連載
インディーズゲームの小部屋:Room#222「Out There Somewhere」
マイケル・キスクとカイ・ハンセンによる新バンド,UNISONICのデビューアルバムがまさに本日発売されることを祝してお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第222回は,MiniBossの「Out There Somewhere」を紹介する。本作は,“Mother Planet”と呼ばれる星を狙う悪い宇宙人Grigoriと,Mother Planetの英雄Yuriの戦いを描いた横スクロールアクションだ。うひょー,こうしちゃいられない。早く帰ってCDショップに行かなきゃ!
さて,ゲームはGrigori軍の攻撃を受けて,Yuriがさっそうと宇宙船で出撃するところからスタートする。本作は基本的にアクションゲームだが,ゲーム開始時とラストの戦いでは横スクロールタイプのちょっとしたシューティングゲームになっているのが特徴だ。冒頭の戦いで宇宙船にダメージを受けたYuriは,Grigoriの宇宙船が近くの惑星に不時着したのを見て,自らもあとを追ってその惑星に着陸する。というわけで,ここからがいよいよ本番だ。
何とか惑星に降り立ったものの,Yuriが乗ってきた宇宙船は,Grigoriの攻撃を受けた際に損傷して飛べなくなってしまっている。プレイヤーはYuriを操作し,どうにかこれを修理する方法を探しながら,惑星を探索していくことになる。そして,そんなYuriの心強い味方となるのが,殺傷力は持たないが狙ったところに自由にテレポートできる不思議な銃,Teleport Gunだ。
Teleport Gunの使い方は簡単で,移動したい方向の壁に向かってただ撃つだけ。銃から発射されたエネルギー弾が着弾すると,その瞬間に着弾地点にテレポートするという寸法だ。これを使って,普通にジャンプしただけでは届かない場所に移動することはもちろん,鉄格子(?)の向こう側など,歩いていけない場所にも移動できる。また,タイミングが若干シビアだが,テレポートした瞬間にもう一度ジャンプすることも可能で,ジャンプとテレポートを組み合わせたトリッキーな動きを要求される場面もある。
本作では,飛び乗ると消えてしまうブロックや,Teleport Gunのエネルギー弾を通過させるブロック,さらにはエネルギー弾を吸収したり,方向を変化させてしまったりする3種類のビームなど,さまざまな仕掛けがあり,これらが組み合わさってパズルゲームのようになっている。これがなかなか頭と指先を駆使するものになっており,手順を考えながらYuriをテレポートさせていかないと,クリアはおぼつかないだろう。
また,マップのあちこちにある10個のコアを見つけ出すのも本作の目的の一つ。これらのコアは必ずしも全部集めなくてもクリアできるが,コアを手に入れることで宇宙船が強化され,ラストのボス戦で有利になるので,できる限り集めておきたいところ。ただし,そう簡単にすべてのコアを回収することはできない(と思う)ので,まずは1周クリアしたあとで,じっくり取り組んだほうがいいかもしれない。
上述のとおり,Teleport Gunでは敵を倒せないが,ゲームを進めると破壊力のある普通の銃が手に入り,邪魔なモンスターをやっつけられるようになるものの,メインとなるのはあくまでパズルアクション。Teleport Gunを使った摩訶不思議な動きが楽しい一本なので,興味を持った人はぜひお試しを。そんな本作は,インディーズゲーム&MOD専門のSteamとでも言うべきオンライン配信システム,Desuraにてデモ版が配信されているほか,ゲーム単体が4.99ドル,MP3形式のサウンドトラックとヒントマニュアルがセットになった“Voskhod Edition”が7.49ドルにて発売中だ。
■「Out There Somewhere」公式サイト
http://studiominiboss.com/out-there-somewhere/- この記事のURL:
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