バンダイナムコエンターテインメントが2015年7月1日に正式サービスを開始したFree-to-Playタイトル「
ライズ・オブ・インカーネイト」は,
「機動戦士ガンダムEXTREME VS.」(以下「ガンダムEXVS.」)シリーズのノウハウを生かして開発されたという,2対2の対戦アクションゲームだ。
一見しただけでは「ガンダムEXVS.」の“ガワ”を変えただけのようにも思えてしまう「ライズ・オブ・インカーネイト」だが,実際のところ,どのようなゲームになっているのか。本稿では,「ガンダムEXVS.」プレイヤーである筆者のプレイレポートをお届けしよう。
なお今回,バンダイナムコエンターテインメントより,本作のプレイアブルキャラクターを開放するコードを読者プレゼントとして提供してもらった。詳細は記事の最後で説明しているので,プレイレポートを読んで本作に興味を持った人はぜひ応募してほしい。
まずは簡単に概要を説明しておこう「ライズ・オブ・インカーネイト」は,神や悪魔の力を手に入れた異能者
「インカーネイト」達を操作し,2人組のチームで戦う協力型対戦アクションゲームだ。
現時点でのプレイアブルキャラクターは全部で13人だが,それぞれがハリウッド映画に登場するヒーローのような強烈な個性を持っており,それが本作における魅力の1つとなっている。
悪魔の力を手に入れた不良青年や,巨大な狼に変身するモリモリマッチョな特殊部隊員,巨大な雷神「ゼウス」を顕現させて戦う大統領など,“突き抜けた”キャラクター揃いだ
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記事の冒頭で触れたように,本作は「ガンダムEXVS.」シリーズのノウハウを生かして開発されたと謳われている。実際のところ,細かい名称の違いなどはあるものの,基本的なシステムは「ガンダムEXVS.」シリーズとほぼ同じだ。
ダッシュ(ブースト)の慣性を利用した回避や,各種キャンセルを用いたコンボといったテクニックもそのまま活用できるので,ある程度シリーズを遊んでいるプレイヤーならば,すぐにランクマッチへ挑めるだろう。
本作独自のシステムとしては,
「タッグコンボ」が挙げられる。これは一方のキャラクターが特定の技をヒットさせると,その敵が「コンボやられ」状態になり,同時に仲間キャラクターの攻撃が強力な「タッグコンボ技」になるというものだ。ともに同じ敵を狙っている必要があり,タッグコンボ技の射程も通常技よりは長いものの,制限はあるので,仲間と息を合わせる必要があるだろう。
また,多くのキャラクターは,変身や召喚などといった形で,一時的にパワーアップできたり,実質的に複数のキャラクターを使い分けられたりするのも,本作ならではの特徴だろう。「ガンダムEXVS.」シリーズにも,ゲージを溜めて格闘または射撃攻撃をパワーアップさせる「EXオーバードライブ」というシステムが用意されていたが,本作ではゲージを溜めることなく変身できるキャラクターもいて,より自由度が高まっている。
勝利条件は敵チームの「チームストック」を削りきることだ。プレイ開始時,チームストックの値は6で,倒れたキャラクターに設定されている「ストック」の値がそこから引かれていく。ストックが大きいキャラクターは基本的に高性能だが,倒されたときのダメージは大きい
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ジャンプや空中ダッシュ,ガードといったアクションは,画面下部にある「アクションゲージ」を消費する。ゲージは地上に着地すると瞬時に回復するので,うまく管理しながら戦おう
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ガードは画像のように宙に浮いて行うので,「地上でゲージを回復させつつガード」といったことはできない
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操作方法も基本的には「ガンダムEXVS.」と同じだが,一部には違いがある。「ガンダムEXVS.」では,「射撃」「格闘」「ブースト」(本作における「遠距離攻撃」「近距離攻撃」「ジャンプ」に当たる)という3ボタンの組み合わせで特殊技を発動していたが,本作では特殊技用のボタンが用意されており,それを押しながら遠距離攻撃または近距離攻撃のボタンを押すという操作方法になっている。またガードも,「ガンダムEXVS.」では方向キーを↓↑と素早く入力する必要があったが,本作では専用のボタンを押すだけでいい。
「ガンダムEXVS.」シリーズはもともとアーケードゲームとして出発しているので,少ないボタン数をカバーするような操作方法となっている。コンシューマゲーム機版でもそれが踏襲されていたが,本作ではそれがタイトル名とともに一新されているという印象だ。
PCゲームである本作は,当然ながらキーボードとマウスでの操作をサポートしているが,移動が[W][A][S][D],ジャンプが[Spece],ガードが[E],特殊技発動用が[Shift]と,左手で行うキーボード操作がかなり難しい。もちろんキーカスタマイズは可能だが,ゲームパッドを使った方が快適にプレイできるだろう。
