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Wargaming.netが提携する映画「ダンケルク」のファン試写会で行われた,宮永氏,岡部氏,杉山氏,中村氏によるトークショーをレポート
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印刷2017/08/19 12:00

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Wargaming.netが提携する映画「ダンケルク」のファン試写会で行われた,宮永氏,岡部氏,杉山氏,中村氏によるトークショーをレポート

 2017年9月9日,クリストファー・ノーラン監督最新作となる映画「ダンケルク」がついに日本でも公開される。「ダークナイト」「インターステラー」など数々の傑作をものにしてきたノーラン監督にとって,「ダンケルク」は初の実話ベースの作品となるが,すでに「ノーランの最高傑作」といった評価があちこちで飛び交っている(海外では7月ごろに公開されており,世界63か国で興行ランキング初週1位を獲得した)。
 さてこの映画「ダンケルク」には,Wargaming.netもパートナーとして広報の提携などを行っている。例えばコンシューマ版「World of Tanks」PS4 / Xbox One / Xbox 360)では「ダンケルク」イベントが開催され,特別な戦車がリリースされるなど,こちらも世界的に見ると大きな評判を集めたイベントだったのだが,なにぶん日本では公開がこの時期にまでずれ込んだため,「ダンケルクって何?」というプレイヤーも少なくなかったのではないだろうか。実際,第二次世界大戦の序盤で発生したダンケルク撤退戦は,ある程度以上のミリタリー・マニアでなければ知らないだろう。
 このような事情もあり,Wargaming.netは日本での「ダンケルク」公開に先立ち,ファンを対象とした先行試写会&トークイベントを実施した。というわけで,ここではトークイベントの模様を簡単にお伝えしたい。


そもそも「ダンケルクの戦い」って何?


 トークに登壇したのは,以下の4人である。当然ながら,全員既に「ダンケルク」は視聴している。
中村 桜氏(ミリタリー声優)
岡部いさく氏(軍事評論家)
宮永忠将氏(ミリタリー・アドバイザー)
杉山 潔氏(「ガールズ&パンツァー」プロデューサー)

 まず最初に登壇者の簡単な挨拶が行われた後,岡部氏がダンケルクにおける「史上最大の救出作戦」と呼ばれる作戦(ダイナモ作戦)について解説した。

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 ダンケルクでの撤退戦が発生するきっかけとなったのは,1940年5月のことである。ドイツ軍は中立国であったオランダ・ベルギーを突破し,フランスへとなだれ込んできた。この攻撃に対して連合軍はなす術もなく敗走を繰り返し,やがてこの映画の舞台ともなる港町ダンケルクへと追い込まれる。
 絶体絶命となった連合軍だが,ここでドイツ軍も攻勢を小休止する(理由としてはドイツの空軍総司令官であったゲーリングが「空軍だけで連合軍を撃破できる」と語ったからといった説も流布しているが,原因をひとつに特定するのは難しい)。連合軍はこのスキをついて,ヨーロッパに派遣した陸軍約40万人をイギリス本島へ帰還させるという作戦を発動した――これが映画の背景となる作戦である。
 大陸に派遣した40万人が失われると,イギリスの陸軍兵力はガタガタになり,今後の戦いの目処がたたなくなってしまう。なのでなんとしてもこの兵力を本国に連れ帰る必要があったのだ。

 さて,このようにして今ではダンケルクの戦いといった名前で知られるこの作戦だが,ダンケルクにあった港は早い時期に破壊されてしまう。このため40万人の兵士たちは遠浅の浜辺からの撤退を余儀なくされた。大型船が近寄れないこの状況において,どうやってこの大兵力を撤退させるのかというのが,イギリス海軍に課せられた課題となった。
 またイギリス空軍にとってみると,ドイツ空軍の攻撃は継続されているため,この攻撃をどう防ぐのかという課題が発生する。
 これに加えてダンケルクの外ではドイツ陸軍に対する遅滞戦闘も続いており,このダンケルクでの戦いはイギリスにとって陸海空の総力を結集した最初の戦いとなったのである。

 ここで宮永氏は少し違った角度の視点でこの状況を見る。おそらく映画「ダンケルク」に登場する若者たち(イギリス兵士たち)は,大陸に派遣されてからこのかた,ほぼ1発も発砲しないまま,あの窮地に追い込まれたのだろう,というのだ。
 実際,1940年における西部戦線での戦いは,そのような状況だった。ドイツ軍は巧みに迂回と包囲を繰り返し,イギリス軍はまともに戦闘をせぬまま港町ダンケルクへと事実上の潰走をしていたのである。
 この,その場にいた兵士にとってみれば「わけが分からない」状況において,いかに生き延びるのか――それは映画「ダンケルク」においても大きなテーマとなってくる。


本物のスピットファイアが飛ぶ!


