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印刷2012/07/17 12:37

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[EVO2012] 海外産格闘ゲーム「Skullgirls」に見る,日米格闘ゲーム事情。開発チームReverge Labsに聞く,その開発経緯とは

 現地時間の2012年7月6日から8日の3日間に行われた格闘ゲームイベント「Evolution 2012」では,メインとなるトーナメント以外にも,さまざまな対戦格闘ゲームの大会,サイドトーナメントが行われていることは,最終日レポートでもお伝えしたとおり。先日レビューを掲載したアメリカ産の2D対戦格闘ゲーム「Skullgirls」PS3 / Xbox 360 / PC)についても,サイドトーナメントが行われ,多くのファン達による白熱した対戦が行われていた(関連記事)。

 Skullgirlsは,アメリカのカリフォルニア州にあるインディーズ系ゲームメーカーReverge Labsの制作した2D対戦格闘ゲームだ。同作はそれまでのアメリカ産格闘ゲームのような写実的な路線とは大きく異なり,アニメ調の美少女達が活躍する,実に日本的な対戦格闘ゲームに仕上がっているのが特徴となっている。

 今回4Gamerは,EVO2012の会場に訪れていた本作の開発者達にインタビューを行った。本作の印象が日本の格闘ゲームっぽい理由から,対戦格闘ゲーム制作を取り巻くお国事情,期待される日本語版の展開についてなど,本作のファンだけでなく,そのほかの対戦格闘ゲームファンも必読のインタビューだ。

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「Skullgirls」日本語公式サイト

「Skullgirls」公式Twitter


日本のアニメとカートゥーンから生まれたデザイン


Reverge Labs リードプランナー/リードプログラマー Mike "Mike Z" Zaimont氏
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。さっそくですが,Skullgirlsはキャラクターデザインの面はもとより,滑らかな手描きのアニメーションやゲームシステムに至るまで,日本の2D格闘ゲームの影響を強く受けているように見えます。実際のところはどうなんでしょうか。

Alex Ahad氏(以下,Alex氏):
 ええ,Skullgirlsはとくに日本のDoujin-Game(※同人ゲームと,Alex氏はそのまま発音していた)――「MELTY BLOOD」「Eternal Fighter ZERO」(以下,EFZ)から強いインスピレーションを得て制作したタイトルです。また「GUILTY GEAR」「アルカナハート」「ヴァンパイア」「ジョジョの奇妙な冒険」といったカプコンの2D格闘ゲームの影響も受けていますね。

Mike Zaimont氏(以下,Mike Z氏):
 ゲームシステムの面でも,主に「MARVEL VS. CAPCOM 2」(以下,MvC2)や「ヴァンパイア」「GUILTY GEAR」の影響を受けています。受け身不能ゲージなどのインタフェースは,EFZからのインスピレーションですね。最近の格闘ゲームとは異なる,いわゆる1990年代後半の格闘ゲームのプレイ感覚を目指したんです。

4Gamer:
 ああ,本作をプレイして感じた,良くも悪くもちょっと古くさい感覚は,狙って作られたものなんですね。でも1990年代の格闘ゲームのプレイ感覚って,具体的にはどういったものなのでしょうか?

Mike Z氏:
 いろいろとありますが,例えばサウンドエフェクトでいえば「スーパーストリートファイターII X」「ストリートファイターIII 3rd Strike」(以下,ストIII 3rd)の持つヒットサウンドの存在感です。またゲームプレイに関しては,ストIII 3rdのように投げ技が強くデザインされていることや,「ストリートファイターIV」のウルトラコンボのように,逆転性のあるシステムを持たないなど,ギミックの少ないシンプルなシステムこそが,その味だと思います。

Alex氏:
 キャラクターデザインにも同じことがいえます。最近の3Dで描画された格闘ゲームは,キャラクターの細かい部分までしっかりと書き込まれていますが,肝心のポーズやシルエットがあまり記憶に残らないんです。しかし,昔の2D格闘ゲームのキャラクターにはそれがあった。Skullgirlsも一度見ただけで記憶に残るような,ポーズやシルエットを重視したキャラクターデザインを行っています。

