［GDC 2010］「AaaaaAAaaaAAAaaAAAAaAAAAA!!! 」の開発元による新作のタイトルは，「ウッ! ウッ! ウッ! ウッ!!!（仮）」

　「AaaaaAAaaaAAAaaAAAAaAAAAA!!! -- A Reckless Disregard for Gravity」（以下，Aaaaa!!!）は，超高層ビルの間をベースジャンピングし，特定のマーカーを通過したり，ビルの側面ギリギリの場所に迫ったりすることでポイントを加点していくという，スリリングな高速落下を体験するアクションパズルゲームだ。そのぶっ飛んだネーミングセンスで見たものをニヤリとさせるが，ゲームそのものはよく作られており，気軽に楽しめる内容ながら緊張感がいっぱいの良作だ。今回のGDCでは，第12回インディペンデント・ゲームズ・フェスティバル（IGF）でも，優れたゲームデザインのゲームに贈られる「Excellence in Design」賞にノミネートされていた。

受賞はしなかったが，その作品には満足そうだったDejobaan Gamesの社長イチロー・ランビ（Ichiro Lambe）氏 （右）。最近のインディゲームはデザインセンスが光るものが多い

　このゲームを作ったのが，ボストンをベースにするDejobaan Gamesというインディ開発チームだ。創設者であり，社長であり，ゲーム開発も行っているのが，会場で掴まえて話を伺うことができたイチロー・ランビ（Ichiro Lambe）氏。その名前から連想できるように，母が日本人という日系人である。彼の業界歴は意外と古く，1990年代前半の大学生時代にWorld Apart Productions（現Sony Online Entertainment Denver）を友人とともに設立している。

　そんなランビ氏の率いるDejobaan Gamesは，Steamで販売したAaaaa!!!の業績も好調だったらしく，現在では新しく三つの新作を開発しているところだという。その一つが，iPhone向けのAaaaa!!!。ティルト機能を活かして，実際にモニターを上から下に見ながらプレイすることで，ベースジャンプさながらのスリリングさが楽しめるはずとランビ氏は話す。
　さらに，彼らの次の主力作品となるべく開発されているのが，「ウッ! ウッ! ウッ! ウッ!!!（仮）」である。「ウッ!」のスペルがわからないし，実際ランベ氏が何度「ウッ!」と言ったかはよく記憶にないのだが，彼は左手でこぶしを握りながら，「ウッ! ウッ! ウッ! ウッ!!!」と4回唸っていた記憶があるので，その筆者の記憶を頼りに，カタカナで記載しておこう。このゲームは，音楽ゲームジャンルの系統に属するようで，プレイヤーが実際にマイクに向かって「ウッ! ウッ! ウッ! ウッ!!!」と声を出し，リズムを取っていくのだという。Aaaaa!!!以上に奇抜なネーミングだが，そのゲームもちょっと変わったものになりそうだ。

　三つめの新作はまた企画段階でしかないようだが，こういったDejobaan Gamesのようなインディ開発者の熱気が，最近のゲーム業界には新たな息吹を注いでいる。Aaaaa!!!の開発には一年もかからなかったというだけでに，同社の新作も早い段階で出てくることになるのではないだろうか。ウッ! ウッ! ウッ! ウッ!!!の音に，注意して耳をそばだてていたいものだ。