連載
インディーズゲームの小部屋:Room#409「Full Bore」
今年も結局,異世界に召喚されたり,前世の記憶に目覚めたりしそうにない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第409回は,Whole Hog Gamesが開発した「Full Bore」を紹介する。本作は,ひょんなことから鉱山で働かされることになってしまったイノシシを操作して,地底にある宝石を掘り集めていくというパズルゲームだ。来年こそは,異能の力に目覚めますように……。
ある時,主人公のイノシシ(オスのFrederickと,メスのHildiのどちらかを選択可能)が散歩の途中で見つけた花畑に足を踏み入れたところ,なぜか地中に埋められていた大量の地雷が爆発。彼(彼女)は深い縦穴に落ちてしまう。
仕方なく,地底を探索しているとロケットを発見し,それに乗り込んでみたところ,ロケットはぐんぐん上昇して地上に……と思いきや,途中にあったFull Bore Mining Companyの金庫に激突。金庫破りと間違われてしまった主人公は,盗んだ(と勘違いされた)宝石をすべて集めてくるまで,鉱山で働かされることに。これはとんだ超展開……じゃなかった,災難ですね。
さて,そんなわけで鉱山で宝石集めをすることになったイノシシだが,そのためにできる基本的なアクションは,自分の上下左右にある土を掘ることと,その場で足踏みして衝撃を与え,周辺にある砂を崩したり,岩などのブロックを落下させたりすることの2つ。ブロックは真下を掘ると支えを失って落下する性質があり,それをぐいぐい押して動かして足場に利用したりできる。
また,イノシシは1段ぶんの高さがある段差を上れるが,ジャンプはできないので要注意。適当に穴を掘っていると地形にハマって抜け出せなくなってしまったりするが,そんなときは時間を少しだけ巻き戻せる機能(というか能力?)を使ってやり直しができる。本作では,きちんと順番を考えながら穴を掘らないと取れない宝石があちこちにあるので,手詰まりになってしまったときにも,この巻き戻し機能が大いに役に立つ。
地底に広がる鉱山は,ほかのエリアに通じるドアやワープゾーンでつながった広大な作りになっており,好きな場所から自由に探索できる。エリア同士のつながりはマップで確認でき,まだ入手していない宝石がある場所なども表示されるので,それを手掛かりに鉱山を探索していこう。地表に近いエリアは比較的すぐに取れる宝石が多いが,地下深くなるほどパズルがややこしくなっていくうえ,たくさんの隠し部屋があるので,怪しい場所はじっくりと調べておきたいところだ。
地底にはほかのイノシシやモグラなどの作業員がおり,さらに地下深く潜るためには,彼らの助けを借りなければならないこともある。また,ところどころにコンピュータの端末が置いてあり,どうやらこの世界の秘密と関係ありそうな,謎めいたメッセージを読むことができる。そうかと思えば,遺跡のような不思議な場所や,墓場のような不気味なエリアなどもあり,地底世界は非常に変化に富んでいる。
時には素早い操作を要求される場面はあるものの,本作には触れただけでミスになってしまうような敵や障害物は登場せず,パズルと探索に重点を置いた作りになっているので,パズルゲーム好きな人はぜひお試しを。そんな本作は,Steamにて1480円で発売中だ。
■「Full Bore」公式サイト
http://www.wholehog-games.com/fullbore/- この記事のURL:
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