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インディーズゲームの小部屋:Room#375「Dyscourse」
唐突ながら,本日で感動の最終回を迎えることとなった「インディーズゲームの小部屋」の第375回は,Owlchemy Labsの「Dyscourse」を紹介する。本作は,飛行機事故で無人島に墜落した生存者となって,数人の仲間とサバイバルを繰り広げるというアドベンチャーゲームだ。ところで今日は何の日でしょうか? つまり,どういうことかと言うと,もうちっとだけ続くんじゃ。
本作の主人公となるリタは,アートスクールを卒業してバリスタになったばかり。しかし,不幸なことに彼女の乗った飛行機が砂漠だらけの無人島に墜落してしまったから,さあ大変。同じように墜落事故から生存したほかの乗客達と協力して,困難を乗り越えていかなくてはならない。ちなみに,バリスタと言っても攻城兵器のことではなく,コーヒーを入れるほうです。
リタ以外の生存者は,お人よしのジョージと自己中心的なジョリーンの夫妻,パラノイア気味のテディー,ゲームおたくのギャレット,うつ病っぽいスティーブという,一癖も二癖もある連中ばかり。どう考えても,一致団結して協力できそうにないメンツだが,リタの役目はそんな彼らの意見を聞いて,どれを採用するかを決めることだ。
例えば,仲間が合流した直後には,ジョリーンがイノシシを捕まえて食料にしようと提案すれば,テディーはまずは外部にSOSを伝える手段を探すべきと主張し,それに対してスティーブが飛行機の残骸から役に立ちそうなものがないか調べるのが先だと言い出す始末。どの意見も,それぞれ一理ありそうだが,果たしてどうするべきか。
本作では,こんな時に誰の提案を採用するかで,その後の展開がさまざまに変化していく。しかし結局のところ,どの選択肢を選んでも,大体において不幸な出来事から逃れることはできないようで,そのつもりはないのに事態はどんどん悪いほうへ……。
筆者の場合,まずジョージが野生動物に襲われて死亡し,次にギャレットが島の探索中に事故死,さらにテディーまでが予想外のアクシデントで死んでしまい,気づけば生き残りはジョリーンとスティーブのみに。マジですか!?
さらにその後,ジョリーンまで死んでしまったところで,ようやく救助隊のヘリコプターがやって来て,スティーブと2人で島から脱出できた。助けに来るのが遅すぎるよ!
しかし,もしかしたらもっと多くの命を救える選択肢があったのかもしれないと思ったら居ても立ってもいられなくなり,筆者はすぐに2周めのプレイを始めてしまった。ある程度,英語が得意な人であれば,テキストをてきぱきと読み進めていけば,大体1〜2時間程度で1周できるぐらいのボリュームなので,周回プレイにもちょうどいい。
どうにも,シナリオの都合で半ば強制的にひどい目に遭わされていると感じる部分がないでもないが,さまざまな選択肢を試してみたくなるゲーム展開と,独特のグラフィックスは本作の大きな魅力だ。そんな本作はSteamにて1480円で発売中なので,興味を持った人はぜひどうぞ。
■「Dyscourse」公式サイト
http://www.dyscourse.com/- この記事のURL:
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