連載
インディーズゲームの小部屋:Room#181「Garshasp: The Monster Slayer」
どうも! GINGER&BUNNYの仕事中にエンドレスでアニソンを聴いてるほうです! と本筋とはこれっぽちも関係がない挨拶をかましつつお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第181回は,Dead Mage Studioの「Garshasp: The Monster Slayer」を紹介する。ところで,GINGERとTIGERってスペル似ていると思いませんか?
本作はゾロアスター教の教典「アヴェスター」にその名が登場する古代ペルシャ神話の英雄,Garshaspを主人公とするアクションアドベンチャー。ご存じのとおり,ペルシャとは現在のイランのことだ。本作の初期開発はFanafzar Game Studiosが行っており,その後,アメリカの独立系デベロッパDead Mage Studioが開発を引き継いで完成させたという経緯があるが,そのFanafzar Game Studiosはイランのデベロッパだ。プレイヤーは英雄Garshaspとなり,故郷を襲って兄弟を殺した悪魔,Hitaspへの復讐の旅に出ることになる。
神話をモチーフにしたアクションアドベンチャーといえば,ギリシャ神話の神々を相手に主人公クレイトスが大暴れする「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズが真っ先に思い浮かぶが,本作はそのゴッド・オブ・ウォーのペルシャ神話版といった風情。マッチョな主人公Garshaspを操作し,巨大な剣やゲームの途中で入手できる巨大ハンマーでバッサバッサと敵をなぎ倒していくという,近接戦闘が主体のゲームだ。
歴史的遺産や彫刻などを元にして制作されたというグラフィックスはなかなか雰囲気があり,新たなエリアに進むたびにダイナミックなカメラアングルで風景を俯瞰する演出が入るのも,ゴッド・オブ・ウォー風だ。また,レバーを操作して扉を開いたりといったパズル的要素もあるが,難しいものはなく,ステージもほぼ一本道なので,最初から最後までひたすらノンストップの豪快なアクションが楽しめる。
Garshaspの武器は上述のとおり巨大な剣(とハンマー)で,キー入力によって弱攻撃と強攻撃の使い分けができるほか,敵を倒したときなどに入手できる赤いオーブを集めることで新たなコンボを覚えられる。また,ゴッド・オブ・ウォーでお馴染みのクイック・タイム・イベント(QTE)もあり,画面に表示されたキーを押すことで,敵を引き倒してとどめを刺すといったアクションを繰り出せる。中にはQTEでしか倒せない敵もいるので,戦闘中は画面から目を離さないようにしよう。
Garshaspの操作はキーボードとマウスでも可能だが,アクション性の高いゲームなので,Xbox 360コントローラのような2本のアナログスティックを備えたゲームパッドでのプレイがお勧めだ。
冒険の舞台はスタート地点の村から,岩場や密林,トラップが満載の神殿までとバラエティに富んでおり,最後まで飽きさせないが,ゲーム自体はのんびりプレイしても5〜6時間程度とやや短め。また,シーンごとにカメラアングルが固定されるため,せっかくの風景を自由に見渡せず,一部状況を把握しにくいシーンがある点が残念だ。
このほか,アクションにやや引っかかりを感じる点が残るなど,全体的に荒削りな印象がある本作だが,無数の敵との豪快な戦闘が楽しめる一本なので,ゴッド・オブ・ウォーが好きな人はぜひ本作もお試しあれ。本作の製品版は,Steamで19.99ドルにて発売中だ。
■「Garshasp: The Monster Slayer」公式サイト
http://garshasp.com/- この記事のURL:
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