シルエットが印象的な本作のキャラクター達
Skullgirls

4Gamer:
 Skullgirlsのグラフィックスやキャラクターデザインは,今までのアメリカ産対戦格闘ゲームの中では,かなり異色に思うのですが,その辺りはどうなのでしょうか。

Reverge Labs クリエイティブディレクター Alex Ahad氏
Alex氏:
 アートスタイルも日本のDoujin-Gameから影響を受けていますね。これらは当時のアメリカ産の対戦格闘ゲームよりも,圧倒的にエキサイティングだったんです。また,ウェスタンスタイルのカートゥーンアニメからも強い影響を受けていて,これらをミックスしていく中で,今のスタイル――アール・デコ調のアートスタイルになっていきました。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに日本のアニメで,とくに好きなタイトルは?

Alex氏:
 GAINAXの「フリクリ(FLCL)」ですね(笑)。

4Gamer:
 ああ,なんとなく分かります(笑)。では好きなカートゥーンはどうでしょうか?

Alex氏:
 「Batman: The Animated Series」です。例えばバットマンのマントに光が当たって赤い影になるライティング(照明)などは,Skullgirlsでも大いに参考にしています。そうそう,日本のアニメの「THE ビッグオー」も,Batman: The Animated Seriesの影響を強く受けていると聞いていて,やっぱり好きな作品の一つですね。

Mike Z氏:
 僕が1990年代に遊んでいて,今も印象に残っている対戦格闘ゲームって,どれも日本製なんですよ。だから日本の格闘ゲームからは,自然といろいろな影響を受けていると思います。例えばキャラクターのポーズや技のモーションなんかがそうで,日本のゲームには記憶に残るようなポーズがたくさんあるじゃないですか。
 例えばリュウの波動拳や,DIOのザ・ワールドなんか,どれもカッコイイでしょ。でもモータルコンバットで印象に残っているものといえばしゃがみパンチのアッパーだけ(笑)。

4Gamer:
 Skullgirlsをプレイした感想として,個人的には「MELTY BLOOD」に似ているように感じたんです。とくにヒットストップ周りの感覚とか,レスポンスの部分が似ている気がします。

Mike Z氏:
 MvC2をプレイしていた人がSkullgirlsをプレイすると,「MVC2に似ている」と言いますし,ほかにもギルティギアやヴァンパイアにも似ていると言われたこともあります。恐らく,その人がプレイしてきたゲームに近いと感じるんだと思います。

4Gamer:
 なるほど。そうかもしれませんね。

モータルコンバットのアッパーを放つMike Z氏


海外での格闘ゲーム制作事情


4Gamer:
 4Gamerでは,多くの日本の格闘ゲームの制作者にインタビューしているんですが,そこで毎回聞いている質問に,「海外産の格闘ゲームが少ないのは何故なのか」というものがあるんです。日本の開発者は,皆さん「どうも日本でしか作れないみたい」と考えているようなのですが,彼らの意見をどう思いますか?

Mike Z氏:
 うーん,アメリカ西海岸で作ろうとしていなかったから,できなかっただけだと思います。

Alex氏:
 地域よりも,ノウハウの問題だと思いますね。日本から出てきた作品をしっかり分析しつつ作っていけば,ちゃんとしたものができるんじゃないですか。

4Gamer:
 Skullgirlsは,その辺りもしっかり作られていますね。

Mike Z氏:
 ウェスタンのゲーム業界だと,格闘ゲーム制作のモチベーションって,例えば「忍者タートルズのキャラクター同士が戦っている姿が見たい」など,キャラクターゲームとしての面が主なんです。だからシステムや対戦バランスまでしっかりと意識して作ることは,ほとんどなかったと思います。でもこれからは,そういったところまで意識して作っていけるのではないかと思いますよ。Skullgirlsのようにね。

Alex氏:
 それに最近はウェスタンの業界からも,Doujin-Gameがたくさん出てきているんです。もちろんできの良し悪しはありますが,アメリカで作られる格闘ゲームの数自体が徐々に増えてきているのは良い傾向だと思っています。