今回は正式にサポートされていないアーケードスティックでのプレイも試してみたが,前述のように操作方法が変更となった影響で必要なボタンの数が増えているため,アーケードスティックに用意されているボタンでは足りず,快適に操作できるとは言いがたかった。
マウス+キーボード,ゲームパッドともにボタンの割り振りは自由に変えられるので,操作しやすい設定を追求しよう
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さて,ここまでの説明を読んで,あまり「ガンダムEXVS.」と変わらないのでは,という印象を受けた人もいるかもしれないが,もう少しだけ付き合ってほしい。ここからは,筆者が感じた本作独自の魅力を紹介していこう。
前述のように,本作のプレイアブルキャラクターは個性派ぞろいなのだが,それは外見や設定だけでなく,性能面でも同様。「似たようなキャラクター」がおらず,
全員がまったく異なるプレイフィールになっているのだ。
チュートリアルは非常に丁寧なつくり。操作方法に加えて,キャラクターごとの技の解説もあり,キャンセルを使ったコンボ攻撃などのテクニックまで学べるので「ガンダムEXVS.」シリーズを遊んでいないプレイヤーも入りやすい
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「ガンダムEXVS.」シリーズでは,ビームライフルを始めとするホーミング性能の高い単発射撃と,ある程度の機動力を持つバランス型のモビルスーツが多く,それらを使うのが“定石”となっている。しかし,本作においてそのようなタイプに位置づけられるのは,「メフィストフェレス」ぐらいのものだろう。
詳しくは後述のキャラクター紹介で確認してほしいが,メフィストフェレス以外のキャラクターはとことん射撃偏重だったり,3つの形態を使い分けたり,移動だけでアクションゲージを消費するぶん,格闘能力が格段に優れていたりと,非常に尖っており,似たようなキャラクターは存在しない。実際にプレイしてみると,その違いの大きさに驚くはずだ。
そんなキャラクターによるタッグ対戦なので,マッチングが決まるごとに毎回異なる対策が必要になる。そういった戦術を練る面白さが大きいのも,本作の特徴だ。
メフィストフェレス(人間名:ジェドリック・タイラー)
ストック:2
強力なホーミングの単発射撃技と,高性能な特殊格闘技を持つクセのなさが魅力。キャラ固有アクションで悪魔の姿に変身すると,全能力が一気に向上するので,ここぞというとき,一気にカタをつけられる。
アレス(人間名:テレンス・ブレイク)
ストック:3
シンプルな高速通常射撃と,幅のある特殊射撃のコンビネーションで,相手を近寄らせない戦いを得意とする。キャラ固有アクションでアレスを召喚し,連動して一緒に攻撃をすることも可能だ。
リリス(人間名:ミレイア・バレンティン)
ストック:1
身軽さとスキの少ない射撃を駆使しながら相手に接近し,近距離攻撃をヒットさせて戦う。キャラ固有アクションの投げ技は,ヒットさせると相手の体力を吸収したうえでリリスに変身できるので,積極的に相手の懐へ飛び込みたい。
グリムリーパー(人間名:ギャスパル・ワトー)
ストック:2
敵を毒状態にするショットガンタイプの特殊射撃や,発射後に軌道を変化させることも可能な,ゾンビを飛ばす遠距離攻撃など,いやらしい技を多く持つ。見た目によらず移動速度が速く,クセがないので,初心者にもオススメ
ブリュンヒルデ(人間名:エレンディラ・クイン)
ストック:2
常にバイクに乗っており,普通に移動するだけでブーストゲージを消費する。さらに,相手との角度によっては攻撃が真っすぐに飛ばず,バイクをうまく操って調整する必要があるなど,少々扱いづらいが,近距離攻撃の速さや,判定の強さはピカイチだ。
オーディン(人間名:ラインホルド・クルーガー)
ストック:3
コテコテの射撃偏重性能で,遠距離での制圧能力は本作中最強クラス。「ガンダムEXVS.」プレイヤー向けに例えるならば,3000コストになったヒルドルブのようなものだ。近距離に潜り込んだ敵を迎撃するための「アサルトモード」と遠距離戦闘能力を強化する「スイープモード」の2つを状況に応じて使い分ける必要があり,加えて動きが鈍重なので,上級者向けになるだろう。
ラー(人間名:リカルド・アバスカル)
ストック:3
性能の異なる3種類の形態(ファルコン,ラム,スカラベ)を切り替えながら戦う,特殊な性能を持ったキャラクター。リキャストタイムはそれぞれ違うので,スキが生まれないような切り替えが勝利へのカギだ。
フェンリル(人間名:ブラッド・バレル)
ストック2
放物線を描く矢を発射する人間形態と,格闘戦に特化したフェンリル形態の2つを持つ。フェンリル形態時,左右どちらかに移動しながら繰り出す近距離攻撃が広範囲かつ強力で,回り込もうとする相手をしっぽで一方的に弾き飛ばすことができる。
スレイヤー(人間名:フェルナンド・デュラン)
ストック:1
ワイヤーを使った特殊なジャンプと素早いダッシュ,そして,あらゆる攻撃のホーミングを無効化する特殊技「光学迷彩」などを駆使して敵に近付き,攻撃を浴びせるテクニカルキャラ。相手の行動を封印したり,変身を妨害したりと,敵チームの撹乱も得意とする。
