたのは,当時の海外ゲームの課金率は月間3-4%で,ARPPU(Average Revenue Per Paid User。課金ユーザー1人あたりの平均収益)に至っては月間2ドルほどだったとのこと。日本のARPPUが数千円であることを考えると,いかに日本と海外でマネタイズに大きな違いがあるのが分かる。

 そこで岩崎氏は,海外ゲームタイトルにガチャを導入することを試みるが,これが上手くいかなかったという。原因は,海外における通信事情に関わってくる。そもそも海外は通信速度が遅いため,リッチなゲームが安定的に遊べないほか,パケットコストにも影響し,過度なデータダウンロードは控える必要があるとのこと。

 日本ではゲーム開始時にダウンロードが始まり,残りをチュートリアル後に行うという“都度ダウンロード”する方式が多くのタイトルに採用されているが,岩崎氏いわく「海外では基本的にやらないほうがいい」と述べた。

 たとえば,中国のプレイヤーは朝にWi-Fiでゲームをダウンロードして,電車のなかで遊ぶことが多い。そのため遊んでいる途中に再びダウンロードが始まってしまうと,実質的にゲームを止める必要があり,現地のプレイヤーからもネガティブな印象を与えてしまうとのことだ。

このほか深刻なのは,スマートフォン機種のバラつきだ。とくにAndroid端末が顕著で,2012〜2014年の機種を所有する層がなんと40%も存在する。当然,この40%の層もゲームを遊んでいるため,古い端末でもゲームを動作させる必要があるという
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 このように,日本と比較して通信事情が乏しいため,大量のデータをサーバーからダウンロードするガチャサイクルは,海外市場では成り立たなかったようだ。とはいえ,当時の海外ゲームタイトルは驚異的なDAU(Daily Active Users。1日あたりのアクティブユーザー数)とダウンロード数を誇っており,ガチャサイクルを採用せずとも売り上げは安定していたという。

 余談として,岩崎氏が海外で学んだ独自のKPI「DAU-RETENTION」について教えてくれた。言葉の意味は“1日あたりのアクティブユーザー数の継続率”だ。

 日本では継続率を翌日,3日,14日,28日という設定で推測することが多い。DAU-RETENTIONの場合は,昨日のDAUが100人だとして,今日のDAUが95人になったとすると,DAU-RETENTION 95%と表現するという。要するに,文字どおりDAUがどのくらいの速度で減少するのかを測定する数字となり,極端な話,毎日5%分のプレイヤーを補充すればDAUが減らないことになる。こうした独自のKPIであるDAU-RETENTIONは,「広告投入の目安にもなる」と岩崎氏は説く。

 続いては,日本の売り上げ構成比が変化した問題について。2014年,岩崎氏が日本のソーシャルゲーム会社に在籍していたころ,ガチャの売り上げが70%を占めると不健全であると業界内で言われていたと明かした。しかし,2016年になるとイベント時でガチャの売り上げが70〜80%を占めることが普通になり,ガチャ依存が深刻化したのだ。

 では,なぜガチャの売り上げ比が上がってしまったのか。

 話はブラウザソーシャルゲームの全盛期までにさかのぼる。当時のソーシャルゲームは,スタミナを消費してポチポチとボタンを押してクエストを進めるゲーム進行をはじめ,レイドバトルなどが採用されており,コンテンツ消化が早いのが特徴だった。岩崎氏も「あっという間にスタミナがなくなる。1分で数百円から数千円も消費してしまう」と言葉を添えた。

 その後にネイティブシフトが起こり,リッチなスマートフォン向けゲームが増加し,ポチポチとボタンを押していくシンプルなものから,コマンドバトルRPGやアクション性に富んだタイトルなど,ゲームサイクル部分が長く充実してきた。こうした背景によりスタミナ課金が減少した一方で,ガチャの比率が上昇したという。

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 岩崎氏は,売り上げを維持するコスト面についても解説。

 たとえば,月に2回のイベントを実行すると仮定して,30名程度の開発・運営チームがいたとする。これだけで人件費は3000〜4000万円にも及ぶ。さらにAppleやGoogleなどのプラットフォームが決済手数料として30%持っていくと,3000÷0.7=4300万円の売り上げくらいでようやくトントンになる。

 しかし,一年間で開発費の回収を想定すると,5(億)÷12(か月)≒4000万円が追加され,4200万円+3000万円=7200万円……つまり,開発規模によっても異なるが,実質売り上げは月商1億円くらいが求められるとのことだ。

 ちなみに,海外の開発・運営規模について岩崎氏は,「運営が極めて軽いので,チームは小規模。開発陣含めても10名以下のチームがほとんど」と語った。また,海外は運営コストが低い分,仮にヒットに至らなかった場合は,完全広告型に移行するという。「サーバーのコストが低いため,完全広告型に切り替えても収益が見込める。なお,MMOなどは停止する」と岩崎氏。

