連載
インディーズゲームの小部屋:Room#377「Into The Gloom」
お昼にコンビニでカレーを買ったら,スプーンじゃなくてお箸が入っていて悶絶した筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第377回は,earrgamesの「Into The Gloom」を紹介する。本作は,病室でこん睡状態になっている少年の無意識下を舞台にしたホラーゲームだ。これはやっぱりアレですかね,カレーは飲み物だからスプーンは使わないってことなんだろうか……。もちろん,ご飯はおかずということで。
ゲームは,どこかの薄暗い病院の一室から始まる。しかし,この病室,ベッドには血のりがべっとりだし,まるで人の気配が感じられないしで,どこかおかしい。病室を出て病院内を歩き回ってみても,やはり無人で不気味な雰囲気だ。だが,とある部屋で見つけたカルテによると,イーサンという名前の17歳の少年が,頭部の外科手術の後遺症で意識不明の状態になっていることが分かる。これって,もしかして……。
本作は一人称視点のアドベンチャーで,プレイヤーはどことも知れない,この悪夢めいた場所を探索することに。白と黒と赤の3色のみを使用したシンプルなグラフィックスが大きな特徴だが,それがかえって不気味さを引き立てており,まさに一寸先は闇といった雰囲気。病院内は,なぜかあちこちに血のりが付いていたり,壁に不吉なメッセージが残されていたり,死体が吊るされていたりと,只事ではない。
ゲームの進め方としては,鍵を探して扉を開けたり,アイテムを見つけて仕掛けを動かしたりといった感じだが,病院内には不気味な黒い影がうろつき回っているのが怖い。この影は触れても害はなく,とくに何をしてくるわけでもないが,真っ暗な通路で不意に出会うと椅子から飛び上がるほどに怖い。というか,実際に何度もビクッとしてしまった。てへへ。
さらに,ゲームを進めると触れただけでバッドエンディング行きになってしまう死神(?)が登場し,ますます気が抜けない。本作は,5通りのマルチエンディングになっており,ゲーム内でどのような行動を取ったかによって分岐する。初回プレイでも,2〜3時間もあればクリアできるボリュームで,中にはかなり複雑な条件のエンディングもあるので,すべてを見てみるのも面白いだろう。
そして最後に1つ付け加えておきたいのは,本作ではサウンド面でもかなり怖いという点。これはぜひ,ヘッドフォンなどでのプレイをお勧めしたい。モノクロ画面の「マインクラフト」みたいなグラフィックスで,見た目よりも全体の雰囲気とふいにお化けが現れるドッキリ感で怖がらせるゲームなので,グロテスクな絵が苦手な人でも安心(?)。Steamでの販売価格は298円と非常にお手頃なので,ホラーゲームが好きな人はぜひどうぞ。
■「Into The Gloom」公式サイト
http://flyinginteractive.com/intothegloom/- この記事のURL:
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