イベント
第16回AMDアワード授賞式が開催。「ポケットモンスターブラック・ホワイト」がAMD理事長賞,AKB48 コンセプトが大賞を受賞
AMDアワードは,日本のコンテンツ産業発展の中核的存在としてデジタルコンテンツを捉え,制作者の立場から,デジタルメディアの質的向上ならびに人材育成を目的として制定されたもの。表彰式では,優秀なデジタルコンテンツなどの制作者が表彰される。
今回は,2010年1月1日から12月31日の間に,日本国内で発売/発表されたデジタルコンテンツおよびサービスの中から,9作品を年間コンテンツ賞「優秀賞」として選出。この中から,「大賞/総務大臣賞」および「AMD 理事長賞」の授賞作品が決定される。
また,2011年3月の時点で,「功労賞」「江並直美賞(新人賞)」「リージョナル賞」も発表されている。受賞作品については,記事末尾にリリース文を選考理由とともに掲載しておくので,興味のある人は,目をとおしてほしい。
続いて上記の各賞の授賞式が行われたのだが,ここでは受賞者のコメントの中から,いくつかトピックを絞ってお伝えしよう。
またそうした配信は,最初は放送局などの権利者に無許可で行われた。通常なら削除対象となるのだが,非常時であることからUstream Asiaが権利者に再配信の許諾を求めたところ,地上波/ラジオなど計13局が快諾したとのこと。
中川氏は,そのほかにも,報道番組が取り上げない被災地の実態をフリージャーナリストが配信したり,チャリティの呼びかけが行われたりしていることを挙げ,Ustreamが被災地支援に貢献していると述べた。
本作のディレクターを務めたゲームフリークの増田順一氏は,ポケモンの持つ子供っぽいイメージを変えるべく,一度分解して大人も遊べる内容に組み立て直したと述べる。スタッフによって一つ一つ行われた作業は,デジタルどころかアナログといっていい内容だったそうだ。
そして,「大賞/総務大臣賞」を獲得したのは,「AKB48 コンセプト」。審議会では,どちらも2010年の日本を代表するデジタルコンテンツとして評価しており,両者の差は僅差だったという。
デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’10/第 16 回 AMD アワード授賞作品一覧および授賞理由
■大賞/総務大臣賞 The AMD Grand Prize
AKB48 コンセプト
秋元 康氏
<大賞/総務大臣賞選考理由>
“会いに行けるアイドル”というコンセプトで、無名の少女たちが国民的アイドルになっていくプロセスを専用劇場で観せる企画。リアルの世界での活動に止まらず、業界初のテレビ電話オーディションの実施、実公演直後からのネット配信など、情報通信インフラの発展を無理なく巧みに活用して、リアルとバーチャルの新しい市場を創造した。
■AMD理事長賞 The AMD Chairman Award
ポケットモンスターブラック・ホワイト
株式会社ゲームフリーク
<AMD 理事長賞選考理由>
数多くの過去の資産を持つ大作であるにもかかわらず、モンスターを全種類一新。従来通りの作品性をよしとせず、新しいポケモンの世界を見せている。パソコンとの連動や通信機能の活用など、革新的要素も満載で、そのチャレンジ精神を高く評価する。結果として、幅広い層からの支持を得て、DSソフト史上最速で販売本数 500 万本を突破した。
■年間コンテンツ賞「優秀賞」The AMD Award
<作品名 50 音順>
IS Parade
AH Project Team/株式会社博報堂/株式会社スパイスボックス/株式会社ティー・ワイ・オー アイ・ディ事業部/株式会社 AID-DCC/千房けん輔氏
短文が羅列されるだけの Twitter を、フォロワーがプラカード型のキャラクターになってパレードに参加し、発言内容は吹き出しで表示され、ズームイン/アウトも可能とした。文字だけの表現を斬新な表示インタフェースで、美しく、かつ楽しく可視化することに成功している。
Android
Google Inc.
