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Pascalって結局なに? Founders Editionって何が違うの? 「GeForce GTX 1080」の疑問アレコレにNVIDIAが答えた
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印刷2016/05/19 12:00

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Pascalって結局なに? Founders Editionって何が違うの? 「GeForce GTX 1080」の疑問アレコレにNVIDIAが答えた

GeForce GTX 1080 Founders Edition
GeForce GTX 10
 2016年5月17日にアーキテクチャや機能の詳細とレビューが解禁となった,デスクトップPC向け新型GPU「GeForce GTX 1080」(以下,GTX 1080)。前評判に違わぬ高い性能と消費電力の低さで,大きな話題を呼んでいるようだ。
 そんなGTX 1080について,4Gamerでは,西川善司氏による解説記事を掲載済みではある。しかし依然として,NVIDIAによる説明がない「謎」が残っているのも確かだ。

 5月18日にNVIDIAは,東京都内にて記者説明会を行い,GTX 1080に関する詳細を説明した。内容のほとんどは,西川氏の記事で解説済みであるため割愛するが,説明や質疑応答を通じて,GTX 1080に残っていた疑問のいくつかに答えを得ることができたので,簡単にレポートしたいと思う。
 なお,機能詳細や性能検証は,本稿では取り上げないので,それぞれの記事を参照してほしい。

西川善司の3DGE:「GeForce GTX 1080」とはどんなGPUか。そのアーキテクチャをひもとく

「GeForce GTX 1080」レビュー。Pascal世代最初のGeForceは,GTX 980と同等の消費電力で,GTX 980 SLIと同等の性能を発揮する



GP100とGP104で異なるGPUコア構造を採用

「Pascal」アーキテクチャとは何なのか?


Tesla P100。NVIDIAロゴが付いているのが,GPUコアであるGP100だ
 NVIDIAが「Pascal」(パスカル)と呼ぶ新世代のGPUアーキテクチャを採用するGPUとしては,コンシューマ向けのGTX 1080(開発コードネーム GP104)と「GeForce GTX 1070」(以下,GTX 1070),そしてHigh Performance Computing(HPC)分野向けの「Tesla P100」(開発コードネーム GP100関連記事)という3製品が発表済みだ。

 ただ,GP104とGP100は同じPascalアーキテクチャを採用しつつも,その内部構造はほとんど別物になっている。GP104がGDDR5X/GDDR5メモリを採用する一方でGP100は積層メモリ技術「HBM2」を採用する点や,GP104だとCPUとの接続インタフェースがPCI Express 3.0なのに対してGP100は「NVLink」と称する独自インタフェースにも対応する点などといった,分かりやすい違いだけでない。GPU内部の演算ユニットである「Streaming Multiprocessor」(以下,SM)にも,大きな違いがあるのだ。

Nick Stam氏(Senior Director, Technical Marketing, NVIDIA)
 これほど異なる基本仕様でありながら,なぜ同じPascalという名称を使っているのだろうか。今回の説明を担当したNVIDIAでテクニカルマーケティング担当シニアディレクターを務めるNick Stam(ニック・スタム)氏は,こう答えている。
 「GP10xシリーズ全体のデザインゴールは,どちらも同じである。16nm FinFETという製造技術を使うことや,基本的なコアの技術,回路の最適化などには共通の要素がある。GP100では,(GP104にはない)NVLinkやHBM2を使用し,SMも64コアを2グループに分けているといった違いはあるが,それ以外ではアーキテクチャに似ている部分も多い」(Stam氏)。つまり,採用するプロセス技術や回路設計といった半導体の根幹部分が共通なので,同じアーキテクチャ世代に置いているということのようだ。


Founders Editionは何が特別なのか?


 GTX 1080のレビュー記事では,従来よりもリッチな設計というリファレンスカード「Founders Edition」を使用している。現時点で日本に入ってきている評価用カードは,すべてこれであるそうだ。ただ,具体的に何が通常版と違うのかについて,NVIDIAは説明していなかった。Stam氏は今回,そこにも言及している。

 それによると,Founders Editionは,レビュー記事でも指摘した「部材周りの最適化による低インピーダンス化と,それに伴うオーバークロック耐性の強化」以外にも,静音動作――テスト結果は必ずしもそうではなかったが――や,ポリゴンの三角形をちりばめたような外装もFounders Edition個有の要素で,「とてもクール」とStam氏は述べていた。

