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【山本一郎】Appleのデジタルコンテンツの方針とモンストBANの現状
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印刷2015/09/05 00:00

業界動向

【山本一郎】Appleのデジタルコンテンツの方針とモンストBANの現状

 山本一郎です。晴れているから大丈夫だろうと傘を持たずに外出した直後に振り出す雨に,侘び寂びを感じます。人生,そんなもんです。

 ところで,先日4Gamerに載せてもらった記事について,いろいろと続報が出てきておりまして,興味津々であります。いやー何なんですかね。
 前回記事終了後,ほどなくしてBANから回復して再リスト掲載となり通常運転となった「モンスターストライク」ですが,Apple日本法人が「大人の配慮」をしたことがかえって問題になるのではないかと見られております。

他サイト関連記事:「※重要※友達招待キャンペーン終了について」
http://www.monster-strike.com/news/20150902_2.html

モンスターストライク
 というのも,今回のモンストに限らず,いまのゲームアプリシーンではユーザーに対するプロモーションとして,シリアルコードの配布や友達招待,事前登録によるアイテム優待などが当たり前のように横行しています。まるで悪いことであるかのように書いておりますが,実はこれ,AppleのApp StoreやGoogleのGoogle Playといった,スマホ向けプラットフォームの利用規約に違反している“悪いこと”です。
 「何で?」という解説も以下にしますが,これらの問題についてApple側の対応がまちまちになっていて,どうしても不公平感が否めないわけであります。

 平たく言えば,今回のモンストがBANされたあと,通常の再リスト入りのために必要な時間(概ね再審査まで48時間程度)を経ずに,Apple日本法人の協力や配慮でリストのBANから10時間ほど(一説には8時間)で再登録されています。良かったっすね。
 しかしながら,モンストに限って言うならば,現在は「友達招待キャンペーンは終了」のアナウンスが出ていながらもなお,友達招待の機能は残されています。普通は,これらの友達招待キャンペーンはデベロッパーガイドラインに抵触しており,アプリのリスト入りについてReject,あるいは発覚次第即刻BANの対象となるべきものにも関わらず,明らかな友達招待機能がいまも稼動しています。大丈夫なのでしょうか。

2015年9月3日夜時点では,(実質稼働していなかったが)まだ友達招待機能そのものは残されていた
モンスターストライク
 Apple側の判断でそのような行政が行われていることは仕方のないこととはいえ,アプリの発行元によってはそもそも友達招待機能が入っていれば即Rejectの対象となって,この機能を取り除かない限りアプリをApp Storeのリストに入れられません。
 デベロッパの規模やアプリの売上によって,これらのガイドラインが適用されたりされなかったりという状況があることは明白で,Appleはきちんとこの問題について公平な運用を行うよう宣言しなければなりません。ガイドラインを遵守して公正な取引を実現するためには,デベロッパ側だけでなく,ガイドラインを作成し,指定した側も責任があるということです。

 一方,現状ではモンストのオーブがもらえるシリアルコードは機能していませんが,モンスト以外のアプリでは,この手のシリアルコードがメディアや他コンテンツなどとのタイアップで横行していることは,ユーザーであれば皆ご存知の通りです。シリアルコードでの褒賞配布は,たとえユーザーサービスの一環であっても,それが有償無償問わずAppleやGoogleの決済外で発行されるものである場合は,同じアイテムに複数の価格がついたり,希少性をユーザーが感じる可能性があります。
 アイテムのために支払われるモノの値段が,普通に決済されて買われるものと,キャンペーンなどでシリアルコード経由でもらえるものとで違ってはいけないということです。そうである以上,シリアルコードの発行がBANの対象となるのは,前回の記事で指摘したとおりです。

 お小遣いアプリとして人気を博していた「ブースト」「リワード広告」も,現在はこの機能を実装するために必要なSDKが組み込まれていればBANの対象となります。これも,広告宣伝の一環としてダウンロードをしてくれたユーザーにお金を払って,ダウンロード数を稼ぐ行為そのものが,無料ランキングをゆがめて市場の公平性を担保できません。禁止になるのも致し方ないところではあります。

