業界動向
任天堂,第3四半期決算を発表。売り上げは低下するものの営業利益ベースで黒字化を達成
年末商戦を得意とする任天堂だが,このところ第3四半期の売り上げは減少が続いており,今回も売上高は近年で最低だった昨年同期比でも低下しているのだが,売上原価が下がったことにより,営業利益は大きく増加している。本年度第2四半期で営業利益の四半期黒字は達成していたものの,第1四半期からの赤字分も含めての黒字化となった。
内訳を見ると,Newニンテンドー3DSの投入によって国内の3DS販売台数が伸びたものの,海外売り上げは振るわず,昨年比で売り上げ台数を減らしている。一方,Wii Uは国内売り上げは振るわなかったものの,海外では売り上げを伸ばし,全体で昨年同期比で25%以上の伸びとなっている。
「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS」や「ポケットモンスター オメガルビー/アルファサファイア」などが大ヒットを記録したものの,3DSのソフトウェア売り上げは昨年より落ち込んでいる。一方で,「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」などのヒットでWii Uのソフトウェア売り上げは大きく伸びている。
Wii Uの原価率低下と原価の低いソフトウェア売り上げが増えたことにより営業利益が黒字に転じたものと思われる。
また,円安効果によって発生した為替差益は510億円に上り,今四半期の純利益を押し上げている。
全体に,かなりコンサバに組まれていた当初予定に未達という状況ではあるが,目標とされていた通期での黒字化はほぼ達成されそうな見込みだ。為替の追い風もあって行われた業績予想の見直しでは,売上高と営業利益を下方修正したものの,純利益については上方修正となっている。
任天堂 株主・投資家向け情報ページ
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