連載
インディーズゲームの小部屋:Room#386「Snakebird」
週末に熱海で一泊して,釣りをして温泉に入ってきたら,行く前よりもかえってヘロヘロになってしまった筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第386回は,Noumenon Gamesの「Snakebird」を紹介する。本作は,ヘビのような鳥,スネークバードを操作してゴールまで導くというパズルゲームだ。なんだろう,この敗北感……。
エサを食べると,どんどん体が長くなっていくヘビを操作して,自分の体や周囲の壁にぶつからないように移動しながらエサを食べ続けていくゲームを,俗に“スネークゲーム”と呼ぶが,本作はこれを真横視点から見たようなパズルゲームだ。ゲームのルールは簡単で,ヘビのように体の長いヘンテコな鳥,スネークバードを操作し,ステージ内のフルーツをすべて食べさせてゴールに到着できればクリアとなる。
なぜこれが鳥なのか,どう見てもせいぜい芋虫ではないか,というか普通にヘビじゃダメだったのか,など疑問は尽きないが,とにかくスネークバードはフルーツを食べるたびに体が伸びていくというのが本作のミソ。そんなスネークバードをウネウネグニグニと動かして,ただゴールインすればいいだけなのだが……これが見た目以上に難しい。
一見すると単純そうに見えるステージでも,いざプレイを始めると,どれも簡単にはクリアできない作りになっており,思わず頭を抱えてしまう。スネークバードは自分の体にぶつかってもゲームオーバーにはならないものの,自分の体が邪魔になって動けなくなり,にっちもさっちもいかなくなってしまう。これが,本作でよくある失敗パターンその1。
そしてもう1つの罠が,ステージからの落下だ。スネークバードは体の一部でも足場に引っかかっていれば体を保持できるが,ちょっと左右に動いた拍子にシッポが足場から離れたりすると,あっという間に転落してやり直しになる。「あっ,フルーツだ!」と思って,何も考えずに飛びつくと,だいたいこの2つのパターンのどちらかにハマるという寸法だ。というか,筆者の場合,よく考えたつもりでもしょっちゅう失敗している。
ゲームを少し進めると,複数のスネークバードが登場するようになり,操作キャラを切り替えながらステージを攻略していくことになる。スネークバードは,ほかのスネークバードで押したり,持ち上げたりできるので,1匹では届かないような位置にある足場を,お互いに支え合いながら突破していこう。
複数のスネークバードが登場するステージでは,すべてをゴールまで誘導しないといけないのだが,このあたりになってくると,いよいよ本格的に難度が上がり,かしこさが255あるとされる(自己申告)筆者でも,思わず悲鳴を上げずにいられない。本作には,そんな激ムズステージが50以上も収録されているので,想像しただけで眩暈がしてきそうだ。
しかし,そのぶん自力で考え抜いてステージをクリアできたときの達成感は格別。そしてまた次のステージで悶絶するわけだが,純粋なパズルゲームとして遊び応えのある一本なので,かしこさに自信のある人はぜひどうぞ。そんな本作は,Steamにて698円で発売中だ。それにしても,スネークバードを見ると「モーラー」というおもちゃを思い出してしまうのは筆者だけだろうか……。
■「Snakebird」公式サイト
http://snakebird.noumenongames.com/- この記事のURL:
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