インディーズゲームの小部屋：Room＃382「The Next Penelope」

　ブーツカットのデニムを探し求めて街を歩き回ってみたものの，今やすっかり絶滅危惧種となっていて涙目の筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第382回は，フランスはパリに在住しているゲーム開発者，Aurelien Regard氏がたった一人で作り上げた「The Next Penelope」を紹介する。本作は，宇宙船型のマシンを操作して，銀河のあちこちでレースを繰り広げるアクションゲームだ。まあ，そのうち流行が一巡するよね……。ていうか，してください。お願いします。


　本作のストーリーは，はるか遠い未来の銀河で，主人公のペネロペが夫であるオデュッセウスの行方を探してあちこちの惑星に向かうというもの。しかし，それぞれの惑星はミノタウロスやセイレーンといった魔物に支配されており，さらにペネロペを捕えようとする求婚者達が次々とレースを挑んでくる。
　ギリシア神話では，オデュッセウスがトロイア遠征に加わった際，留守を任されたペネロペの美しさに引かれた108人の求婚者が押し掛けたというエピソードがあり，ゲームの設定もこれを下敷きにしているというわけだ。


　本作は一応，真上見下ろし型のレースゲームだが，自機は自動で前進する仕組みになっており，アクセルやブレーキはない。コース上には加速ゾーンや減速ゾーンなどがあり，これらをうまく活用しながら左右のハンドル操作のみでコースを攻略していく。
　そしてもう1つ，自機に装備されたさまざまな武器や装置を使って，邪魔なライバルや障害物を吹き飛ばしたり回避したりといった，シューティングゲーム的な要素がプラスされているのが特徴だ。


　自機の装備には，ブーストやテレポートといった移動用のものから，プラズマガンや地雷などの敵を直接攻撃できるものまであり，新たな惑星に行くたびに1つずつ追加されていく。ただし，これらの武装を使用するためには一定量のエネルギーが必要なので要注意。
　自機のエネルギーはコースの外壁に激突しても減少し，これがゼロになると自機は爆発四散してしまう。減ってしまったエネルギーは回復ゾーンを通過するか，地雷を使って敵から吸収することで回復できる。


　コースのクリア条件は，“どんな手を使ってでも”1位を獲得せよとか，地雷を使って自機のエネルギーを満タンにしろといった具合にコースごとに設定されており，惑星の最後にはボス戦が待ち構えている。下に掲載したムービーを見てもらえば分かるように，ボス戦はもはやレースというよりシューティングゲームのような雰囲気で，白熱のバトルが楽しめる。
　また，レースに勝利することで得られる経験値を使って自機を強化することもできるので，どうしてもクリアできないときは繰り返しプレイで経験値を稼ぐといいだろう。


　シンプルながら美しい，ソリッドな雰囲気のグラフィックスと，レースゲームとシューティングを融合させたゲームシステムが魅力的な本作。友達がいない筆者は試せていないが，ローカルでの4人対戦プレイにも対応しているので，興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにて1280円で発売中だ。

■「The Next Penelope」公式サイト

http://www.the-next-penelope.com/