 さて,前述したように,海外の課金の問題点は,課金率とARPUの低さを受けて,日本のガチャサイクルに頼った背景がある。だが,現在は海外課金も大幅に改善され,独自の進化を遂げているという。岩崎氏によると,大きく分けて3つの改善点が見られたとのこと。

  • ガチャのメリットをゲームに導入
  • サブサイクルとしてのガチャの導入の成功
  • 時短/コンティニュー課金の改善

 さらに岩崎氏は,自身が提唱する“海外型ガチャ許容ゲームサイクル”についても解説した。

海外型ガチャ許容ゲームサイクルでは,通常のステージの報酬でキャラクターをドロップさせることで,それらが合成に利用されて,キャラクター強化につながる。このように,主要育成リソースを得るために,ゲームサイクルが回っていくという流れだ
生々しいワードも飛び出したスマホゲームの“マネタイズ最新事例”とは。Unity主催「課金ノウハウとアプリ市場を基礎から学び直すセミナー」を取材

 上記のゲームサイクルでは,報酬でキャラクターが多くドロップするため,相対的にガチャの価値は下がってしまうが,そこは値段を下げたり,アイテムを詰め合わして販売したりと,独自のマネタイズ施策で補っているという。

 何より通常のステージ報酬でキャラクターがドロップすることで,スタミナ課金が機能するのも特徴的だ。中国・韓国などのゲームに至っては,素早くクエストをクリアして報酬を得るために,倍速機能やオート機能も備えている。なかには,★3(完全クリア)を達成したステージでは,スキップ機能が開放され,ボタンを押した瞬間に報酬がもらえる機能も存在する。これならスタミナ課金がマネタイズとして機能するのも,うなずける。

このほか,課金する度に値段が上がる“サンクコスト課金”(岩崎氏が名付けた造語)も存在。時短/コンティニューで収益を出す決定的な一打となった
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スライドは「ホームスケイプ」アズールレーン」と日本のとあるゲームの売り上げランキングの推移グラフだ。海外ゲームの2タイトルは,安定した推移を見せている一方で,日本のゲームはイベント施策をきっかけに大きく乱高下する傾向がみられる
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 以上のように,海外の課金事情は大幅に改善され,安定した売り上げを実現した。同時に海外で考えられた課金手法は,若干の調整を加えるだけで日本においても適応することが可能だという。

 最後に岩崎氏は「そろそろコストがかかり,レッドオーシャン化の厳しいガチャサイクル形式を修正し,海外型の改良ガチャサイクルにしませんか? この形なら海外進出もできますよ」とアドバイスを送り,講演を締めくくった。


無料+広告+アプリ内課金モデルを深掘り


鎌田泰行氏
 続いては,「スマートフォンゲームでお金を稼ぐときにやっておくべき いくつかのこと」と題した,スマートフォンゲームにおけるマネタイズの事例について講演が行われた。登壇したのはユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの鎌田泰行氏。同氏は,ゲーム開発ツールUnityの勉強会やイベントを積極的に主催・登壇もしており,開発者コミュニティ「日本Androidの会Unity部」の部長も務めるフィールドエンジニアだ。

 まず,スマートフォン向けゲームにおけるマネタイズには4つタイプがあると鎌田氏は言う。挙げられた4つのタイプは次のとおり。

  • 売り切りモデル
  • 無料+広告モデル
  • 無料+アプリ内課金モデル
  • 無料+広告+アプリ内課金モデル

 ひとつめの“売り切りモデル”は有料で販売されているゲームのことを指す。これは分かりやすいだろう。次の“無料+広告モデル”は,ゲーム内に表示される広告バナーなどで収益を得るゲームのことだ。そして,スマートフォン向けゲームで採用されている最も主流のマネタイズ方式が“無料+アプリ内課金モデル”と言われるもので,ユーザーが有償アイテムを購入してガチャを回したり,キャラクターを強化したりできるようになっている。

 今回の講演では,3つめと4つめのタイプが融合した新しいマネタイズ方式である“無料+広告+アプリ内課金モデル”に焦点を合わせ,海外の成功事例を交えつつ,スマートフォンゲームでお金を稼ぐ術が語られた。

 鎌田氏によれば,マネタイズで押さえるべきポイントは課金アイテム,価格,プロモーション,そして,広告の入れどころだという。

 課金アイテムではラインナップの充実が大きな訴求となる。なぜなら,ゲームに不慣れな新参プレイヤーとコアな既存プレイヤーでは遊び方が大きく異なるからだ。効率よく育成したい人もいれば,目当ての強力なキャラクターを獲得したいとガチャに挑戦する人もいるだろう。このような多様なニーズに応えるためには,課金アイテムに幅広いラインナップが必要とされるのだ。