 さて,映画「ダンケルク」における大きな状況はさておき,最近の戦争映画となれば,やはり登場する兵器のディテールも気になるところだ。
 この点において,杉山氏はこの作品を「こだわっている」と評する。

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 戦争映画の歴史をたどると,昔は兵器を登場させるにあたっても,わりと「ゆるい」演出も行われていた。現用戦車をあたかも大戦中の戦車のようにデコレーションして登場させるというのは,その典型例だ。しかしこれは一部のマニアにとってみれば「違うじゃないか」という話になる。
 そこで最近では実物大のプロップを作ったり,あるいは戦勝国には当時の兵器が相当数残っているのでそれを使って撮影するといった方法が採用されている。
 映画「ダンケルク」でも本物のスピットファイアが登場するほか,ドイツ空軍のメッサーシュミットBf109も実際にスペイン空軍で使われていたものを使うなど,マニアにとってはたまらない映像となっている。

 この兵器に対する「愛」という点で言うと,岡部氏のスピットファイアに対する愛情は界隈では有名だ。
 その岡部氏もまた,「クリストファー・ノーラン監督のスピットファイアに対する愛を見てほしい。スピットファイアがすごく綺麗に,格好良く撮れていて,しかもCGを一切使っていない。アップのシーンでもCGや画面合成を使っていないという,撮り方の徹底ぶりを見てほしい」と強く訴えた。
 また,ミリタリーマニアはどうしてもこの手の映画を見るにあたってあら捜しをしてしまうものだが,これについても岡部氏は「僕もスレた戦争映画ファンですからどうしても粗を見るんですが,この映画では『ここまでやってくれているんだ』と感激する」という。
 加えて,岡部氏の大好きな機体の一つであるブリストル・ブレニム(イギリス空軍の双発軽爆撃機。現在,世界中で飛行可能な機体は1機のみ)が初めて戦争映画に登場する――それだけでなく,なんとその飛行可能な1機の出演だというから驚きである。これはもう,ブレストル・ブレニムのファンであれば「ダンケルク」を見ないという選択肢はないだろう。

岡部氏はスピットファイア柄のネクタイで登壇


なぜここにいて,何をしているのか


 PV上映を挟んで,続いての話題はこの救出作戦そのものと,そこでどのように生き残るのか,である。助けに来てもらうしかないにしても,それまでの間,ドイツ軍の攻撃は続いているわけで,そこをどう生き延びるのかは問題となる。
 このわりと無茶な問いについて,宮永氏は解答役として中村氏を指名した。
 砂浜にいても空から撃たれるだけだが,砂浜に並んでいろという命令がある以上,並んでいなくてはならない。ここにおいて,まずはおとなしく並んでいられるものなのだろうか?

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 中村氏は「集団行動が苦手なので,並べないと思います。劇中には桟橋を作って少しでも船に近づくというシーンがありますが,私は結構ものづくりが得意なので,干潮の間に橋を夢中で作っていたんじゃないかなと」と語った。作っている間は恐怖を忘れるというわけだ。

 もっとも実際の軍隊というところに立ち戻ると,橋を作るのを手伝いたいから手伝うというわけにもいかない,と宮永氏は指摘する。軍隊生活の経験がない現代日本人にとってはピンとこないところもあるが,命令として「砂浜に整列していろ」と言われれば,そうするしかないのだ。
 だが問題はそれだけではなく,そうやって砂浜に並ぶ――あるいはダンケルクまで逃げてきた兵士たち全員に,「分かりやすい説明」が与えられているとは限らない。むしろ大多数の兵士たちは自分がなぜここにいて,何をしているのか分かっていない。「映画だと俯瞰で見られるけれど,現実だとそういう恐怖感もあったと思います」と中村氏は指摘した。

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 中村氏の現実的な見方は,もうひとつの問いにおいても現れていた。
 杉山氏は映画PVの中で,「救出に行く側にも女性がたくさん働いている」ことを指摘する。しかもダンケルク撤退戦の場合,軍隊に所属している女性兵士というわけではなく,民間人の有志としての参加である。
 このような状況に対してどう思うかと問われた中村氏は,「私個人として言えば考えられないことですし,実際その立場に立ったら,男女問わず――女性の場合は特に,戦場で何ができるのかなと思ってしまうのでは」と語った。

 これに対し岡部氏も,「第二次世界大戦においても,軍に所属して国の役に立ちたいという女性はいたけれど,結構な差別や制約はあった」と指摘する。
 とはいえ軍に対する女性の進出があちこちの国で見られたのも事実で,イギリスの場合,「第一次世界大戦という総力戦の中で,看護婦などといった形で女性も従軍するという下地はできていた」と宮永氏は語った。その上で映画「ダンケルク」のもう一つの面白さは,こういった社会的な動きが説明臭くなることなく,上手に作中で描かれていることでもあるという。


