「Battlefield 3」の美しすぎるグラフィックスはどう作られているのか。メイキング画像でチェックだ

　広大なマップだけでなく，臨場感にあふれたキャンペーンもウリの「Battlefield 3」（PC/PS3/Xbox 360）。今回は，本作のために開発されたFrostbite 2.0 Engineの実力が分かるさまざまなイメージが公開されたので，紹介しよう。

　今回公開されたイメージは，アニメーション，破壊効果，照明効果，オーディオ，そして絵コンテの5カテゴリーに分けられる。カテゴリーごとに分かる範囲で解説をつけたので，画像と合わせて確認してほしい。

「Battlefield 3」公式サイト

ANT（アニメーションテクノロジー）

　ANTとは，EA Canadaが「FIFA 11」などのために，キャラクターをより滑らかにアニメーションさせるために開発したもので，キャラクターの位置や姿勢，移動速度などを常時解析して処理するための技術だ。ジャンプやしゃがみ込みなどを行った際に生じるぎこちなさをなくすのに役立っているという。ちなみに「ANT」とは「ANimation Technology」の省略形だと思われる。

破壊効果

　「Battlefield: Bad Company」（PS3/Xbox 360）で初めて利用されたFrostbiteの第1世代エンジン，そして「Battlefield: Bad Company 2」（PC/PS3/Xbox 360）などを通して，シリーズの大きな特徴となっているのが，マップ上のオブジェクトを壊したり爆破できたりする要素だ。Battlefield 3のエンジンは，Frostbiteの進化版Frostbite 2.0が採用されており，破壊効果はさらに派手になっている。
　今回リリースされた4枚組のスクリーンショットでは，コンクリートだけでなく，ガラスやレンガブロックなど，さまざまな材質の破片が散乱する様子が描かれており，材質の違いが分かる。また，本作ではビル1つはもとより街全体が壊れるシーンもあるらしいので，破壊の表現力に磨きがかかっているのは間違いなさそうだ。

照明効果

　あまり語られることはないが，Frostbite 2.0 Engineの照明効果は，現世代のゲームエンジンでも最高レベルに達していると思われ，それは過去に公開されたスクリーンショットやムービーからも感じ取れる。
　前回紹介したスクリーンショットでも分かるように，影と光の間にはジャギーがなく，木漏れ日や照り返し，蜃気楼なども細かに表現されている。
　今回掲載した画像にある白い球体は「Lighting Globe」と呼ばれる開発用のもので，その領域がどのように光を受けるのかといった情報が入っている。信じられないことだが，1つの球体は，Battlefield: Bad Company 2の1マップ分すべての照明効果に匹敵する情報量だという。

オーディオ

　EA DICEの作品で話題にされることは少ないが，オーディオ面の技術力もなかなかのもので，Battlefield: Bad Company 2では自社開発の「High Definition Audio Range Technology」を使い，多くのオーディオ関連のゲーム賞を受賞している。

　なお，この画像はEA DICEのStefan Strandburg（ステファン・ストランドブルグ）氏のデスクトップに映し出されたFrostbite 2.0Engineのオーディオエディターだ。
　同じ音でも，建物の内か外か，周囲の壁の材質などによって反響の仕方が異なるわけだが，Battlefield 3ではそういったことがしっかりと表現される。

絵コンテ

　今回は絵コンテの一部も公開された。本作ではドラマチックな展開のシングルプレイ用キャンペーンが用意されるということなので，おそらくこういったものが何千枚と描かれたのだろう。

「Battlefield 3」公式サイト