EVO2012の初日から二日目まで行われた本作のサイドトーナメント。多くのプレイヤーが集まり,熱戦を繰り広げた
Skullgirls

Mike Z氏:
 アメリカの業界では,格闘ゲームにパブリッシャーが付きにくい現状があって,そのせいで数が出ないのが問題だと思います。日本の方が,たぶん格闘ゲームの企画を通しやすい気がするんですが……。

4Gamer:
 いや,それは日本でも一緒だと思いますよ。ストリートファイターIVを出そうとしたとき,(カプコンの)小野さんは大変苦労したとおっしゃってましたから。

Mike Z氏:
 なるほど。ストIII 3rdがあまり売れなかったからですかね。

4Gamer:
 そうかもしれないです(笑)。ただ,日本には“格闘ゲームが面白い”ことを知っている人は多いので,説明しやすいというのはあるかもしれません。

Mike Z氏:
 スーパーファミコンや初代プレイステーションの時代は,とくに対戦格闘ゲームが多かったですね。当時のゲーム,例えば初代ギルティギアなどは,バランスはあまり良いとはいえませんでしたが,どんどん調整を重ねることで,良いゲームになっていきました。日本の格闘ゲームが強いのは,土壌としてそのチャンスがある――1作目のリスクを受け入れられるパブリッシャーの存在が大きいのではないかと思います。

4Gamer:
 確かに,続編でより良くなる作品は多かったですね。

Mike Z氏:
 それに日本には,ストリートファイターIVのように面白いものもあれば,「ブルーブレイカーバースト」のようにイマイチなものもある(笑)。そういう意味では,良いものを作るための情報が揃っているとも言えます。
 ウェスタンの対戦格闘ゲームは,その機会そのものがこれまで少なかった。だから,今後リスクを受け止められるパブリッシャーが現れてくれれば,ウェスタンでも面白い対戦格闘ゲームが生まれてくるのではないでしょうか。

4Gamer:
 バッドノウハウの蓄積が,日本の格闘ゲームを支えているという話は,アークシステムワークスの関根さんや,「ソウルキャリバーV」小田嶋さんもおっしゃっていました。
 もう一つ,「キャラクターのイメージを優先しているから,ゲームバランスが取れないのではないか」という話もあって,これは先ほどの忍者タートルズ話に通じると思います。

Mike Z氏:
 そうですね。このキャラにこの技があったらバランスがどう変わるか,キャラクターのコンセプトにどういう影響があるのかなど,それを意識せずに作っていたところはあると思います。

Alex氏:
 Skullgirlsの開発では,まずキャラクターの技をブレインストーミングで皆で考えて,そこからキャラクターのコンセプトに合わせて取捨選択をしていきました。それと同時に,そのキャラクターの大まかなデザインが決まっていったんです。

4Gamer:
 それは恐らく,日本の格闘ゲームの作り方と同じだと思います。海外の格闘ゲームが,日本の格闘ゲームを脅かす日も,そう遠くはなさそうですね(笑)。



気になる日本語版の発売予定は?


Reverge Labs コミュニティマネージャー Peter Bartholow氏
4Gamer:
 さて,日本のゲームメディアとしては,これは聞いておかなければならないという質問に移りたいと思います。Skullgirlsの日本語版についてですが,発売の予定はあるのでしょうか。

Peter Bartholow氏(以下,Peter氏):
 では,これは私から。日本語版の発売については,現在,数社と交渉している段階です。日本で発売を待ち望んでいる方が大勢いらっしゃるのは,我々としても重々承知しています。なにせ,北米でSkullgirlsの配信が始まった日に,日本のファンの方々からマイクロソフトにたくさんの問い合わせがありましたからね。

4Gamer:
 それで公式サイトに,日本語のメッセージが掲載されたわけですね。4Gamerでも,先日Skullgirlsのレビュー記事を掲載しましたが,反響は少なくありませんでした。

Peter氏:
 あれはマイクロソフトから,「日本ではまだ発売されていない」というお知らせを出してくれと依頼されたんですよ(笑)。ゲーム自体も日本の作品から影響を受けて作っている部分が多いので,とくに日本で発売したいという気持ちは強いです。ですが,ビジネス的には複雑な状況なんです。

4Gamer:
 パブリッシャーとの交渉がうまくいってないとか?

