「カウンターストライクオンライン」の世界大会「CSOWC」の決勝トーナメントをレポート。“ZOMBIE 4：DARKNESS”などのアップデート情報も公開

　オンラインFPS「カウンターストライクオンライン」（以下，CSO）の世界大会「Counter-Strike Online World Championship 2013」（以下，CSOWC）が2013年12月7日と8日の2日間，中国・上海市のE-Sports Arenaにて行なわれた。本稿では，大会2日目の模様を紹介していく。
　なお，CSOWCの大会概要と，初日に行なわれた予選トーナメントなどの模様は，以下の記事を参照してほしい。

関連記事：
「カウンターストライクオンライン」の世界大会「CSOWC」が中国・上海で開催。日本チームも参加した大会初日の予選をレポート

決勝戦は中国プロチーム同士の顔合わせに

　決勝トーナメントに出場したのは，グループA1位のTyloo（中国），と2位のVatreni（インドネシア），グループB1位のNew4（中国）と2位ProjectKR（韓国）という4チーム。そして決勝戦に残ったのは，TylooとNew4で，奇しくも中国プロチーム同士の顔合わせとなった。


　決勝戦は，オリジナル（爆弾解除）モードを2本先取というルール。第1試合（マップはdust2）は16-14でNew4が勝利したが，続いての第2試合（マップはtrain）はTylooが16-3で奪い返し，勝敗の行方は第3試合にもつれこんだ。
　第3試合（マップはsantrini）では，まずTylooがテロリスト（TR），New4がカウンターテロリスト（CT）となった。15ラウンドの折り返し時点で，Tylooが9-6のリードを保ち，ここでCT・TRのターンが入れ替わる。ここからのNew4の巻き返しに注目が集まったが，なんとTylooはほとんどのラウンドを防ぎ切り，結果16-7で勝利。CSOWC世界一クランの栄誉と，優勝賞金2万5千ドルを手にした。


　日本人からすると少々イメージしにくいが，中国における“プロゲーマー”は，人によってはアイドル並のステータスがあるという。お目当ての選手がキルを取ったときや，選手がメインスクリーンに大きく映し出される度，来場客は大盛り上がりであった。彼らにとって，中国プロチーム同士の決勝戦は，最も望んでいたカードだったことだろう。ただ個人的には，主催国とはいえ中国だけが2チーム参加というのは，“E-Sports”の観点で見ると改善の余地があるのでは，とも思えた。

CSOのアップデート「2014 ReBOOT」の内容が明らかに

Nexon Korea CSO開発チーム室長 アン・ビョンウク氏

　決勝戦の直前に，Nexon KoreaでCSO開発チームの室長を務めるアン・ビョンウク氏がステージに登場し，CSOで今冬に実装が予定されている大型アップデート「2014 ReBOOT」についての発表を行った。今回明らかにされた情報はあくまでも中国版のものあり，しかも現在開発中であることを前置きしたうえで，その内容をざっと紹介していこう。

　2014 ReBOOTでは，主に「クランシステムの拡張」と「新たなゾンビモードの追加」の2軸でアップデートが行われる。
　クランシステムでは“ファミリーシステム”と“クランマッチ”の機能が追加される。“ファミリー”は，従来のフレンドやクランとは別のコミュニティで，“家族”という言葉からも分かるように，より密接な関係を築けるという。たとえばストレージを共有したり，一緒にプレイしながらアチーブメント（実績）の解除を目指すなど，新しいプレイ目標が用意されるという。
　もう一方のクランマッチは，あらかじめ5名のメンバーを集めたうえで，オートマッチングへ申請して対戦を行うというもの。よりカジュアルにチーム戦を楽しめるとのことだ。


　続いてのゾンビモードだが，これは「Counter-Strike」が「CSO」になってから注力しているコンテンツで，従来のオリジナルモードより人気が高いそうだ。これまでは“ORIGINAL”“MUTANT”“HERO”の3種類のモードが用意されていたが，今回新たに“DARKNESS”なるモードが登場する。

　DARKNESSの実機映像は紹介されなかったが，アン・ビョンウク氏の説明を聞く限りでは，たとえばゾンビが自力で壁をよじ登るなど，さらにパワーアップするようだ。また，ゲーム内の時間の変化に応じてキャラクターの能力が変化し，たとえば夜間はゾンビが強力になり，ヒーローが弱体化される。日中になればそれが一転し，よりメリハリの利いたプレイが楽しめるというわけだ。また，ゾンビのグラフィックスに関しても，大々的にリニューアルされるとのことである。


　気になるのは日本版への導入だが，CSOのコンテンツは基本的に，サービスを行っている各国で共通しており，これまでのアップデートでもローカライズのタイムラグは比較的少なめ。もしかすると2013年内に，何らかの情報が発表される可能性もあるので，注目しよう。

ステージではゾンビつながりということで，Micheal Jacksonの代表曲“Thriller”“Smooth Criminal”のダンスが披露された

　CSOWC 2013の2日目の内容は以上の通りだ。日本チームの選手達は，最初こそ決勝トーナメントを観戦していたが，途中でウズウズし始めてきたのか，他国のチームと交流戦を行うなど，オフラインでの世界大会という一大イベントを大いに楽しんでいたようだ。来年のCSOWCでは，日本チームのさらなる飛躍に期待したい。

　最後に，今回のCSOWCで日本選手ならびに運営スタッフが着用していたユニフォーム（パーカー）を各1着頂いたので，読者プレゼントとして提供したい。詳しくは，今週末に掲載予定の「Weekly 4Gamer」をチェックしてほしい。

「カウンターストライクオンライン」公式サイト