連載
インディーズゲームの小部屋:Room#527「Super Daryl Deluxe」
今さらながら,天宮1号がどこに落下したのか気になって仕方がない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第527回は,Dan & Gary Gamesの「Super Daryl Deluxe」を紹介する。本作は,何の変哲もない学校に転校してきた普通の高校生が,友達を作るために校内を奔走するアクションRPGだ。結局どうなったことやら……。
本作の舞台となるのは,教室がさまざまな異次元空間につながった,どこにでもあるごく普通の学校,ウォーターフォール高校。どこの学校でもそうであるように,ウォーターフォール高校では生徒や教職員が行方不明になり,あちこちの教室は何週間も閉鎖されているという有様だ。そう,ウォーターフォール高校ではこれといった事件は何もなかった……一人の生徒が転校してくるまでは。
その生徒の名はダリル。典型的なアメリカのオタクといった,見るからに冴えない感じの少年である。ダリルのたった一つの目的は,この学校で友達を作ること。転校初日に話しかけたポールとアランは,しぶしぶダリルの友達になってやる代わりに,彼らのためにあるものを手に入れてくるように指示する。パシリ?
というわけで,ダリルは友達(?)から次々と吹っかけられる無理難題に応えるため,校内を奔走することに。本作は横スクロールのアクションRPGで,異次元空間と化した教室に出没する敵を倒して経験値を得ることでレベルアップしていく。ダリルは一度に4つのスキルを装備可能で,それぞれのスキルにはクールタイムが設定されている。これを駆使して,ネズミやコウモリやお化け,さらにはもっとヘンテコな敵と戦うのだ。
本作には40種類以上のスキルがあり,ポールとアランに教科書を渡すことで新しいスキルを教えてもらえる。この学校ではなぜか教科書が不足しているようで,密かに高値で取引されており,2人はダリルをこの闇の教科書ビジネス(?)の手先として利用しようというのだ。各スキルは個別にランクアップさせて強化できるので,自分のスタイルに合わせてスキルをセットしよう。
そんな本作の大きな魅力は,実にバカバカしいストーリーやキャラクター,思わず吹き出してしまうツッコミどころ満載の会話など,ゲームの随所にあふれるほど詰め込まれたユーモアだ。副校長の名前がミスター・ロバットという時点で,筆者としてはドモアリガットと言いたくなるところだが,冒険エリアとなる教室の扉の先では歴史上の偉人達が登場し,誰も彼もが一応は自身のエピソードなどを下敷きとしたハチャメチャな会話や依頼をしてくるので,笑いが止まらない。
かなりのボリュームがあるこれらの会話を十分に満喫するには,それなりの英語力が必要となるのがつらいところだが,コメディが好きな人なら,楽しめること間違いなし。サイドクエストも豊富に用意されており,遊び応えも十分だ。そんな本作はSteamにて2050円で発売中なので,ダリルと一緒に普通の高校生活を送りたい人はぜひどうぞ。これは日本語化してほしい!
■「Super Daryl Deluxe」公式サイト
https://danandgarygames.com/superdaryldeluxe- この記事のURL:
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