連載
インディーズゲームの小部屋:Room#374「Woolfe - The Red Hood Diaries」
このところ,くしゃみと鼻水が止まらない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第374回は,GRINの「Woolfe - The Red Hood Diaries」を紹介する。本作は,復讐に燃える赤ずきんちゃんが,斧を振り回しておもちゃの兵隊や狼の群れと戦うアクションゲームだ。これはやっぱり,花粉的なアレが原因ですかね。うう。
本作の主人公は,赤ずきんならぬ“Red Riding Hood”。彼女は,2週間前にこのウルリカの街に戻ってきたばかりだ。それは,4年前に父親が死んだ事件の真相を探るためである。公には,仕事場での事故ということにされているが,赤ずきんちゃんはその話をこれっぽちも信じておらず,生前に父親が働いていた工場の経営者である“B.B. Woolfe”という男が怪しいとにらんでいる。
そして,隠れ家として借りていた埃っぽい屋根裏部屋から,人目を避けて夜中にこっそりと街に出た赤ずきんちゃんは,事件の調査を行いながら,B.B. Woolfeの居場所を追跡することに……。
本作は比較的シンプルなアクションゲームで,プレイヤーは赤ずきんちゃんを操作して,斧を使った攻撃やジャンプを駆使してステージを攻略していく。久しぶりに戻ってきたウルリカの街は,背中に大きなぜんまいが付いたおもちゃの兵隊達に支配されており,赤ずきんちゃんを見つけるといっせいに襲い掛かってくる。赤ずきんちゃんの攻撃には,通常攻撃とヘビーアタックがあり,このほかに斧を使った3種類の特殊攻撃があるので,状況に応じて使い分けよう。
ステージ構成は,時折,レバーやハンドルを操作して足場を動かしたり,扉を開けたりといったギミックがあるものの,基本的には障害物を飛び越えたり,足場を渡ったりといったジャンプアクションがメイン。それほど難しいアクションが要求されるわけではないが,ステージの先に何があるのか知らないと絶対にミスしてしまう,いわゆる“初見殺し”な場所がやや多いという印象だ。とはいえ,すぐに直前からリスタートできるので,それほどストレスが溜まることはないだろう。
一見すると,「アリス イン ナイトメア」のような雰囲気の本作だが,オープニングのモノローグで赤ずきんちゃんが「これは童話ではない」ときっぱり断言しているとおり,必ずしも童話を下敷きにしたストーリーが展開されるというわけではない。とは言え,街で起きている少女達の誘拐事件の黒幕に“笛吹き男”が登場したり,赤ずきんちゃんの仇敵の名前が狼を意味していたりと,ところどころにそうしたエッセンスが織り込まれてはいる。
独特の雰囲気を持ったグラフィックスが魅力的な本作だが,ゲームは3時間程度で終わるボリュームで,純粋にアクションゲームとして見ると,ちょっと物足りなさが残るかもしれない。どうやら,物語はこれで終わっておらず,ラストは「えっ!」というシーンで“To be continued...”と表示されるので,続編にも期待したいところだ。
また,筆者はあとから気づいたのだが,本作は日本語字幕に対応しており,英語が苦手な人でも安心して楽しめる。ダークな赤ずきんちゃんの活躍に心惹かれた人は,ぜひプレイしてみてほしい。そんな本作は,Steamにて980円で発売中だ。
■「Woolfe - The Red Hood Diaries」公式サイト
http://woolfegame.com/- 関連タイトル:
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