 しかしながら,これらの行為がデベロッパの問題であるとしてRejectになったりBANになったりすることから考えるに,ではなぜLINEゲームアプリはAppleでもGoogleでもアプリストアでBANされることなくいまなお温存されているのか,不思議でなりません。デベロッパ向けのガイドラインの規約を普通に読むと,LINEやセガゲームスのゲームは普通に違反と見られても仕方がないわけです。
 LINEゲームを遊ぶと,スタンプが贈られたり,ユーザー同士でランキングをつけて遊んだりできる仕様はありますが,本来のガイドラインの見解で言うならば,これらはすべてApp StoreやGoogle Playの機能で完結させなければならず,LINE IDでゲームアプリを横串に差してデータ交換することは許されないはずです。
 先ほどの話の繰り返しになりますが,ガイドラインを遵守して公正な取引を実現することが重要なはずのプラットフォーマーが,特定のアプリメーカーの逸脱を見逃している形となり,自身が作成したガイドラインを守っていないという事態になっているわけです。

弁護士 板倉陽一郎氏
 元・消費者庁消費者制度課政策企画専門官で弁護士の板倉陽一郎さんに話を伺いますと,これらの問題は「日本とアメリカでの,商慣行におけるフェアという概念の違い」に依拠していると言います。つまり「日本では,リワード広告やシリアルコードでタイアップをかけたりする広告宣伝の方法は何も抵抗なく受け入れられているが,アメリカでは,ユーザーによってその情報を知ったり知らなかったりすることでユーザーの遊び方に有利不利があると,プラットフォーム業者としての公平性が損なわれることが差別などにつながるという考え方がある」ということでしょう。

 「日本では,そのような消費者の公平性を損ねる行為を直接規制する法律がなく,消費者庁では景品表示法か,ビジネスでは独占禁止法など公正取引委員会で議論されるような内容になる」ため,もしもユーザーにとって問題のあるアプリやソフトが出回っている場合は「とりあえず消費者センターに連絡するか,消費者庁の景表法通報窓口に苦情を入れるしか方法がない」と言います。

 確かに,今回はモンストにおいて多数のシリアルコードが配布されていました。VジャンプやLINEスタンプとの連動,「HIKAKIN モンストTV」動画とのタイアップ,AppBank Storeの商品についていたシリアルコードなど,いずれも配布期間中にBANされたため,シリアルコードが使えなくなる事態となりました。ガイドライン違反であるシリアルコードの配布がモンストにおいて行われているという通報がApple本社やGoogleに相次ぎ,日本法人をすっ飛ばして,Apple本社からじきじきにBANされる事態になったわけです。
 中でも,「HIKAKIN モンストTV」はニコ生などで繰り返し放送され,また酷暑の中で微妙に杜撰な仕切りで話題となった「モンストフェスティバル2015」で盛大にシリアルコードが配布されるにあたっては,ミクシィへの指摘内容やタイミングで議論になったとされています。それも,タイアップやイベントの動員効果が大きいからではなく,ミクシィがこれらの規約違反を知りながら,複数回に渡るAppleからの指摘を無視してきたことが原因であることはApple側への取材で明らかになっています。

 シリアルコード配布期間中にトラブルに見舞われたのは,AppBank Storeで販売されていた「超絶モンストフィルム」に同梱されていたモンスト用シリアルコードで,上記「HIKAKIN モンストTV」などとは違い,リアルの商品の景品として提供されていたものであるため,AppBank Storeはこのシリアルコードのついた商品の店頭からの回収を早期に決定。AppBank側は「シリアルコードが問題になってBANになって使えなくなっている景品であるのに,それ目当てで買われるお客様がいるかもしれない商品を売り続けるわけには当然いかない」と判断されたようです。

 これらの問題は,プロモーション目的のタイアップ企画や動画,スタンプ配布やシリアルコードの発行もさることながら,ヒット作品の二次利用を推進して広くユーザーに愛されるキャラクター製品にしていこうという戦略を根底から覆すものです。そもそも,シリアルコードを通じてコンテンツのタイアップをするなという指摘があるのに,売れているからということでApple日本法人と結託して堂々と売り続けたミクシィのクソ度胸には,武士(もののふ)の精神を垣間見ます。
 ミクシィ関係者は「今後,3DS向けのゲームやアニメ作品を企画しており,これらと連動するためにシリアルコードでユーザーの消費意欲をかきたてたいと考えていただけに,いろいろ考え直さなければならない」と厳しい表情で神妙にお話されています。