Founders Editionは,高品質部品の採用,静音性の高さ,オーバークロック向けの設計といった特徴を備えるという
GeForce GTX 10

放熱機構の基本構造は,第2世代Maxwellの「GeForce GTX 980」リファレンスカードなどとあまり違いはないようだ。空冷ファンの回転数は2200rpmで,騒音レベルは33dBとのこと
GeForce GTX 10

 どの部品が具体的にどう違うのかまでは説明されなかったのだが,氏は,今後,「非Founders EditionのNVIDIAリファレンスカード」が登場する可能性に言及していたので,それが出てくれば,「Founders Editionとは何か」は明確になるだろう。


既存のSLIブリッジでも650MHzで動作するものはある


 GTX 1080では,マルチGPUソリューション「SLI」に使用するSLIブリッジコネクタが,新しい「SLI HB Bridge」に変更された。デュアルリンク化により帯域幅を拡大したほか,動作クロックを従来の400MHzから650MHzへと高速化したのが特徴であるという。
 ただ,従来のSLIブリッジとの互換性もあるので,新しいSLI HB Bridgeがなくても,GTX 1080を2枚使った2-way SLI構成を構築することは可能だ。

新型のSLI HB Bridge(左)。ただし現在は,米国でも発売時期が明確になっていないとのこと。GTX 1080側のコネクタは,従来のSLIブリッジと互換性がある(右)
GeForce GTX 10 GeForce GTX 10

 そこで気になるのが,従来のSLIブリッジを使った場合の動作だ。質疑応答で,「従来のSLIブリッジを使った場合,650MHzで動作することは可能なのか,それとも400MHzに制限されるのか」という質問に対して,NVIDIAの矢戸知得氏は,面白い回答を示した。
 矢戸氏によると,ロゴマークが光るギミックを備えたNVIDIA製SLIブリッジ(関連記事)であれば,650MHzでの動作は可能であるそうだ。ただし,その場合も従来と同じシングルリンクでの動作になるため,SLI HB Bridgeを使った場合と比べれば,性能は落ちるという。

 Stam氏のプレゼンテーションでは,SLI HB Bridgeと従来のSLIブリッジを使った場合の比較グラフが示された。細かい説明はなかったが,グラフに「Mordor」と書かれていたので,おそらく「Middle-earth: Shadow of Mordor」を使い,4Kディスプレイ複数台を用意した環境で測定したもののようだ。
 グラフをザッと見ると,従来型SLIブリッジ使用時は,フレームによって描画時間が大きく変動しているのに対して,SLI HB Bridge使用時は,描画時間が若干短くなり,ブレも小さくなっているのが分かる。

SLI HB Bridge(図中の青線)と従来型SLIブリッジ(同じく黒線)による性能を違いを示したグラフ。SLI HB Bridgeを使うほうが,安定した性能を引き出せている
GeForce GTX 10

 実際のゲームで体感できるほどの違いがあるのかどうかは分からないが,GTX 1080でSLIを構成するなら,SLI HB Bridgeを使うほうが良さそうだ。
 NVIDIAによると,同社製のSLI HB Bridgeが,国内でいつ,どのように供給されるのかはまだ不明とのことだが,ASUSTeK ComputerやMSIも,SLI HB Bridgeの製造に取り組んでいるらしい。GTX 1080で2-way SLIを狙っている人は,SLI HB Bridgeがいつ登場するかにも注意を払っておこう。


Simultaneous Multi-ProjectionはVRWorksでサポート

Multi-Res Shadingは事実上終息か


 GTX 1080の新機能として挙げられているものに,「Simultaneous Multi-Projection」(以下,SMP)というものがある。詳細は西川氏の記事を参照してほしいが,簡単に言えば,3Dグラフィックスを描画するとき複数のビューポートで描画することで,マルチディスプレイ環境でも正しい形状で描画したり,仮想現実(以下,VR)対応型ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)のレンズ歪みを考慮して,映像中央と外周を異なる解像度で,しかも高速に描画したりできる機能だ。

SMPを利用すると,VR HMDのレンズ歪みを考慮して,映像の部分ごとに異なる解像度で描画できる。描画する必要のない部分を自動で除去する機能もあり,VR用ゲームの性能を稼ぐのに効果的だそうだ
GeForce GTX 10

