NVIDIA，GPU技術特許侵害でSamsungとQualcommを提訴

　北米時間2014年9月4日，NVIDIAは，プログラマブルシェーディングと統合型シェーダ，マルチスレッド化された並列処理に関するNVIDIA製GPUの特許違反で，Samsung Electronics（以下，Samsung）とQualcommをITC（International Trade Comission，米国国際貿易委員会）およびデラウェア地裁に提訴した。訴状によれば，NVIDIAは適切な特許使用料の支払いと，それがなされるまでの間，Galaxyシリーズのモバイル端末が出荷停止となることを求めている。

　英文プレスリリースによると，特許侵害があるとされているのは，Qualcomm製SoC（System-on-a-Chip）「Snapdragon S4・400・600・800・801・805」が搭載された，下記のSamsung Electronics製端末だ。そのほかの端末は，Samsung独自のSoC「Exynos」を搭載し，ARMの「Mali」もしくはImagination Technologiesの「PowerVR Graphics」GPUコアIPを採用するため，NVIDIAの特許を侵害してはいないという。

• Galaxy Note Edge
• Galaxy Note 4
• Galaxy S5
• Galaxy Note 3
• Galaxy S4
• Galaxy Tab S
• Galaxy Note Pro
• Galaxy Tab 2

　NVIDIAの総帥であるJen-Hsun Huang（ジェンスン・フアン）氏はリリースの中で，同社が90億ドル以上を研究開発に投資し，7000ものヴィジュアルコンピューティング関連特許を保有していることを紹介したうえで，「SamsungとQualcommは，それをNVIDIAのライセンスなしに使っている」と指摘している。

　なお，NVIDIA公式Blogにポストされた記事の主張によれば，同社は，すでに開始しているGPU関連特許のライセンスビジネスについて，関係各社と個別に交渉を行っているとのこと。Samsungとも複数回の直接交渉を実施し，実際にどこでNVIDIAの特許技術が使われているかのデモも実施したが，Samsungは，「サプライヤー（＝Qualcomm）の問題」と繰り返すばかりだったとのことだ。

NVIDIAによるプレスリリース（英語）

NVIDIA Blogの該当ポスト（英語）

NVIDIAによる訴状（英語）