「回避できなかった戦争」を描く


 最後に登壇者からそれぞれ一言ずつ,メッセージが寄せられた。

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杉山氏:
 この映画に戦車は出てこないのですが(笑),戦闘機の描かれ方は本当に素晴らしいです。
 でもそういう見方だけではないんです。私がこの作品を見て思ったのは,こういう映画が出て来て,このように描かれる背景には,有史以降連綿と戦争を続けてきたイギリスという国――つまりすべての世代の人々が戦争を経験している国だからこそ,というのがあるのかなと。
 だから民間人が軍の命令に従って――あるいは命令が下る以前から自発的に――自分たちの国の兵隊を助けに行くというのを,当然のことだと考えていますよね。それで非武装のヨットとかで海峡を渡って助けに行くとかいうのは,それが良いとか悪いとかいうのではなく,イギリス人のメンタルなのかなと思います。
 そういうイギリス人のメンタルとして行われた戦いであり,それを忠実に再現した映画だと思います。なのでマニアックな兵器の部分だけではなく,作品のテーマや,描かれているものの背後を考えると,戦争を実際には知らない我々であっても,戦争の実態というものを類推できるように感じました。

中村氏:
 今まで見た映画のどれとも違うと感じました。視点もいろいろ変わったりしますし,俯瞰というよりも,自分があたかもその場にいるかのような錯覚に陥る感覚もありました。
 それから,作品を見た後にちょっと自分で調べてみたんですが,空軍がちゃんと描かれているのが凄いなと思いました。この作戦において,その直後での報道的なものは,「海の人たちが助けに来てくれた」「民間の船が助けに来てくれた」となっているんですが,その一方で「空軍は何をやってるんだ」ということも言われてまして。実際,作戦が終わった後,空軍の制服を着ているだけで暴行を受ける,みたいなこともあったそうです。
 でも作品を見ると,それぞれの立場の人達がみんな,国や兵士のためを思って頑張っていたんだよというところが描かれているんですね。そういうところも含めて,エンターテイメント作品としても,史実を踏まえた作品としても,映画館で楽しんで頂ければと思います。

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岡部氏:
 お2人に美味しい重箱のスミをたくさん残していただけたので(笑),すみっこをつつかせていただきます!
 映画に登場した,民間の小舟。小さな船が兵隊を助けに行きますよね。
 で,1940年のダンケルク撤退戦に参加したそのものズバリの船がイギリスにはたくさん残っていまして,ダンケルク小型船協会っていう団体が100隻くらい保存してるんです。しかるにこの映画の中にも,その100隻のうち12隻くらいが出演してるんです。映画の画面だと手前の方に映る,船の名前が出てくる船は,ほぼほぼ,実在するダンケルク撤退戦の船です。
 これって考えてみると,忠臣蔵の映画を撮るときに実際の赤穂浪士が出て来るようなものですよ(笑)?
 なんにせよ非常に貴重な映像だと思いますが,そんなことをやろうとする監督も凄いですし,その要望に対して喜々として船を提供してくるイギリス人も凄いし,出てくるのはだいたいイギリス兵だし,本物のスピットファイアが飛ぶし……ひょっとすると「ダンケルク」は戦争映画というより,イギリス人映画なんじゃないかという気もします(笑)。

宮永氏:
 第二次世界大戦と太平洋戦争って,同じ時間軸の中で戦っている戦争ではあるんですが,ヨーロッパにおいては「第一次世界大戦があっての第二次世界大戦」なんですよね。
 第二次世界大戦が終わったのが1918年11月。そこから次の戦争が始まるまで20年です。
 で,フランスの当時の風刺漫画で,「ドイツとの講話が成り立ったぞ,万歳」という新聞の横に,その年に生まれた子供たちが「また20年後に俺たちは死ぬんだ」と泣き叫んでいる,というものがあるんです。
 つまり,第一次世界大戦は予感されていた戦争なんです。そしてこの予感されていた戦争を回避できなかった大人たちの責任っていうのが,第二次世界大戦における一つのテーマとしてあるんですね。
 このことは,「ダンケルク」でも登場人物がまさにこの言葉で語ります。そこは見ていてもぐっときますし,日本における太平洋戦争とは違う文脈があるんだなという見方もできて面白いかなと思います。

 以上,大いに期待したい戦争映画の大作「ダンケルク」だが,近年の「大作」が最低でも2時間,ときに2時間半に及ぼうとするなか,「ダンケルク」は99分とコンパクトに作られている。90分の映画が大好きな人も大歓喜である。かといって短く感じる映画というわけではなく,非常に充実感と緊迫感のある作品となっているということなので,9月9日の公開日を待ちたいところだ。

左から:宮永忠将氏,岡部いさく氏,中村 桜氏,杉山 潔氏
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