連載
インディーズゲームの小部屋:Room#322「Shipwreck」
本作は,とある島に流れ着いた主人公となり,島から出る方法を探して冒険を繰り広げるという「ゼルダの伝説」風アクションアドベンチャーだ。
いやだなあ,もちろん仕事に決まってるじゃないですか……あっ,うか様だ!
ゲームは,激しい嵐の夜に乗っていた船が難破してしまい,主人公がとある島の浜辺に漂着するところから始まる。幸いこの島には人が住んでおり,宿屋で一晩過ごして嵐をしのいだ主人公は,翌日,村長のもとを訪れる。村長の話によると,近頃,島では嵐がひんぱんに起こっており,それは灯台に棲みついた悪霊の仕業なのだという。その嵐のために,島から船を出航させることもできないのだ。
島から出るためには,どうにか悪霊を退治するしかないのだが,灯台には4つの封印が施されており,そのせいで中に入ることができないと村長は続ける。そこで主人公は,島の住人達に代わって封印を解くためのアイテムを集め,灯台に巣食っている悪霊を退治することに。上述のとおり,本作はいわゆる“2Dゼルダ”風の見下ろし型アクションアドベンチャーで,ほぼ正方形に近い画面サイズは,ゲームボーイカラーの画面を思い起こさせる。
さてここで,本作の特徴を紹介してみようと思ったのだが,どれほど考えてもやはり“とってもゼルダ”としか言いようがないという結論に至った。フィールドに生えている草を切り倒すとお金やアイテムが出てくるのもそうだし,大きなハート形のアイテムを取ると体力の上限が増えるのも同じ。今となっては懐かしい,画面切り替え式のスクロールも実にゼルダっぽい。こうした要素がコンパクトなスケールにぎゅっと凝縮されており,まさに“ミニゼルダ”といった雰囲気だ。
フィールドは比較的平和だが,ダンジョンに一歩足を踏み入れると,そこには危険なモンスターと罠が待ち構えている。キャラクターには2つのアイテムスロットがあるので,剣と盾を持たせたり,ランタンとつるはしを持たせたりと,状況に合わせてアイテムを変更しつつ,謎を解いてダンジョンを攻略していこう。各ダンジョンのボスを倒すと封印を解くためのアイテムが手に入り,すべて集めたらいよいよ灯台で最終決戦だ。
本作ならではと言い切れる要素には欠けているが,全体的に丁寧に作られており,謎解きの難度もほどほどでテンポよくプレイできるゲームに仕上がっている。そして何より,お値段がたった3ドルと破格なのもありがたい。そんな本作の製品版は公式サイトにて販売中だが,SteamのGreenlightにも登録されており,Greenlightを通過した際にはすでに購入した人全員にSteamキーが送られるとのことだ。
■「Shipwreck」公式サイト
http://brushfiregames.com/shipwreck/- この記事のURL:
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