ゲーム内で複数の通貨を使うことの重要性も詳しく説明された。ご存じのとおり,有償アイテムは効果が大きい反面,プレイ中はなかなか獲得できない。無償アイテムはその逆の性質を持つ。アイテムの消費具合でプレイヤーの傾向を分析できるため,報酬設計やマネタイズの改善にもつながる
生々しいワードも飛び出したスマホゲームの“マネタイズ最新事例”とは。Unity主催「課金ノウハウとアプリ市場を基礎から学び直すセミナー」を取材
「定期的なアップデートと新しいアイテムの販促をすべし」。たとえば新しいキャラクターがいると,開催中のイベントを有利に進めることができるというパターン。アップデートと販売促進を連動させた施策が重要だ
生々しいワードも飛び出したスマホゲームの“マネタイズ最新事例”とは。Unity主催「課金ノウハウとアプリ市場を基礎から学び直すセミナー」を取材

 誰もが気になる価格は,「少なくとも6種のメニューを用意すべき」なのだという。これも課金アイテムと同様の考え方で,ユーザーそれぞれのお財布事情に沿った金額を選択できるようにすることが目的だ。

 また,ビギナー向けのお得なパッケージアイテムを用意することで,「初めての課金という大きなハードルをクリアできる」のだという。課金へのハードルを下げ,その後の継続にも効果的な施策として注目されていると鎌田氏。確かに,ゲームを始めたばかりの人だけが購入できる特別なセットを目にする機会が増えているように感じる。

パッケージアイテムを応用すれば,課金アイテムの抱き合わせ販売も可能だ。組み合わせを少し変えるだけで,豊富なラインナップを数か月間運用することができる
生々しいワードも飛び出したスマホゲームの“マネタイズ最新事例”とは。Unity主催「課金ノウハウとアプリ市場を基礎から学び直すセミナー」を取材

 鎌田氏はプロモーションについて,重要なリスク要因は「値下げセール」なのだという。なぜセールは危険なのか。それは,値下げセールを頻繁に繰り返した場合を考えてみれば分かるだろう。ユーザーは普段からセール価格でアイテムを購入するようになり,定価で販売しても「次のセールまで待とう」と買い控えてしまうのだ。理解してしまえば,実にシンプルな失敗だ。このような状況を避けるには,「セールはできるだけ不定期に。予想外のタイミングでセールを開催すると効果的」と,鎌田氏は来場者へアドバイスを送っていた。

生々しいワードも飛び出したスマホゲームの“マネタイズ最新事例”とは。Unity主催「課金ノウハウとアプリ市場を基礎から学び直すセミナー」を取材

 新たなマネタイズとして重宝されているゲーム内広告だが,突然ポップアップしてくる広告に良い印象をもっていない人は多い。そこで,鎌田氏は「ユーザーにとって,広告がポジティブな機会であることを知ってもらうのが重要だ」と述べた。

 広告をポジティブなものにするには,広告の閲覧によってアイテムがもらえたり,スタミナが回復したりといった,ゲームがより遊びやすくなるようなリワード(報酬)を設定することが効果的だ。だが,鎌田氏は「広告は毎回表示させてはいけない」と強調する。リワードがあるとはいえ,何度も表示されれば誰でも広告を面倒に感じるようになってしまうからだ。「ときどき出会う“ラッキー”な体験を作ることで,プレイヤーを飽きさせないようにマネタイズしましょう」と,鎌田氏は広告マネタイズのコツを語った。

 しかしながら,その一方で広告マネタイズが逆効果となる場合もあるようだ。とくにLTV(Life Time Value。顧客生涯価値)の高いプレイヤーとの相性が悪く,リワードに関わらずネガティブに感じる人が多いのだという。鎌田氏はこのような層を“プラチナユーザー”と呼び,今後の収益のために最優先すべき存在だと考えている。したがって,プラチナユーザーが増えているようならば,あえて「広告を消す」というメニューを用意し,広告マネタイズ以外の長期的な戦略に切り替えることも考慮すべきだというのだ。この判断のタイミングについて鎌田氏は,「概ねゲームを開始してから3日〜7日後のLTVを見て判断するのがいいかもしれません」と話した。

スマートフォンゲームでお金を稼ぐときに押さえておくべき4つのまとめ。大型タイトルの開発・運営はもちろん,個人でゲームの開発・運営に勤しむ人にも参考となる金言ばかり
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休眠復帰が起こるのはどのようなタイミング?