 前述の板倉弁護士は,そもそものアプリビジネスの問題について「高額のガチャを回してレアカードを得るような仕組みを続ける場合,いずれそれらのカードの排出確率の正しさを第三者的に証明できるような仕掛けを考えないと,知らない間に消費者被害が大きくなることもあるかもしれない」と言います。
 つまり,ガチャを回すために必要なアイテムを有償で売っているならば,消費者の本来の権利を守るために適正にその排出される確率が発表され,その通り実行されているのかが確認される必要があるということでもあります。

 2014年11月,スクウェアエニックスが提供したアプリ「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」のガチャを回す画面で,高確率で貴重なレアカードが出るかのようなイラストが掲示されていたため炎上,有償アイテムを全額返還するなどトラブルに見舞われました(関連記事)。
 入り口のシリアルコードの問題と同様に高額の取引を行わせているにもかかわらずカードの排出確率が明示されず,また明記されているアプリでもその確率どおりに払い出しがされているのか分からないわけです。これが,騙しにつながっていたとしても消費者の側には判断はつきません。つまり,消費者行政上は欺瞞的取引が横行していても,第三者からは確認できない状況になっています。

 実際,ヒットしているスマホゲームの内情で言うならば,ゲーム内イベントで高確率で特定の人気キャラのデータが当たると銘打って煽っておきながら,実際には言うほど確率を引き上げず,それ目当てのユーザーの課金を「釣る」方法がノウハウ化され,それがさらにスマホゲームのデベロッパ同士の情報交換会で堂々と「イベントで収益化を図る有力な方法」として紹介されている現状を見ますと,まさに景品表示法上の問題はあるのではないかとも感じます。

 これは,オンラインゲーム業界が歩んできたトラブルの歴史でもあり,この業界に詳しい人であれば「またか」と思うようなことです。しかしスマホ向けゲームは急成長した分,適正な取引や消費者を守るための仕掛けが稚拙で,高収益を謳う悪質なデベロッパが売上最大化のためにシリアルコードを撒き,ブースト広告を打って,実際にはほとんど当たらないレアカードがさも大量に当たるかのような画像を見せてユーザーの射幸心を煽っているのが実情なのでしょう。
 そんなあこぎなことをせず誠実にやっている会社も多いはずですが,そうでない会社もありそうで,いくつもの情報提供が当局に行われているようです。

 前回の記事で指摘したガチャ研究所や,有志で行っているリセマラ,あるいは自演の招待代行については,そもそもアプリの内容をリバースエンジニアリングしてはならず,また友人招待による特典を出すこと自体が規約違反です。実ダウンロードではなく,特定のデータを端末からコールした回数でDL数と定義して公表する形でDL数を水増しするなど,いろんな意味で抜け道を使う動きが出ているのは熟慮するべき部分であろうと思います。
 それは,ユーザーと共にコンテンツを育て,将来にわたって長く楽しんでもらおうとするゲーム作りの側の精神とはかけ離れた内容であることは言うまでもありません。

 アプリゲームで一発当てて上場する会社が多数存在する中,置き去りになっているプレイヤーや消費者の保護,仕組みとして公平公正であるべきプラットフォーム業者による恣意的な配慮で失われる公平性について,今回のモンストのBAN,また「白猫プロジェクト」におけるアップデートRejectなどは,もう少し業界全体,あるいは消費者行政としてきちんと考えるべき事態にまできていることを指し示していると思います。

 「儲かるからプラットフォーム事業者も業者もお互いに配慮するのだ」というのは,裏返せばそれだけゲームプレイヤーが食い物にされているからこそであって,彼らがお金を過剰に支払って業者が儲かっているという状況なのだということを良く理解するべきです。さもなければ今後のレッドオーシャンな感じのアプリ業界で溺死したいなあと思う今日この頃です。

 ところで,私の大好きな「パワフルプロ野球2015」はいつリリースされるのでしょうか。そろそろシーズンも終わりそうで,困惑を隠せません。パワプロなしに日本シリーズを,秋季キャンプを,年の瀬を迎えろというのでしょうか。今日もノートPCの前で正座して吉報を待っています。


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