インディーズゲームの小部屋：Room＃179「Dino Run SE」

　福井県で新種のイグアノドン類の化石が発見され，にわかに筆者の恐竜熱が再燃している今日この頃，「インディーズゲームの小部屋」の第179回は，どことなくイグアノドンっぽい恐竜（ただし肉食）が全力疾走するPixeljamのアクションゲーム「Dino Run SE」を紹介する。


　恐竜が絶滅した理由については，巨大隕石が地球に衝突したことによる環境の激変が有力な説とされているが，それだけでは説明できないとする専門家もおり，現在でもたびたび新たな説が提唱されては議論を呼んでいるのはご存じのとおり。恐竜絶滅の謎は完全に解明されたわけではないものの，本作は今まさに隕石が降り注ぎ，恐竜達が滅亡しようとしている中で，可愛らしい恐竜を操作して破滅から逃げ延びるという内容だ。


　ゲームの遊び方は，方向キー（もしくはW/A/S/D）で恐竜を操作し，後方から迫ってくる巨大な竜巻（？）に追いつかれないように，ひたすら画面右のゴールに向かって突っ走るだけと単純明快。途中にある段差や地割れ，転がってくる岩などの障害物は，上キーのジャンプや下キーのしゃがみ動作で切り抜けよう。また，20秒に1回，Shiftキーでスピードアップが可能なので，こちらも忘れずに活用したい。


　ステージ上には，プレイヤーの恐竜同様，大小さまざまな恐竜が逃げており，プテラノドンの脚につかまったり，パラサウロロフスの背に乗ったりと，ほかの恐竜を利用することでより素早く移動できるのが面白いところ。ステージもただの一本道ではなく，穴から落ちた先に新しい通路があったりと探検しがいがある。もちろん，のんびりしていると竜巻に巻き込まれてゲームオーバーになってしまうので，先を急ぐか，新たなルートを開拓するかのジレンマがまた楽しいのだ。


　基本的には，ただひたすら逃げるだけのゲームだが，ステージにはパワーアップアイテムとして恐竜のスピードやジャンプ力などを一定時間アップしてくれる花が咲いているほか，卵を一定数集めたり，小さな恐竜を一定数食べたりすると“DNA”を獲得でき，これを使って恐竜の基礎能力を強化できるのも本作の特徴の一つ。DNAを使って強化した能力は次のプレイにも持ち越されるので，周回プレイを重ねてマップを隅々まで探検してみるのもいいだろう。


　このほかにも，ゲーム内で骨を集めることで，新しいステージをアンロックしたり，壁紙やアイコンなどのゲーム外で使えるリワードをダウンロードできるようになったりといった要素もある。さらに，オンラインスコアランキングやマルチプレイにも対応しているなど，見た目のシンプルさとは裏腹の至れり尽くせりの機能が揃っている。もちろん，ご覧のとおりのレトロテイスト溢れるドット絵で描かれた，すっとぼけた感じの可愛らしいグラフィックスも本作の魅力だ。


　実は本作は，以前からブラウザで遊べる無料バージョンが公開されており，密かに筆者のお気に入りだったのだが，今回紹介したのはそれのスタンドアロン版となっている。スタンドアロン版は，3ドル（または骨3本，もしくは貝殻3個）でダウンロード販売されている。支払い方法の骨3本，または貝殻3個というのはもちろんジョークだが，スタンドアロン版には無料のブラウザ版にはなかった新しいステージやゲームモード，恐竜に被せる新しい帽子などが追加されているので，ブラウザ版を気に入った人は購入を検討してみよう。

■「Dino Run SE」公式サイト

http://www.pixeljam.com/dinorunse/