2012年11月29日,Dellの日本法人であるデルは,ディスプレイ製品に関する戦略および新製品説明会を都内で開催した。後者の目玉は,11月15日に3万9980円(税込)で発売になり,高い注目を集めている横長ディスプレイ「
U2913WM」だが,
4Gamerではすでに同製品の概要をお伝え済みなので,今回は前者,
製品戦略周りを重点的にレポートしてみたい。
アスペクト比21:9,解像度2560×1080ドットの横長ディスプレイ,U2913WM
 |
 |
| 河田浩行氏(デル マーケティング統括本部 リレーション製品マーケティング本部 ブランドマネージャー) |
 |
| 製品戦略の概要。「スマートモニタ」というキーワードが軸となっている |
今回,説明会で壇上に立ったのは,デルでブランドマネージャーを務める
河田浩行氏だ。氏は,当初PCメーカーとして立ち上がったDellが,現在ではトータルソリューションプロバイダに成長したと位置づけたうえで,「PCやサーバー製品とマッチする周辺機器を,効率的,効果的,適時に顧客へ提供することが重要であり,トータルソリューションプロバイダとして,周辺機器事業に大きく力を注いでいる」と挨拶。そのうえで,その1つとして,ディスプレイの話を始めている。
河田氏によれば,Dellは「スマートなディスプレイ」(※デルの表現では「
スマートモニタ」)を拡充させていく方向にあるとのことだ。4K2Kやマルチタッチ,U2913WMに代表される超ワイドモデルといった,最先端の技術をいち早く採用するとともに,IPSに代表される広視野角パネル採用モデルを増やし,さらにデザインも,「作業のツールとしてだけではなく,インテリアにもなるような」(河田氏)方向で力を入れていくとのことだ。
さて,下のスライドは,Dellのディスプレイラインナップ構成である。縦軸はグレードを示しており,下のほうは主に企業向けのエントリーモデルや,そこに高さ調整機能や複数の入力インタフェースを備えるなどして使い勝手を向上させたモデルなので,今回は割愛する。注目してほしいのは,4Gamer読者のなかでもユーザーが多そうな「デジタルハイエンドシリーズ」の一部に,括弧書きで「メインストリーム」とある点だ。
Dell製ディスプレイのシリーズ体系をまとめたスライド
 |
AH IPSパネル採用のU2913WMで想定される用途
 |
デジタルハイエンドシリーズのなかで,製品名の末尾に「M」が付いたモデル――U2913WMはまさにそれだ――はメインストリーム市場向けという扱いになり,「高いパネル性能とスタイリッシュさ」(河田氏)がウリになるとのこと。Mの付かない最上位モデルでは,「色の再現性やRGB色域の広さ」(同氏)を実現する「Premier Color Technology」を採用し,工場出荷時の色チェックも行うモデルになるという。デジタルハイエンドシリーズの液晶ディスプレイを購入したいと考えている場合は,この点を押さえておくといいかもしれない。
ALIENWARE OptX AW2310
 |
ところで,上の表にALIENWAREブランドが含まれていないことに気づいただろうか。ALIENWAREブランドからは,2010年に「
ALIENWARE OptX AW2310」という3D立体視&垂直同期周波数120Hz対応のディスプレイが登場したきり,かれこれ3年近く新製品が出ていない。
果たしてALIENWAREブランドのディスプレイはどうなるのか。聞いてみたところ河田氏からは,次のような回答が返ってきた。
「今後,ALIENWAREのディスプレイを一切やらないというわけではないが,デルとして注力していくのはあくまでもこの(表に挙げた)シリーズのもの」
「デジタルハイエンドシリーズのスペックを,よりいっそう上げることによって,ゲーム用途でも使ってもらえるようにしていきたい」
 |
| Sシリーズの新型となる10点マルチタッチ対応の23インチフルHDディスプレイ「S2340T」 |
 |
| USB 3.0でノートPCなどと接続すると,タッチセンサーを含む各種機能を簡単に利用できるというのがウリだ。Dellとしては,タッチセンサー搭載ディスプレイにも力を入れていくという |
現在のところ,デジタルハイエンドシリーズのディスプレイは応答速度が8msで,速度性能という観点では他社のゲーマー向けモデルと比べて見劣りするが,Dellとしては,そこを改良することで,ゲーマー向けにも訴求できるものとしていく腹づもりのようだ。
「ALIENWAREブランドのディスプレイはもう出てこない可能性があるということか」と追加で質問したところ,返ってきた答えは「うーん(苦笑)。……『まあ,あえてここに書いてないのがどうかな』というところで,お考えいただければ」(※河田氏の発言ほぼママ。「まあ」が出てくるまでにはけっこう時間がかかった)ということなので,残念だが“そういうこと”なのだと理解しておくのが正解のようである。
ちなみに河田氏は,Windows 8のマルチタッチ対応ディスプレイに力を入れつつも,マルチタッチ対応製品の割合は全体の5割にいかない程度になるだろうとも述べていたので,デジタルハイエンドシリーズが全面的にマルチタッチ対応となってしまったりする心配はしなくてよさそうだ。デジタルハイエンドシリーズのゲーマー向け強化が実現する日を期待して待ちたい。
会場に展示されていたU2913WMの実機。写真では分かりにくいが,入力インタフェースはDVI-D,DisplayPort, Mini DisplayPort,HDMI,アナログRGB(D-Sub 15ピン)と充実している
 |
 |
OSDはタッチセンサーで操作するタイプ。色設定は「ゲーム」を含む複数のプリセットから選択する仕様で,「ユーザーカラー」を選択すると,RGB各色を設定できるようにもなっていた
 |
 |
 |