スマートフォンやタブレットPC等の携帯情報端末向けを主ターゲットに、オープンソースOSとして、先行するiOSを凌駕する普及実績を示し、スマートフォン等の新しい個人端末市場を活性化させた。
AKB48 コンセプト
秋元 康氏
専用劇場を作り、無名の少女たちが国民的アイドルになっていくプロセスを観せる企画に対して。その活動は、劇場の公演にとどまらず、現代の情報通信技術を活用することにより、リアルとバーチャルの新しい市場を創造した。
告白
「告白」製作委員会
中島哲也監督が、日本社会そのものを最新のデジタル映像で描く試みは、一つのジャンルを形成しており、映像表現の可能性を切り開き続けている。湊かなえの同名ベストセラーが原作の本作は、作品の評価だけでなく、3週連続で前週を上回る成績を残し、興収は38.5億円に達し、商業的成功も収めた。
コロニーな生活☆PLUS
株式会社コロプラ
携帯電話の位置情報送信機能を利用したシミュレーションゲーム、いわゆる「位置ゲー」のパイオニア的存在で、2010 年 4 月には 100 万ユーザーを突破、2011 年 2 月現在約 170 万ユーザー。近くのコロニーとのコミュニケーション機能や数多くのゲーム内アイテム等の取引以外にも、全国各地の老舗店舗や鉄道会社、旅行会社等と提携し、ゲームと連動させるなど、ゲームと現実をリンクさせて、地域活性化に寄与している。
Sony Presents「2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ 3D」
スカパーJSAT 株式会社/ソニー株式会社
国内初のW杯の3D中継。先例のない3D生中継を、スカパー!HDの3D専門チャネルでソニーとの共同作業により実現し、3D映像の迫力と魅力を認知させた。放送コンテンツのライブ3D化の可能性を示し、TVをはじめ劇場での利用など、ライブコンテンツへの活用が期待できる。
ポケットモンスターブラック・ホワイト
株式会社ゲームフリーク
4 年ぶりの完全新作となる今作では、150 種類以上の新たなポケモンが登場し、冒険の舞台も一新された。また、パソコンとの連動や、通信機能を活用した遊びの充実など、革新的な要素が満載である。子どもたちは勿論、大学生・社会人・親世代に至る幅広い層からの支持を得て、DSソフト史上最速で販売本数 500 万本を突破した。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
株式会社ダイヤモンド社
ドラッカーの経営書を、高校野球の女子マネージャーの行動を通して平易に解説することで、書籍の大ヒットとともに、電子書籍で10万部以上のダウンロードを達成した。我が国で「電子書籍元年」といわれた年のエポックとなった。
Ustream
Ustream Asia 株式会社
ライブの動画配信サービスで、個人の映像配信やプロのアーティストや放送局との連動配信など、誰もが簡単に生配信できるシステムを提供し、リアルタイム映像の面白さを世界に広めた。Twitter など他のアプリとも連動でき、ニュース報道のあり方を変える可能性も秘めた新しいソーシャルメディアプラットフォームを創出した。
■功労賞 The Life Achievement Award
トマ・シルデ氏(ジャパンエキスポ創立者)、
ジャン=フランスワ・デュフール氏(ジャパンエキスポ創立者)、
サンドリーヌ・デュフール氏(ジャパンエキスポ創立者)、
シボ・紗江氏(ジャパンエキスポ国際関係&コンテンツ担当)
10 年以上にわたり、フランスにおいて日本文化とエンターテインメントを紹介するジャパンエキスポを開催し、欧州最大のフェスティバルに育て上げ、アニメ・ゲーム等のデジタルコンテンツの欧州向け発信においても中心的な役割を果たしている。
■江並直美賞(新人賞) The Naomi Enami Award
児玉 裕一氏(映像ディレクター)
美しく端正な映像を、邪魔しない自然でシンプルなインタフェースを使ったインタラクティブな映像で、ネットでの商品紹介や通販のあり方やイメージを革新し、コマーシャルの新しい方法を提案し続けている。今後、どのような新しい映像を見せてくれるか、最も注目される映像作家の一人である。
■リージョナル賞 The Regional Achievement Award
あおもり映像コンテンツ・プロモーション事業
青森県企画政策部広報広聴課
職員が直接撮影・制作した映像素材を誰もが使えるよう動画共有サイトで公開し、地域発コンテンツ制作を促すという、オリジナルな企画であり、地域の創意工夫が込められている。アクセス数の伸長が活発で、2次創作品も投稿されるなど、事業のモデル性については非常に価値が高い。
- 関連タイトル:
ポケットモンスターブラック
- 関連タイトル:
ポケットモンスターホワイト
- この記事のURL:
キーワード
(C)2012 Pokémon. (C)1995-2012 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
(C)2012 Pokémon. (C)1995-2012 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。