ロキ(人間名:ザウル・ミリュコヴィッチ)
ストック:2
独自システム「カロリーゲージ」があり,戦闘中にジャンクフードを食べるとこのゲージが溜まって,性能が強化される,覚醒中は一部の攻撃にスーパーアーマーの効果が付加されるので,強引な攻めが可能だ。
カーリー(人間名:アーシャー・メータ)
ストック:2
アーシャーからカーリーが分離して敵の注意をそらし,射撃や格闘技を叩き込む戦術を得意とするキャラクター。自身の周囲に竜巻を起こし,近づいてきた相手を吹き飛ばすことも可能だ。
ゼウス(人間名:ゴードン・マシュー・サンダース)
ストック:3
範囲が広く,威力も高い格闘技を主力に戦う,生粋の前衛格闘キャラクター。対照的に射撃の威力は貧弱なうえ,射程も短いので,相手に接近する立ち回りが重要になる。
宇津田姫(人間名:氷室雪希)
ストック:2
6体の雪の精を使い分けるキャラクターで,2つの特殊技それぞれが4種類の派生を持っている。各派生技はすぐ弾切れになってしまうので,弾数を回復できるキャラクター固有アクションを駆使しつつ,攻撃を組み立てよう。そのほかにも,ボタン長押しで威力を上げられる近距離攻撃があるなど,ユニークな特性の技を多く持つのが特徴だ。
Free-to-Playタイトルということで,気になる課金要素も紹介しておこう。本作にスタミナ要素はなく,リアルマネーで購入するゲーム内通貨
「IP」を使って入手できるのは,2体め以降のプレイアブルキャラクターと,コスチュームやアクセサリー,チームの命名チケットといったアイテムだ。ただし,プレイアブルキャラクターはバトルを行ったり,実績を獲得したりすると手に入る
「LP」でも購入可能となっている。
ちなみに,ゲーム開始から2週間はすべてのキャラクターでプレイできるようになっており,その2週間が終了するときに使用キャラクターとして設定していたものが1体め(無料で入手)となる。それ以降も,無料でプレイできるキャラクターが毎週2体ずつローテーションで入れ替わっていくシステムになっているので,自分に合うキャラクターかどうか,じっくり確認したうえで購入できるはずだ。
このように,本作の課金まわりのシステムは「Pay-to-Win」にならないよう配慮されていて,かなり良心的だ。LPでのプレイアブルキャラクター購入についても,2体めが20万LP,3体めが30万LPといった感じで価格が上がってはいくが,筆者の場合,2週間程度プレイして100万LP以上を稼げたので,“持ちキャラ”分くらいはすぐに揃えられるだろう。
プレイアブルキャラクターのIP価格はアイテムより低く設定されている。さらに,IPで購入する最初のキャラクターは,通常価格の89%オフで購入可能だ
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キャラクターカスタマイズでは,キャラクターの能力に影響を与える
「スキルグリッド」という要素も存在する。これは最大4×4マスのグリッドに,バトルやショップで入手できる「スキルキューブ」をセットすることで,攻撃のホーミング性などをアップできるシステムだ。
現時点では効果が大きいスキルキューブが登場していないこともあって,さほど存在感のあるシステムではないが,今後どのように変化していくのかに注目だろう。
キャラクターごとにスキルグリッドを設定できないので,複数のキャラクターを使う場合は少々手間がかかる。このあたりは今後の改善を期待したい
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今回,「ガンダムEXVS.」プレイヤーとして本作を触ってみたが,非常にポジティブな印象を受け,今後がさらに楽しみになった。とくに,外見・能力ともに驚くほど尖ったキャラクター達は非常に魅力的だ。スタミナ要素が無いFree-to-Playタイトルなので,その気になればいくらでも練習を積め,うまくなれるのも嬉しいところ。少しでも気になったプレイヤーは,一度ゲームに触れてほしい。
ニンジャ好きな筆者はスレイヤーがお気に入り。彼に限らずやりこみに応えてくれる深みを持ったキャラクターが非常に多いので,1人のキャラクターを遊びつくす楽しみ方もアリだ
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「ライズ・オブ・インカーネイト」
プレイアブルキャラクターコードプレゼント
「ライズ・オブ・インカーネイト」のプレイアブルキャラクターを開放するコードを,13人のキャラクターそれぞれにつき10名の計130名に抽選でプレゼントする。
下の黄色いボタンから応募ページに飛び,必要事項や希望キャラクターを入力して応募してほしい。締め切りは8月5日23:59で,当選者には8月6日以降に順次コードが書かれたメールを送信する予定だ。
■キャラクターコードの使用方法
(1)「ライズ・オブ・インカーネイト」を起動する。
(2)画面上部のタブから「ショップ」を選択し,左側にあるメニューから「プロダクトコード」を選択。
(3)メールに書かれているコードを入力する。