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「フルボッコヒーローズ」の“フライングゲットガチャ”とは?事前登録者数が約50万件を記録した施策についてドリコムのマーケティングチームが語った
同氏によれば,「フルボッコヒーローズ」のマーケティングでは,これまでにないプロモーション手法で事前にバイラルを起こし,アプリのインストール数を最大化することを最初の目標にしたという。ちなみに社内では,「業界がざわつくような斬新なことをしよう」という裏の目標もあったそうだ。
ドリコムのマーケティングチームは,バイラルにつながり,かつプレイヤーが喜ぶこととは何かを考え,ゲーム開始直後に優れたレアアイテム(もしくはモンスターなど)が出るまで,何度もアプリのインストールとアンインストールを繰り返す,いわゆる「リセットマラソン」に目を付けた。
この方法は,非常に手間の掛かるものだが,いいスタートダッシュを切りたいプレイヤーのほとんどが行っている。同チームは,これを簡単にできないかと考えた結果,「フライングゲットガチャ」を生み出せたという。
フライングゲットガチャは,「フルボッコヒーローズ」の事前登録の受付開始直後から実際のゲーム開始までの間に,一定回数のガチャを回せるシステムである。定められた回数内に好みのレアユニットがでなかった場合には,SNSでメッセージを発信することにより,再びガチャを回せるようになるという仕組みだ。なお,この事例では,企画,開発,デザインを,各2人体制で行ったとのことで,土倉氏は思いのほか大変だったと感想を述べていた。
フライングゲットガチャ施策による結果を見ると,前述した累計事前登録者数48万5000人のほか,ガチャ回転数は約996万件(1日平均20万回転)を記録。Twitter認証数は10万件で,「フルボッコヒーローズ」関連のハッシュタグが付いたTweet数は140万件にもおよび,フォロワーの総計から分析すると,常時30〜50万人に情報が届いていた計算になるという。その結果として,「フルボッコヒーローズ」は,リリース後に広告を打たずともApp Storeの無料ランキングで5位,Google Playの無料ランキングで20位を獲得したとのことだ。
フライングゲットガチャ施策は,上記のとおり多くの事前登録者やTwitter認証数につながったものの,最終的にこの施策を介して「フルボッコヒーローズ」のアプリをインストールしたのは5万人という記録になったという。これはプレイヤーがシリアルコードを紛失したり保存し忘れたり,あるいはドリコムから送信したTwitterのダイレクトメッセージに気づかなかったりしたために,ドリコム側から追跡不可能になったことに起因しているそうだ。
そのため土倉氏は,配信開始後のデータを見る限りでは,もっと多くのプレイヤーが,この施策によってアプリをインストールしているのではないかと話した。関連して,配信開始後には,フライングゲットガチャで入手したレアユニットの扱いについて,ドリコムに問い合わせが相次ぐという課題も残ったとのことだ。
また,フライングゲットガチャ施策から「フルボッコヒーローズ」を始めたプレイヤーの継続率および課金率,そしてほかのプレイヤーの招待率は,さまざまな予約サービス形態よりも高い数字になることも示された。
そのほか,バイラルで拡散したことにより,海外での反響も大きく,配信前には,海外のパブリッシング業者30社以上からの連絡があったという。
土倉氏は,フライングゲットガチャ施策が成功した秘訣として,「質のよいコンテンツ」「メディア展開」「ソーシャルメディア」の3点を挙げる。
質のよいコンテンツとは,キャッチーなゲームの内容やキャラクターに加え,公式サイトへの導線などにも配慮が必要とのこと。とくに「フルボッコヒーローズ」に関しては,サイバーコネクトツーの手がけたPVがプレイヤーの期待感を高めるのに一役買ったという。
メディア展開に関しては,媒体の性質に沿った企画を立て,かつ興味を抱いた人達を飽きさせないタイミングで,情報を順次公開していくことが必要であると説明した。実際,メディアで情報を公開した直後のTweet数および新規登録者数は増加するとの数字も示された。
ソーシャルメディアでの展開は,今回,Twitterでの情報発信に注力し,アプリの配信前からプレイヤーを楽しませる企画も実施。またニコニコ動画で番組を配信するなど,ゲームが好きな人に向けた企画も展開した。
Twitterでは,フォロワーからのコメントに素早く対応したり,海外からのコメントに英語で返信したりと,プレイヤーとのコミュニケーションを重視し,徹底したサポートを心がけていたという。
最後に土倉氏は,フライングゲットガチャとは,「今までにないプロモーション手法で,バイラルを狙って起こし,インストールを最大化させる」というミッションのもと生まれた施策であるとあらためて語り,今回の事例では見事にミッションを成功させられたのではないかとして,セミナーを締めくくった。
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