インディーズゲームの小部屋：Room＃388「Adventure in the Tower of Flight」

　蚊取り線香とキンカンの匂いをかぐと，遠い夏の日のことを思い出す筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第388回は，Pixel Barrage Entertainmentの「Adventure in the Tower of Flight」を紹介する。本作は，5つの秘宝を探し求めて，高い塔を登っていくという，レトロスタイルのアクションゲームだ。でも，今の部屋にはゲーム機やPCなどがたくさんあるので，部屋の中で蚊取り線香をたくのは無理ゲーです……。

　遙か昔，世界は5つの国々に分かれており，それぞれの国は，国を導き守護する神の秘宝を所有していた。しかし，5人の王はさらなる力と富を求めて互いに争いを繰り返し，数えきれないほどの兵士と国民が，王の強欲のために命を落としていった。そのことを嘆いた神はすべての国から秘宝を取り上げ，海の真ん中にある島に果てしなく高い塔を建てて，その中に隠してしまったという。


　本作の主人公となるのは，そんな塔にやって来たウィングという名の冒険家。伝説によると，5つの秘宝をすべて集めた者は，この世界の王になれるという。果たしてウィングは，見事秘宝を手中に収めることができるのだろうか……。
　というわけで，プレイヤーはウィングを操作して，秘宝が隠されているという高い塔を登っていくことに。ウィングの操作は，方向キーでの移動に加え，ジャンプ，アタック，ダッシュの3つのキーで行う。


　ゲームの基本は，敵の攻撃をかいくぐりながら塔の中を探索し，どこかにある扉に入ってさらに先を目指すというもの。特徴的なのはジャンプの挙動で，ジャンプボタンを押すと，画面左上にあるゲージが続く限り空中を浮遊できる。小刻みにボタンを押すことで，空中で制止したり，真横に飛んだりといった動きも可能で，例えるなら「スーパーマリオブラザーズ」の水中ステージのような操作感覚だ。


　また，塔の中にはなぜかお店があり，道中で拾い集めたコインや羽を使って，体力の上限をアップさせる薬などのアイテムを購入できる。ステージのあちこちに隠し通路や隠し部屋があり，その先に大量のコインなどが落ちていることがあるので，隅々まで探してみるといいだろう。さらに要所でボス戦が発生するのも，いいアクセントになっている。


　あっと驚くような仕掛けはないが，ファミコン時代を思わせるカラフルな色合いのドット絵と，軽快なBGMが魅力的で，全体的に丁寧に作られたアクションゲームに仕上がっているので，レトロゲームが好きな人はぜひお試しを。
　ところで，ウィングは羽の生えた不思議な帽子をかぶっており，どうやらこの羽をはばたかせて飛んでいるようだが，首がもげてしまわないか，ちょっと心配だ。そんな本作は，Steamにて1480円で発売中です。

■「Adventure in the Tower of Flight」公式サイト

http://www.pixelbarrage.com/TowerOfFlight/