インタビュー
コーエーとしても無双としても挑戦的な「北斗の拳」ゲームは,いかにして生まれたのか。「北斗無双」プロデューサー鯉沼久史氏にインタビュー
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今回4Gamerは,北斗無双のプロデューサーを務める鯉沼久史氏に,インタビューする機会を得た。原作の魅力を再現するうえで苦労したところや,無双らしさを表現するための工夫など,興味深い話が聞けたので,さっそくその内容をお届けしよう。
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「北斗無双」公式サイト
リテイクを繰り返して辿り着いた「北斗の拳」らしさ
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本日はよろしくお願いします。まず,「北斗の拳」と「無双」シリーズを組み合わせ,「北斗無双」という作品を作ろうと思ったきっかけから教えてください。
鯉沼氏:
「ガンダム無双」の成功をきっかけに,他社のIPを用いた作品を求めるファンの声が多く寄せられるようになりました。同時に,他社から話を持ちかけられる機会も増えました。ただ,何でも組み合わせればいいというわけでもないじゃないですか。やはり,自分が興味を持っていないとやれないものなので。
4Gamer:
そういった意味では,北斗の拳は理想的な原作だったわけですね。
鯉沼氏:
はい。北斗の拳は,子どもの頃よく読んでいたので,これならやれるんじゃないかというところから始まりました。原作の特徴上,バイオレンスな表現に関して,コーエーでは今まで手がけたことのないCERO「D」くらいにはなるだろうと,早い段階から認識していましたし,その辺の調整がとにかく大変でしたね。
会社のポリシーとして,今までCERO「C」までしか展開していなかったので,今回はそのあたりをクリアできてホッとしています。
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4Gamer:
北斗の拳のような原作だと,イメージを壊さないように作るのが非常に大変そうですね。
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そうですね。結局,ファンの方の脳内補完には勝てないと思うので。どんなに頑張っても,「想像したものと違う」と感じる方は出てしまうでしょう。ただ,北斗の拳はコミックスが1億冊以上売れていますし,関連ゲームやパチスロがリリースされている強力なIPです。そんな原作を,PS3やXbox 360などのマシンパワーを使って再現してみるのも,原作ファンにとっては興味深いところなのではないかと思います。
4Gamer:
やはりゲームを制作するにあたって,「北斗の拳」の原作をあらためて読み返したりも?
鯉沼氏:
はい。原作をリアルタイムで読んでいるとなると,私くらいの歳になってしまいますよね。現場のスタッフは,30代前半もいれば,原作が始まった頃にまだ生まれていない20代もいるので,この世代間のギャップを埋めるためにも,原作を読んでもらうところから始めました。今読んでも,原作の北斗の拳は面白いんですよね。例えば,昔の名作映画を今見ても面白いのと同じで,北斗の拳は素晴らしい作品なんだなと,あらためて思いました。
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4Gamer:
北斗神拳の内部破壊や,南斗水聖拳の刻み具合など,原作の雰囲気を上手くゲームで再現していると感じたのですが,原作を再現するにあたって,どのようなところで苦労しましたか?
鯉沼氏:
やはり原作をイメージすると,内部から破裂したり,刻まれたりする表現はどうしても必要です。そこに関しては,コーエーとしては非常に頑張った部分だと思います。あと,雑魚のモーションを大量に入れているんですけれども,そういった意味でも,原作をどう表現するか,かなりトライ&エラーなところがありましたね。
4Gamer:
雑魚のモーションを大量に,ですか。
鯉沼氏:
ええ。これは原哲夫先生にも言われたのですが,やはりあの世紀末を真面目に描こうとすると,グロいゲームになってしまうんですよ。なので,そうならないように,向かって来る敵は「いじめっ子が余裕しゃくしゃくの状態で突っ込んでくる」ような雰囲気で描いてほしいと注文されたんです。それを踏まえ,雑魚のアクションを何度も作り直しましたね。
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4Gamer:
なるほど。確かに雑魚の描写が割とコミカルで,残酷さがうまく薄れている印象は受けます。ちなみに,原先生の監修は,ゲームそのものにどれほど関わっているのでしょうか。
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そもそも原先生は,嫌なものはやらないらしいです(笑)。当然,ゲーム化するにあたって,原先生のチェックがありますと版権元さんからも言われていました。いざ開発となると,とくに,原作の重要なシーンや,幻闘編のオリジナルストーリーなどを念入りに監修していただきました。オリジナルストーリーに関しては,原作のイメージを壊さないラインで,どこまで遊べるかが勝負でしたね。
4Gamer:
やはり,シナリオの書き直しは結構ありましたか。
鯉沼氏:
はい。一番“遊べた”のはジャギとアミバのシナリオですかね。ネタバレになるかもしれませんが,ほかのシナリオは,原先生の指摘や,原作への想いもあって,夢オチ系になっているものもあります。
4Gamer:
ジャギとアミバのシナリオはかなりはっちゃけていましたが,よく実現できましたね……(笑)。
鯉沼氏:
あれは,原先生を説得して,ご理解いただいてなんとか実現できたんです(笑)。やはりこういった要素がないと,ゲームとしての面白みにかけると思うので。
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4Gamer:
シナリオもですが,キャラクターの衣装もゲームならではのアレンジが利いてますよね。
鯉沼氏:
「北斗の拳」を作るんだったら素直に作ろうと思ったんですけれども,今回は「北斗無双」ですから。折角なのでうちのオリジナル性も出そうということになりました。
ただ,最初はジャギがプロレスラーみたいなデザインで(笑)。原先生に「さすがにこれは駄目」と言われちゃいました。でも,最終的にはうちならではのオリジナル性を出せたなと思っています。
4Gamer:
ジャギがバズーカを背負っているところとか,すごくいいと思います(笑)。
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ありがとうございます(笑)。ちなみに,衣装よりもとくに原先生が気にしていたのは,キャラクターの筋肉のつき方とか,骨格なんです。意外なところでは“眉間のシワ”にもすごいこだわりがありまして。そういったところは,何度もリテイクが出ましたね。
4Gamer:
筋肉と眉間のシワですか……さすが原哲夫先生です。ダメージを受け過ぎると衣装が破けてしまうといった演出も,原作の雰囲気が良く表現されていますね。
鯉沼氏:
やはり原作でも,ケンシロウの肩パッドが吹き飛ぶシーンなどがありましたので,そういう細かいところまで,きちんと表現したいなと。
4Gamer:
とくにマミヤなんかは,すごくセクシーな感じでしたね。
鯉沼氏:
セクシー担当ですからね(笑)。北斗無双では,戦える女性がマミヤしかいないですし,そこは若干意識しました。
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(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証K01-001
(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.
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