Blizzardが，「Overwatch」のチートツール販売業者を提訴。懲罰的損害賠償を要求するなど，徹底抗戦の構え

　著作権に関する情報を扱うTorrentFreakによると，Blizzard Entertainmentは2016年7月1日，チーム対戦型FPS「Overwatch」の不正ツールを販売するドイツ企業のBosslandを，著作権侵害および不正競争防止法違反を理由として，カリフォルニア州連邦裁判所に提訴したとのこと。

　BosslandがOverwatch向けに販売していたチートツールは，オブジェクト越しに敵の位置や体力を確認できるというもの。ウィドウメイカーのアルティメットアビリティが常に稼働している状態になるといえば，それがいかに強力なツールであるかが分かるはず。
　こういった不正ツールが販売され，それを使用しているプレイヤーがいるという事実があるだけでも，健全に遊んでいるプレイヤーのモチベーションを下げてしまい，最悪ユーザー離れを起こしかねない。


　Blizzard側は，Bosslandが販売した不正ツールは，Overwatchから得られる何百何千万ドルという収益の損失につながると主張しており，金銭的損害賠償や差止命令のほか，懲罰的損害賠償も要求しているようだ。

　ただ，この主張がそのまま通るかどうかは分からない。というのも，BlizzardとBosslandの争いは今に始まったことではなく，以前「Heroes of the Storm」というタイトルでも同じようなやり取りが行われ，その時はBlizzardが敗訴し，裁判費用を支払う羽目になったからだ。このことについてBosslandは，Blizzardを煽るようなバナーと共に公式サイトで経緯を報告している。


　健全なゲーマーとしては，Blizzardに勝訴してもらいたい案件ではあるものの，Heroes of the Stormの例を見る限りでは，一筋縄では行かない様子。すでに，Overwatchの不正ツールは販売停止になっているものの，BlizzardとBosslandの争いはまだ続きそうだ。

本件に関する情報元（TorrentFreak）