岡田雄伸氏
 最後の講演は,フラー 事業戦略室 室長の岡田雄伸氏が登壇した。テーマは「成功タイトルから見た休眠復帰の施策事例と効果の徹底分析」だ。
 2011年11月に設立されたフラーは,アプリ市場・競合分析ツール「App Ape」を開発・運用している企業だ。App Apeでは,日本と韓国のアプリストア情報と共に,ユーザー属性情報,期間別利用者数,売上規模などのゲーム運営に欠かせない情報を提供している。いわば,アプリ版“視聴率調査サービス”といっても差し支えないだろう。

こちらはApp Apeで調べた「アズールレーン」の利用状況だ。利用者属性をはじめ,DAUなどさまざまなデータを閲覧できる
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 今回の講演では,App Apeで知ることのできるデータをもとに,ゲームからしばらく離れてしまった休眠ユーザーを復帰させるための施策が紹介された。ただし,App Apeが示すデータは独自の推測値も含まれる点に留意してほしい。

 競争が激化の一途をたどるスマートフォンアプリ市場だが,岡田氏はその状況をApp Apeのデータで見せてくれた。

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 スライド左のグラフは,Google Playで配信されているタイトル数の推移を示しているのだが,2014年と2016年を比較すると130%増という驚異的な増え方になっている。一方,右のグラフは所持しているアプリと利用しているアプリの数を表したものだ。所持しているアプリ,利用しているアプリ,どちらも21%の増加に留まっていることが分かるだろう。

 この2つのグラフから,岡田氏は「アプリは毎日激増しているにも関わらず,実際に利用されるアプリは2年間でわずか5つしか増えていない。つまり,競合アプリを押しのけて,“利用されるアプリ”というポジションを勝ち取らなくてはいけないのです」と,市場の厳しさを解説した。

 次は,普段利用するアプリの数をカテゴリー別に調査した結果だ。

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 スライドの左側はゲームをよく遊ぶ人を対象とした場合の調査結果で,右側はスマートフォンユーザー全体の平均値を示している。

 利用しているゲームアプリについては,スマートフォンユーザー全体の平均は2.63個であるのに対し,普段からゲームをよく遊ぶユーザーはひとり平均3.85個のタイトルを遊ぶのだという。やはりゲーム好きはゲームアプリも積極的に利用しているようだ。

ゲームプレイヤーの併用率推移も公開。赤の2016年1月調査が4.50個に対して,緑の2017年10月調査では3.86個に減少している。併用アプリ個数の減少傾向は,市場の激化を裏付けるひとつの証拠にもなるだろう
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 さて,ここまではユーザーの特徴を分析してきたが,今最も人気を集めているタイトルは何なのかというのも気になるところ。下のスライドは,App Appの調査による2017年1月〜10月までのMAU(Monthly Active Users。月間アクティブユーザー数)のランキングだ。

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ユーザー数が多いのは「LINE:ディズニーツムツム」「モンスターストライク」「Pokémon GO」などのお馴染みのアプリ。直近では「ガーデンスケイプ」シリーズがランクインしており,上位はパズルゲームなど比較的カジュアルなゲームが多い
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セールスランキングはやはり「モンスターストライク」「Fate/Grand Order」「パズル&ドラゴンズ」の存在感が大きい。「リネージュ2 レボリューション」や「アズールレーン」もランクインしているが,新作は少ないようだ
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 運営が長期にわたれば,ユーザーの“飽き”は避けられない。それにも関わらず,DAUもセールスもランキング上位に位置するタイトルは運営1年以上のものがほとんどだ。では,どうすればヒットを継続できるのか。岡田氏は誰もが知るヒットアプリ「モンスターストライク」を例に挙げ,人気の秘密をApp Apeで多角的に解説してくれた。

2017年10月時点のクラスタ別ユーザー数。休眠ユーザーが非常に少なく,ライトユーザーが多いという特徴が見て取れる。岡田氏によれば,10月に4周年イベントが開催され,それまで休眠状態にあったユーザーが一挙に復帰してきた結果だという
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 「モンスターストライク」のケースでは,7月に「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」とのコラボが開催されており,これが大きく寄与したものと考えられる。10月は前述のとおり,やはり4周年記念をきっかけに久しぶりにアプリを起動した人が多かったのだろう。

「白猫プロジェクト」も7月に「3周年大感謝祭」を開催し,多くの休眠ユーザーが復帰した。周年イベントとコラボ施策は休眠復帰に大きな効果をもたらすようだ
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 これまで休眠ユーザーの復帰は非常に困難だと考えられてきた。しかし,かつてゲームをプレイしてくれていた休眠ユーザーは大きなポテンシャルを秘めており,きっかけがあれば,再び熱心にプレイしてくれるかもしれないのだ。

 そして,App Apeのようなツールでしっかり分析を行えば,より効果的な復帰施策を見つけることもできる。岡田氏は講演の最後に,「休眠ユーザーの復帰する各社のイベントを調査し,インスパイアを受けて,効率的な休眠復帰施策を計画しましょう」と,セミナーの参加者へエールを送り,講演を締めくくった。


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