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インディーズゲームの小部屋:Room#462(番外編)「2016年 人気タイトルベスト10」
「インディーズゲームの小部屋」の第462回は,番外編として「2016年 人気タイトルベスト10」をお届けする。つまりどういうことかというと,今年1年間に取り上げたタイトルの中から読者の人気が高かったものを,ランキング形式で振り返ってみようというわけだ。うん,いつもどおりの年末企画ですね!
ちなみに,2016年は計47タイトルを紹介してきたが,あれー,去年より水曜の休日が少なかったのかな……。それはさておき,今回はどんなタイトルが人気を集めていたのか,本連載を毎日10回は音読し,週に100回は書き写しているという熱心なファンも,ぜひチェックしてほしい。それでは,第10位から行ってみよう!
第10位「That Dragon, Cancer」
第10位は,末期の小児がんに冒されて5歳で亡くなった男の子と,その家族の物語を描いたアドベンチャーゲーム「That Dragon, Cancer」。本作はプログラマーのライアン・グリーン氏と,その妻であり本作のシナリオを手がけたエイミー・グリーン氏が,息子ジョエル君をしのんで制作したもの。淡い色づかいの幻想的なグラフィックスと,胸に迫る演出が強く印象に残る作品だ。うう,切ない……。
「That Dragon, Cancer」公式サイト
第9位「Samorost 3」
第9位は,Amanita Designのポイント&クリック型アドベンチャー「Samorost 3」。前作「Samorost 2」から約11年ぶりとなるシリーズ最新作だが,ストーリー的なつながりはないので本作から遊び始めても大丈夫。プレイヤーはおなじみの宇宙ノームを操作して,いくつもの不思議な星を探検していくことに。Amanita Designならではの,緻密に描かれた摩訶不思議なビジュアルが大きな魅力だ。
「Samorost 3」公式サイト
第8位「DarkMaus」
第8位は,名も無きネズミとなって,ネクロマンサーに支配された世界で冒険を繰り広げるというアクションRPG「DarkMaus」。さながら,ネズミを主人公にした2D見下ろし型の「DARK SOULS」といったゲーム性で,敵を倒して手に入れた骨髄を焚き火に持ち帰ることでキャラクターを強化していく。もちろん,戦闘も「DARK SOULS」を彷彿させる高難度で,手に汗握るどころか胃に穴が開きそうなバトルを満喫できる。
「DarkMaus」公式サイト
第7位「BLUE REVOLVER」
第7位は,カラフルな色づかいによるハイセンスなグラフィックスが魅力の縦スクロールシューティング「BLUE REVOLVER」がランクイン。ケイブやライジングのシューティングゲームにインスパイアされたという作品で,地上と空中からわんさかと出現する敵を豪快に破壊していく,王道スタイルのゲームプレイが味わえる。イラストレーターのwoof氏によるイラストと,高揚感をかき立てる音楽も注目ポイントだ。
「BLUE REVOLVER」公式サイト
第6位「VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action」
第6位は,Sukeban Gamesのアドベンチャーゲーム「VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action」。プレイヤーはダウンタウンにある小さなバー「VA-11 Hall-A」(ヴァルハラ)のバーテンダーとなり,一癖も二癖もある客達に注文どおりのカクテルを提供していく。サイバーパンクな雰囲気と,客との会話を通じて少しずつ明らかになっていく人間関係や物語が魅力の作品だ。日本語化希望!
「VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action」公式サイト
第5位「INSIDE」
第5位は,「LIMBO」の開発元として知られるPlaydeadの新作横スクロールアクション「INSIDE」。プレイヤーは謎のプロジェクトに巻き込まれた少年を操作して,理由も分からぬまま追っ手から逃げ続けることに。モノトーンを基調としたグラフィックスと,BGMのない環境音のみのサウンドが相まって,本作の不気味な世界観をより引き立たせている。ラストの展開はかなり衝撃的なので,ぜひ自分の目で確かめてみてほしい。
「INSIDE」公式サイト
第4位「Roguelands」
第4位は,ローグライクな横スクロールアクションRPG「Roguelands」。銀河軍の士官となって,次元の裂け目から解き放たれた太古の“破壊者”と戦うという本作。死亡するとレベルや装備がリセットされてしまうのがローグライクのお約束だが,本作では宇宙船に保管していたアイテムの持ち越しが可能。プレイするたびに変化するステージや多彩なクラフト要素もあり,遊び応えは十分だ。
「Roguelands」公式Facebook
第3位「Momodora: Reverie Under the Moonlight」
第3位は,死者の国と化した王国で冒険を繰り広げる横スクロールアクション「Momodora: Reverie Under the Moonlight」(邦題「MOMODORA: 月下のレクイエム」)。魔力の込められたカエデの葉を使った近接攻撃と,弓矢による遠隔攻撃を使い分け,次々と襲ってくるモンスターを撃退していこう。細部まで描かれた可愛らしいドット絵と,キビキビしたアクションが魅力で,丁寧な日本語ローカライズが行われている点も見逃せない。
「Momodora: Reverie Under the Moonlight」公式サイト
第2位「Hyper Light Drifter」
第2位は,物寂しい廃墟のような世界を舞台にしたアクションRPG「Hyper Light Drifter」。銃と剣,2種類の武器とダッシュによる高速移動を駆使して,ハイスピードなバトルを楽しめる。集めたICチップを使って新たな武器やスキルを入手し,キャラクターを強化していこう。NPCの会話が吹き出しのなかにイラストで表示されるのが特徴で,「天空の城ラピュタ」にも通じる,滅びと静寂を感じさせる幻想的なビジュアルは必見だ。
「Hyper Light Drifter」公式サイト
第1位「Rabi-Ribi」
そして2016年の第1位に輝いたのは,どこからどう見てもバニーガールなウサ耳娘が主人公の横スクロールアクション「Rabi-Ribi」。そうかー,みんなそんなにバニーちゃんが好きかー。その気持ち,しかと受け止めたよ! 元はウサギだった主人公のエリナを捕まえようとするウサギ大好き人間達を撃退しながら,はぐれてしまったご主人のもとを目指すという本作。可愛らしいグラフィックスと,ほんわかした世界観が魅力的で,ばっちり日本語ローカライズされているのも嬉しいところ。もちろん,探索型アクションゲームとしてしっかり楽しめる内容なので,未プレイの人はこの機会にぜひどうぞ。
「Rabi-Ribi」公式サイト
というわけで,これにて2016年の「インディーズゲームの小部屋」も無事終了。何だかんだで,みんな可愛い女の子が大好きなことが分かったので,来年はそんなゲームをどんどん紹介していきたいなあ。
最後に,ランキングには入らなかったものの筆者のオススメとして,「Flowery」や「風ノ旅ビト」で知られるthatgamecompanyの海洋探索アドベンチャー「ABZÛ」を挙げさせていただきたい。圧倒的な海中描写に目を奪われること間違いなしのゲームなので,こちらも年末年始のゲーム選びの候補に加えてもらえれば幸いだ。
それでは皆様,良いお年を!
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