Peter氏:
 どうも日本では,Xbox LiveアーケードやPlayStation Networkといったデジタル配信は,あまり売れないのではないか,というイメージが強いみたいで。だから,追加キャラクターが完成してボリュームがアップすれば,パッケージとして出せる可能性も高まるのではないかと考えています。今のところ,それを目指して開発を続けています。

4Gamer:
 なるほど。そろそろSteamでのPC版の配信も始まるそうですが,これは日本から購入できますか?

Peter氏:
 リージョンロックの予定はないです。英語のままで良ければ,ぜひ買って遊んでほしいですね。

4Gamer:
 分かりました。それでは最後に,日本で発売を待っている人達にメッセージをお願いします。

Peter氏:
 日本での発売についてはお待たせして申し訳ないです。海外版のSkullgirlsをわざわざ購入してくれた方には,とても感謝しています。コンソールのみならず,いつか日本のアーケードでも遊べるようにしたいというのが,我々の希望です。皆さんが本作にそれだけ魅力を感じてくれたということは,きっと日本でも成功できるという自信につながります。

Mike Z氏:
 Skullgirlsは日本からのさまざまな影響を受けているので,日本の方に気に入ってもらえるのはとても嬉しく思っています。それにpixivにファンアートを載せてくれる方々にも,本当に感謝しています。もう,この喜びは言葉で表せないほどです。

Alex氏:
 日本のファン達に気に入ってもらえて,ものすごく嬉しいです。とくにFRBのあべげんさん(※EVO2012のUMvC3部門に出場したプレイヤー)に遊んでもらえたのはとても嬉しい。彼は私のヒーローですから(笑)。できるだけ早く,Skullgirls日本語版を出せるように努力します!

4Gamer:
 はい。本日はありがとうございました。日本での発売にも期待します!




「ゆっくりしていってね!」は海外でも通じるのかという問いには,「アメリカでトーナメントを開くたび,ファンから”なんでゆっくり〜を入れたの?”って聞かれるんです。だからちゃんと分かっているファンもたくさんいますよ」との返答。恐るべきは海外まで広がる東方ファン,といったところか
Skullgirls
 「海外で対戦格闘ゲームは作れるのか」という問いに対して,可能だと力強く答えてくれたReverge Labsの面々。その言葉からは,日本の格闘ゲームに負けないゲームを作りたいという,強い意志が感じられた。Skullgirlsの存在そのものがその回答であるのだから,当然ともいえるのだが,彼らの研究熱心振りは,並大抵のものではない。
 それを裏付けるエピソードとして,インタビュー中に雑談としてかわされた,会話の一部を紹介しよう。筆者は本作のヒットストップの処理について確認してみたのだが,Mike氏による返答は「MvCシリーズは大体が8フレーム,ストIII 3rdは7〜9フレームぐらい。メルティブラッドやギルティギアは技ごとに大きく違っていて,Skullgirlsも技ごとに大きく変えている」というもの。……各作品のヒットストップのフレームをそらで答えられては,こちらとしても感服せざるを得ない。

 確かにアメリカ産対戦格闘ゲームの数は少ないが,それはノウハウの面ではそれほどハンデではないかもしれない。なにせ彼らは,我々以上に日本の対戦格闘ゲームを遊び込んでいるのだから。インタビュー中でも触れたように,日本の格闘ゲームを脅かす日も,そう遠くはないのではなかろうか。

 今はまだ,日本の格闘ゲームが,世界の市場において多くのファンを獲得しているのは確かだろう。けれど,10年先の未来がどうなるかは検討もつかない。日本の開発者達にとっては少々怖い話かもしれないが,それでより洗練された格闘ゲームが生まれてくるならば,我々格闘ゲームファンに取っては,歓迎すべきことだろう。
 これからの海外産対戦格闘ゲームの隆盛に期待しつつ,ひとまずはSkullgirls日本語版の発売を楽しみに待ちたい。

Reverge Labsの皆さん

「Skullgirls」日本語公式サイト

「Skullgirls」公式Twitter

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