「Halo 3はPS3エクスクルーシブ6作品の合計より売れている」と，Xbox 360のプロダクトディレクターが挑発的なコメント

　好みのコンシューマ機を応援し，ライバル機のサポーターとネット上で言い争う“コンシューマー機論争”は，全世界のゲーマー達がやっていること。さらに，E3が近づくと「あの機種には，こんな新作が用意されている」とか，「有名開発者があの機種にエクスクルーシブタイトルを出す」といった新情報が次々に出てくるため，ゲーマーの論争もヒートアップしてくる。
　ファンはともかく，そうした言い争いに当事者であるプラットフォームホルダーの社員が実名で参加することはほとんどなかったのだが，MicrosoftでXbox 360のプロダクトディレクターを務めるアーロン・グリーンバーグ（Aaron Greenberg）氏は例外だったようだ。
　北米時間の6月9日，グリーンバーグ氏は自身のTwitterに「今，NPDのリサーチチームに教えてもらったけど，『Halo 3』はPlayStation 3のエクスクルーシブタイトル，つまりResistanceシリーズの2作とUnchartedシリーズの2作，そして『KILLZONE 2』，それから『God of War III』を足したものより売れてるんだってさ……スゲェ！」と挑発的な書き込みを行なったという。

　リサーチ会社であるNPD Groupから正式なデータが出ておらず，グリーンバーグ氏の発言の真偽を確認することはできないのだが，Xbox 360エクスクルーシブのHalo 3は，たしかに世界累計で1100万本を上回るセールスを記録したメガヒットタイトルだ。
　来週から始まるE3 2010に向け，MicrosoftおよびSony Computer Entertainmentとも，さまざまな新作の発表準備に追われているはず。そんなセンシティブな時期に，グリーンバーグ氏がどんな意図でそのような書き込みを行ったのか明らかではないが，ちょっと大人げない発言だったことは間違いないだろう。PlayStation 3のファンが反発するのは当たり前としても，名指しされたゲームのデベロッパが良い顔をするわけがない。


　この発言に対し， SCE英国法人のレイ・マガイア（Ray Maguire）氏は，Edge誌の質問を答える形で「我々はPlayStation 3のエクスクルーシブタイトルの販売実績には非常に満足しています。私は，プレイヤーにより良いゲーム体験をしてもらえる素晴らしいコンテンツを提供することに集中しており，他人が何をしようと，どんなことを言おうと気にはしていません」とコメントしている。

　グリーンバーグ氏は，これまでもPlayStation 3に対して非常に辛らつなコメントを繰り返しており，欧米のファンやメディアの間でその毒舌は有名だ。昨年（2009年）も，SCEの平井一夫氏がアメリカのメディアに「（欧米の販売台数は劣勢でも）ゲーム業界のリーダーとして新しいことに取り組んでいる」とコメントしたことに対し，「古ぼけたハードウェアメーカーが今のポジションで満足しているだけ」と反論している。
　PlayStation 3批判のコメントにリツイートすることもあり，かねてよりSCEへの対抗心をむき出しにしてきた。

　ただ，実際にゲーム開発に携わる業界人の間では「不景気をみんなで乗り切ろう」という風潮が強く，グリーンバーグ氏の「ライバルをぶっ倒せ」的な発言が好意的に取られることは少ないと思われる。フォーラムなどでも，現在のところグリーンバーグ氏を批判するコメントが多いようで，彼はいささか気まずい思いでE3を迎えることになるかもしれない。