 さて,このSMP。なかなか利点の多い機能なのだが,今のところGTX 1080とGTX 1070専用であるというところが,ゲームエンジン開発者にとっては悩ましいところである。

 SMPに関する細かい質問に答えてくれた,NVIDIAのアジアパシフィック地域担当テクニカル・マーケティング・ディレクターのJeff Yen(ジェフ・イェン)氏によると,現状では,NVIDIAのVR対応ライブラリである「VRWorks」が,SMPに関する機能を含んでいるという。一方で,SMPの機能をゲームエンジン内に取り込めるようにゲームエンジンのデベロッパに提供したり,DirectXのような業界標準APIに提供したりする可能性については「デベロッパと協力中」という答えだった。「PhysXのようなものだよ。まだ出てきたばかりだからね」(Yen氏)。

 今でこそ,PCゲームにおける物理シミュレーションライブラリとして標準的な地位にあるPhysXも,登場した直後から,ゲーム開発者に利点を理解されていたわけではない。SMPもそれと同じで,今後対応GPUが増えて利点の理解も進めば,SMPもPhysXのように幅広く利用されるのではないか,ということのようだ。

 なお,2015年頃にNVIDIAがアピールしていた,類似技術であるVRWorksの「Multi-Res Shading」は,事実上,終息となるようである。
 Stam氏とYen氏は,Multi-Res Shadingは設定可能なビューポートが6個までと少なく(※SMPは最大16個),VR HMDのレンズ歪みに合わせた機能もないなど,SMPに比べて機能面で及ばないものであると述べていた。NVIDIAとしては,機能面で物足りないMulti-Res Shadingを使うよりも,SMPに絞ってゲームエンジンを開発するほうが効果的という立場のようである。
 「VRWorksを利用して,PCが搭載するGPUに応じて,GP104ならSMPを,Maxwell世代ならMulti-Res Shadingを自動で使う,といった処理はできないか」とStam氏に聞いてみたが,VRWorksにそのような機能はなく,現状では,それぞれに対応するプログラムをゲームデベロッパ側で個別に作る必要があるとのことだった。


Anselでのカメラ操作はゲーム側で制御可能

対戦プレイでチート的には使えない


 最後に取り上げるのは,GTX 1080専用ではないが,合わせて発表されたゲーム画面キャプチャ機能「Ansel」だ。こちらは西川氏の連載バックナンバー「西川善司の3DGE:NVIDIAが「GeForce GTX 1080」の発表会で語ったこと,語らなかったこと」に詳しいが,ゲームエンジンと連携して,カメラの位置を自由に変えてキャプチャしたり,ゲーム画面の最大32倍にもなる超高解像度キャプチャを実現したり,ゲーム世界をVR HMDで鑑賞できるようにしたりといった,今までは不可能だったゲーム画面キャプチャを実現するものだ。

「Witness」というゲームでAnselをデモしている様子。ゲーム中はフィールド上を移動するようだが,Anselによるキャプチャモードに入ると,ゲームは一時停止した状態になり,カメラを空中高くに移動したり,斜めに傾けたりもできる
GeForce GTX 10

こちらはAnsel対応の「The Witcher 3: Wild Hunt」を使ったデモ。Anselを使うと,同じ場面で昼(左)夜(右)のシーンをキャプチャしたりできる
GeForce GTX 10 GeForce GTX 10

 Anselが自由にカメラを動かしてキャプチャしたりできるのは,ゲーム側に組み込む形で提供されるからである。つまり,ゲーム側がAnselに対応することが必要だ。現時点でAnselは,まだ開発中であり,対応ゲームがいつ登場するかについては,明言されていない。

 ところで,カメラを自由に動かせると聞けば,「カメラがゲーム内の地形にめり込んでしまったり,対戦プレイのゲームで隠れている人が丸見えになったりしないだろうか」と考えるかもしれない。これについてStam氏は,「Anselはゲーム側と協調して動作する機能であり,カメラの動かせる範囲などは,ゲーム側で制御できる。隠れている人の居場所を見つけたりはできないよ」と答えた。視界外の敵を探すチート的な使い方はできない――少なくともゲーム側で防げる――わけだ。
 対戦中に,Anselを使って悠長に画面を撮っている暇があるかどうかはともかく,Anselを使うことが対戦プレイのルール違反行為になる心配はしなくてすみそうである。

NVIDIAのGTX 1080製品情報ページ


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